ポイント交換システムって何?自社ポイントを共通ポイントに交換するシステムの導入メリット
ポイント交換システムとは、自社の独自ポイントを他社の共通ポイント等に交換するシステムのことです。自社ポイントを「共通ポイント」等に交換すると、幅広い商品やサービスに交換可能となるため、ユーザーのメリットが大きくなります。以下では、ポイント交換システムの基本と導入するメリットについて解説します。
<この記事のポイント>
ポイント1 ポイント交換システムの導入方法は、自社でシステム開発をする、外部サービスを利用する方法などがある
- ポイント2 ポイント交換システムを導入すると、顧客データの活用や新規顧客の獲得が可能となる
- ポイント3 ポイント交換システム導入の成功には、プロジェクトのゴールを設定、共通ポイント提携の選定、顧客コミュニケーション戦略を策定することが重要
目次[非表示]
- 1.ポイント交換システムとは
- 1.1.ポイント交換システムの仕組み
- 1.2.共通ポイントに交換するメリットとは
- 2.ポイント交換システムの導入方法は三つ
- 3.ポイント交換システム導入のメリット
- 3.1.顧客データの活用
- 3.2.顧客エンゲージメントと顧客満足度の向上
- 3.3.新規顧客の獲得
- 4.ポイント交換システム導入のデメリット
- 4.1.ポイントの価値低下
- 4.2.システム開発・運用に伴うコスト
- 4.3.ブランドコントロールの課題
- 5.ポイント交換システム導入成功のためのポイント
- 5.1.ゴールの設定
- 5.2.ポイント提携先の選定
- 5.3.顧客コミュニケーション戦略
- 6.事例紹介: 成功を収めた企業の事例
- 6.1.事例1:エネルギー会社
- 6.2.事例2:クレジットカード会社
- 7.まとめ
- 8.おすすめの資料はこちら
ポイント交換システムとは
ポイント交換システムとは、自社の独自ポイントを他社の共通ポイント等に交換するシステムのこと。ポイント交換システムは、専用のプラットフォームを通じて自社ポイントを共通ポイントに交換することができます。
さらに、ユーザーはオンラインで簡単にポイント交換が完了できるため、メリットが大きく顧客満足度の向上につながります。以下で、ポイント交換システムの仕組みや利便性について解説します。
ポイント交換システムの仕組み
「ポイント交換システム」とは、自社のみで使える独自ポイントを共通ポイント等に交換するシステムのことを指します。ポイントから金券や電子マネー等に交換する場合もありますが、「ポイント交換システム」と表現した場合、一般に独自ポイントを自社以外の別のポイントに交換することを指しています。
ポイント交換システムを導入すれば、顧客は、専用のプラットフォームを通じて自社ポイントを共通ポイントに交換することができます。交換はオンラインで簡単に完了でき、ユーザーにとってはシンプルなのでユーザーファーストでものごとを進めることができます。
共通ポイントに交換するメリットとは
ポイント交換システムを導入し、独自ポイントが「共通ポイント」等に交換できるようになると、独自ポイントを多数の提携企業で利用できることになり、幅広い商品やサービスに交換可能となります。
また、複数の企業や店舗が加盟して利用できる「共通ポイント」は、顧客自身が自分のニーズで交換先を選択できるため、利便性が各段に向上します。さらに、独自ポイントから共通ポイントに交換できることで、自社ポイントの施策が広がります。
ポイント交換システムの導入方法は三つ
ポイント交換システム導入には、自社でシステム開発をする方法、外部のサービスをセミオーダーして自社専用にカスタマイズする方法、あるいは外部のサービスをそのまま利用する方法、の三つがあります。それぞれ、開発から運用までにかかるコストや時間が異なり、メリットとデメリットがあります。
以下で、ポイント交換システムの導入方法について、それぞれ解説します。
1.自社でシステム開発をする方法
まず一つ目に自社でポイント交換システムを開発する方法があります。自社でシステム開発をすることで、独自のカスタマイズや機能追加が可能となります。ユーザーは、専用システムを通じてポイント交換を行うため、ブランドとの一体感が高まります。
専用のシステムを構築することで、自社のニーズに最適化されたポイント交換体験を提供できるメリットがありますが、システムの開発には膨大な時間と初期費用、維持費がかかります。開発から運用まで、大規模なプロジェクトになるため、事業規模が小さくなるほど費用対効果を含めて非現実的な施策となってしまいます。
2.外部のサービスをセミオーダーして自社専用にカスタマイズする方法
二つ目は外部のポイント交換サービスを活用し、自社専用にカスタマイズする方法です。既存のサービスをベースに必要な機能を追加し、自社の要件に合わせたカスタマイズを行うため、開発時間を短縮でき、かつカスタマイズも可能。
外部サービスを利用することで、大手の共通ポイントと提携できる可能性も高まります。自社システム開発と比較すると、コストが大幅にカットできるメリットがあります。
ただし、1銘柄だけの交換であれば、それほどコストカットできない可能性があります。大幅にコストカットできるのは、複数のポイントと交換した場合に限りますし、セミオーダーゆえに一部機能の制約が出てくる可能性もあります。
3.外部のサービスをそのまま利用する方法
三つ目は、既存の外部ポイント交換サービスをそのまま活用する方法です。こちらは、外部サービスの提携先として参加し、ユーザーにポイント交換サービスを提供する仕組みになります。
システム開発や大きなカスタマイズもないため、導入スピードが速いのがメリット。また、外部サービスを利用することで、大手のポイントと提携できる可能性が高まります。
ただし、一部機能の制約や、外部サービスを利用するためブランド一体感を構築することへのハードルが上がることなどのデメリットもあります。
ポイント交換システム導入のメリット
ポイント交換システムを導入すると、「顧客データの活用」「顧客エンゲージメント、顧客満足度の向上」「新規顧客の獲得」の三つのメリットがあります。以下でポイント交換システム導入のメリットについて解説します。
顧客データの活用
ポイント交換システム導入のメリットとして、顧客データの活用が挙げられます。つまり、顧客の共通ポイントの利用履歴を活用し、より精緻なターゲティングと効果的なマーケティング戦略を展開することができるということです。
さらに、顧客データを分析することで、顧客のニーズに合った体験を提供することが可能となります。
顧客エンゲージメントと顧客満足度の向上
次に、顧客エンゲージメントと顧客満足度の向上につなげることができます。共通ポイントを通じて、他社提携サービスへの誘導が可能となり、ひいては顧客のブランドへの信頼性を上げることができます。
また、顧客は自社ポイントを有効活用できるため、無駄を省くことができます。結果として、顧客エンゲージメントと顧客満足度が向上し、ブランドロイヤルティの強化につながります。
新規顧客の獲得
最後に、顧客自身で任意のポイントサービスに交換できるポイント交換システムは、新規顧客の獲得にも有効です。ポイント交換システム導入によって、共通ポイントを利用するユーザーの新規顧客を獲得する機会が増します。
新規顧客獲得のためには、既存顧客の5倍のコストがかかる(1:5の法則)といわれているため、比較的費用対効果が高いマーケティング手法といえます。
ポイント交換システム導入のデメリット
ポイント交換システム導入にはデメリットもあります。主なものとして「ポイントの価値低下」、「システム開発・運用に伴うコスト」、「ブランドコントロールの課題」の三つが挙げられます。
以下で、ポイント交換システム導入のデメリットについて解説します。
ポイントの価値低下
ポイント交換システム導入のデメリットとして、まず挙げられるのがポイントの価値低下です。つまり、ポイント交換システムを導入する際に、ポイントの交換率が下がる可能性があるのです。
顧客は、ポイントを有効活用し、魅力的な提携先との交換を期待しているため、交換率の変更には注意が必要です。ポイントの交換率が下がると、ポイントの価値が低下すると感じられ、顧客からの不満やクレームにつながることもあるかもしれません。
ポイント交換システムの導入によって、ポイント交換率の低下を選択する場合、事前に適切なコミュニケーションを行い、顧客に理解を求める必要があります。
システム開発・運用に伴うコスト
ポイント交換システムの導入には、開発および運用のコストが発生します。特に、独自のシステムを開発する場合は、初期投資や維持費が高額になる可能性があります。
外部サービスやプラットフォームを活用することで、開発コストを削減することができますが、適切な業者(ベンダー)の選定が必要となります。
ブランドコントロールの課題
ポイント交換システム導入のデメリットとして、ブランドコントロールの課題も残されています。ブランドコントロールのためには、適切な提携先の選定と評価が重要となります。
共通の価値観や顧客ニーズに合致する提携先を選ぶことで、ブランド一体感を確保できます。その場合、提携先との協力関係を築きながら、顧客からのフィードバックや要望にも迅速に対応することが大切です。
ポイント交換システム導入成功のためのポイント
ポイント交換システム導入を成功に導くためには、プロジェクトのゴールを設定、共通ポイント提携の選定、顧客コミュニケーション戦略を策定することが重要です。ここでは、ポイント交換システム導入成功のための三つのポイントを解説します。
ゴールの設定
まずは、プロジェクトのゴールを明確に設定し、顧客エンゲージメントやブランドロイヤルティを具体的な数値や指標で示しましょう。これにより、成果の可視化と評価が容易になります。
ポイント提携先の選定
次に、顧客のニーズと要望を基にした市場調査を行い、提携企業を選定しましょう。顧客が興味を持ち、価値を感じる提携先を選ぶことで、ポイント交換システムの魅力が上がります。
顧客コミュニケーション戦略
最後に、ポイント交換システムの存在やメリットを顧客に知らせるためのコミュニケーション戦略を検討します。例えば、SNS、メール、ウェブサイトなどを活用して、顧客に情報を届け、参加を促進することができます。
事例紹介: 成功を収めた企業の事例
以下では、ポイント交換システム導入により成功を収めた企業の事例を二つ紹介します。
事例1:エネルギー会社
ガス・電気の小売事業に主軸を置くエネルギー会社、大阪ガス株式会社では、2009年に会員専用サイト『マイ大阪ガス』の運営を開始。当初は、サイト内でのみ利用可能な独自ポイントを導入していました。
ガス・電力の自由化でユーザーが自由に契約先を選べるようになった状況や、ユーザーの「共通ポイントに交換できるようにしてほしい」といった要望を受け、ポイント制度の一新と会員サイトのリニューアルを決断。
顧客体験を向上させ、会員数を増やすことを目的として、ジー・プランが提供する「ポイント・コンセント」の導入を決めました。2021年3月、全国的に普及している楽天ポイントやdポイントなどの共通ポイントに、大阪エリアで利用可能な地域密着型ポイントを加えた合計6銘柄を交換先に選び、新サービスをスタート。
リニューアル後は2021年末までに既存会員80万人に加えて20万人が、2022年はさらに15万人が新規会員登録する運びとなりました。リニューアル後に行ったアンケート調査では、お客様満足度が10%アップしており、ポイント施策の成功がCS向上の大きな要因と考えられます。
詳しくはこちら
https://www.g-plan.net/service/case/06
事例2:クレジットカード会社
JFRカード株式会社が発行する『大丸松坂屋カード』『大丸松坂屋ゴールドカード』では、クレジットカードでの決済時に大丸・松坂屋の独自ポイントが付与されます。貯まったポイントは大丸松坂屋百貨店での買い物や食事の際に利用できるため、顧客にとってのメリットはもちろん、店舗もリピーター獲得の効果があります。
ただ、ポイント利用シーンが限定されることから、利用者の拡大という面では課題がありました。そこで、ターゲットの年齢層を絞り込み、カードのリニューアルを決断します。まずは、新たに『QIRA(キラ)ポイント』というポイント特典に変更することで、ポイントサービスを拡充することに。
さらに、ポイントの活用先の拡大を検討し、ジー・プランの「ポイント・コンセント」導入を決定しました。決め手は、ポイント交換先が約150銘柄と豊富であったことや、ポイント交換先が百貨店の利用者層とマッチしていることにありました。
導入後は、ポイント交換先が増加したことに対するお客様の喜びの声が多数寄せられるなど、満足度の観点からも高く評価されています。
詳しくはこちら
https://www.g-plan.net/service/case/05
まとめ
本記事では、ポイント交換システムのメリットやデメリット、ポイント交換システムの導入を成功に導くためのポイントについてお伝えしました。さらに、具体的な成功事例をご紹介して、ポイント交換システムが、新規顧客獲得や顧客満足度の向上に大きく貢献していることがわかりました。
ジー・プランの提供する「ポイント・コンセント」は、独自のポイントをdポイントなど共通ポイントと直接交換できるプラットフォーム。人気の共通ポイントを中心に約150銘柄と提携しているので、自社のターゲットにマッチしたポイント交換を実現できます。
また「PCT LITE」は、電子ギフトを用いて手軽にポイント交換を実現するサービス。顧客に会員登録の手間をかけさせることなく、スムーズなポイント交換が可能となっています。「ポイント・コンセント」は、システム開発・契約・運用等までをジー・プランに集約できるため、ポイント交換にかかるコストの大幅な削減が可能に。「PCT LITE」は、各社との契約の手間や、システム連携の導入コストなどを大幅に削減できます。
ポイント交換システム導入を検討する際は、ぜひ参考にしてみてください。
ポイント・コンセント
https://www.g-plan.net/service/solution/pointconcent
PCT LITE
https://www.g-plan.net/service/solution/pctlite
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