
【2023年最新】大手スマートフォン決済サービスのポイント白書
近年、スマートフォン決済サービス(コード決済サービス)の利用者数が増加しています。財布を持たずにスマートフォンだけを片手に外出する消費者を自社の顧客として取り込むためには、スマートフォン決済サービスへの対応を進めた方がよいかもしれません。
ただし、サービスごとに「貯まるポイント」や「決済手数料」などに違いがあるため、事業者側では「どれを導入するべきなのだろうか」と悩むことも多いのではないでしょうか。そこで、この記事では、主に実店舗でビジネスを営んでいる事業者に向けて、主要なスマートフォン決済サービスの内容をご紹介します。
この記事のポイント
ポイント1 スマートフォン決済サービスに対応して、より多くの顧客を獲得しよう
- ポイント2 2023年時点では、大手6社のスマートフォン決済サービスが広く普及
- ポイント3 サービスを選択する際は、貯まるポイントや決済手数料などの比較を!
目次[非表示]
スマートフォン決済サービスに対応するメリット
スマートフォン決済サービス(コード決済サービス)に対応することで事業者側が得られるメリットとしては、「売上増加」「業務効率化」「決済時間短縮」「ポイ活ユーザーへの訴求効果」が挙げられます。
近年、スマートフォン決済サービスを利用する消費者が増加しており、近所のコンビニエンスストアで弁当などを購入する程度であれば、財布を持たずに外出するケースも珍しくありません。店舗側がスマートフォン決済に対応していれば、そのようなユーザーを顧客として取り込みやすくなり、売上増加につながるでしょう。
レジの業務が効率化されることも、スマートフォン決済サービスを導入する利点です。現金決済の場合、顧客側も店員側も紙幣や硬貨の枚数を数える手間がかかりますが、スマートフォン決済ならQRコードやバーコードをスキャンするだけで支払いが完了します。決済時間の短縮を実現でき、顧客満足度も向上するでしょう。
また、多くのスマートフォン決済サービスには、ショッピングで利用するとポイントが貯まる仕組みが存在します。そのため、スマートフォン決済サービスに対応することで、ポイント活動に励むユーザーを自社の顧客として取り込めるかもしれません。主なスマートフォン決済サービスで貯まるポイントの種類や還元率については、次の章以降でご紹介します。
現状では、キャッシュレス決済全体に占めるスマートフォン決済(コード決済)の割合は、クレジットカードや電子マネーに比べて大きくありません。しかし、次第に上昇している傾向が見受けられるので、今後の動向を注視したいところです。
大手6社のスマートフォン決済サービスの内容をご紹介
以下、2023年時点で広く利用されている大手6社のスマートフォン決済サービス(au PAY、d払い、LINE Pay、PayPay、メルペイ、楽天ペイ)の内容(付与ポイント、決済手数料など)をご紹介します。
au PAY
2023年3月30日時点におけるau PAYの会員数は、約3,160万人です。au PAYの利用で貯まるポイントは「Pontaポイント」で、200円(税込)ごとに1ポイント付与されます。貯まったPontaポイントは、加盟店において「1ポイント=1円」の価値で利用することが可能です。
店舗が負担する決済手数料は2.6%(税別)で、売上金の入金手数料はかかりません。au PAYへの加盟を申し込む際には、中国で普及している「Alipay」や「WeChat Pay」への加盟も同時に申し込めます。インバウンド需要を狙うのであれば、同時に導入することも検討しましょう。
d払い
2022年5月12日に発表された「2021年度決算と2022年度業績予想について」によると、2021年度のd払いのユーザー数は4,375万人でした。
d払いで支払いを行うと、基本的に200円(税込)につき1ポイントの「dポイント」が貯まります。貯まったdポイントは、加盟店において「1ポイント=1円」の価値で利用することが可能です。
店舗が負担する決済手数料は通常2.6%ですが、2023年9月末まではキャンペーンによって無料になります。売上金の振込手数料は、原則としてかかりません(1万円未満の場合は200円)。
なお、d払いはメルペイと共通のQRコードを利用しており、一度の手続きでd払いとメルペイの両方に加盟を申し込むことができます。
LINE Pay
2023年4月時点におけるLINE Payのアクティブユーザー数は発表されていません。ただし、LINE自体には9,000万人を超えるユーザーが存在しており、その3割程度、すなわち、3,000万人程度はLINE Payを有効化していると推測されています。
LINE Payの機能である「チャージ&ペイ」では、還元されます。
「Visa LINE Payクレジットカード(P+)」を登録している場合は「5%」分の、「Visa LINE Payクレジットカード」を登録ししている場合は「0.5%」分の「LINEポイント」が還元されます。ほかのクレジットカードを登録している場合は、還元を受けられません。
貯まったLINEポイントは、LINE Payの加盟店において「1ポイント=1円」の価値で利用することが可能です。
店舗が負担する決済手数料は、以下のように、販売する商品・サービスの種類によって異なります。
- 物販・サービス:3.45%(税別)
- デジタルコンテンツ:5.5%(税別)
売上金の入金手数料に関しては、自動精算(月末締め、翌月第3営業日目に入金)の場合は無料です。振込日を待たずに入金を申請した場合は、1回あたり250円(税込)の手数料がかかります。
PayPay
PayPayの登録ユーザー数は、2023年2月6日に5,500万人を突破しました。貯まるポイントは「PayPayポイント」であり、PayPay加盟店において「1ポイント=1円」の価値で利用することが可能です。
店舗が負担する決済システム利用料は、以下のように、「PayPayマイストア ライトプラン」(PayPayユーザーに対して、独自の情報を配信できるサービス)に加入しているかどうかによって異なります。
- 加入している場合:1.6%(税別)
- 加入していない場合:1.98%(税別)
PayPayマイストア ライトプランの月額利用料は、1店舗あたり1,980円です。「独自情報の配信によって得られる利益」や「決済システム手数料の割引額」が1,980円を上回るのであれば、加入するほうが良いでしょう。
売上金の振込手数料は、月1回の通常のサイクル(月末締め、最短翌日入金)であれば無料です。早期振込を依頼する場合は、「都度振込利用料」として0.38%(税別)がかかります。
メルペイ
2022年8月時点におけるメルペイの利用者数は、約1,345万人です。メルペイでは、ポイント還元が実施されていません。
フリマアプリの「メルカリ」の売上金を、メルペイの残高にチャージすることが可能です。「副業としてメルカリでアクセサリーやハンドメイド作品などを販売しているユーザーが、売上金でメルペイを利用すること」を後押しする仕組みになっています。
店舗が負担する決済手数料(加盟店手数料)は、2.6%です。入金手数料は原則200円ですが、1万円以上を出金する場合は無料になります。
上述したように、メルペイとd払いの両方に、同時に加盟申込みが可能です。集客のためには、両方の決済サービスを導入するほうが良いでしょう。
楽天ペイ
「楽天ペイ」のみのユーザー数は公表されていません。ただし、日本国内の楽天ID数は1億を超えています。
楽天ペイの残高で支払いを行うと、1%分の「楽天ポイント」の還元を受けることが可能です(「楽天カード」でチャージをした場合は、トータルで1.5%分の還元)。貯まった楽天ポイントは、加盟店において「1ポイント=1円」の価値で利用できます。
店舗が負担する決済手数料は、業種や規模を問わず、一律3.24%です。楽天銀行の口座を振込先口座として登録すれば、365日いつでも翌日に自動出金されます(振込手数料は無料)。楽天銀行以外の口座に出金する場合は、入金依頼が必要になるほか、振込手数料として330円(税込)がかかります。
売上金の回収を迅速に行うことは、手元資金に余裕を持たせるうえで重要です。楽天ペイと楽天銀行の口座を組み合わせれば、キャッシュフローの改善に役立つでしょう。
どのスマートフォン決済サービスに対応するべきなのか?
以上、現在の日本では6つの主要なスマートフォン決済サービスが利用されていますが、マイナーな決済サービスも含めると無数に存在するため、「どれを選べば良いのだろうか」という悩みを持つ事業者もいらっしゃるでしょう。
導入するサービスを決める際に大切なのは、利用者数や貯まるポイントの種類、決済手数料、キャンペーンなどを比較することです。「利用者の多さ」を重視するのであれば、d払いやPayPay、楽天ペイが適しています。
メルペイは、ユーザー数が少ないものの、「メルカリの売上金で買い物が可能」という特色があるため、「メルカリユーザーを自社の顧客に取り込みたい」という場合は、導入する価値があるでしょう。
決済手数料も重要な要素です。主要6サービスのなかではPayPayが最も低くなっていますが、2023年9月末まではキャンペーンによってd払いの決済手数料が無料になっているため、「無料期間終了まではd払いに対応する」という選択肢も検討の余地があります。
なお、中国人観光客を集客したいのであれば、au PAYと同時に申し込める「Alipay」や「WeChat Pay」を導入することも考えてみてはいかがでしょうか。
【まとめ】
メジャーなスマートフォン決済サービス6種類の内容をご紹介しました。ユーザー数や貯まるポイント、決済手数料などを比較し、自社に適したサービスをお選びください。
ところで、自社で独自ポイントを運用している場合は、ジー・プランのソリューションを活用することも、スマートフォン決済ユーザーの集客に役立ちます。
例えば、「Gポイント交換」を導入すれば、ユーザーがGポイントを経由して独自ポイントを100種類以上の銘柄に交換することが可能になります。交換先のなかに「dポイント」や「LINEポイント」も存在するので、d払いやLINE Payを利用しているユーザーに対して訴求効果があるでしょう。
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