【企業向け】自治体のポイント還元キャンペーンとは？最新のキャンペーン概要もご紹介！

自治体のポイント還元キャンペーンを自社のポイント施策に活かすためには、キャンペーンの実施期間や還元率、対象となる決済サービスの認識が重要です。

本記事では、自治体のポイント還元キャンペーンの概要と自治体のポイント還元キャンペーンでチェックすべきポイントについて解説しています。また、地域別の自治体のポイント還元キャンペーンの実施例についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

自治体のポイント還元キャンペーンとは？

地域経済を活性化させるために、多くの自治体では「特定の決済サービスを使って地域の店舗で買い物をするとポイントが還元される」という内容のキャンペーンを展開しています。還元率は高いものの、予算の制限がありますので、開催期間が短いケースがほとんどです。

自治体によって独自の決済サービスを採用している場合もあれば、PayPayやau PAY、d払いのような広く普及している決済サービスを利用している場合もあります。

自治体のポイント還元キャンペーンを自社のポイント施策に活かす方法

自治体のポイント還元キャンペーンを自社のポイント施策に活かすには、キャンペーンの実施期間や還元率、対象となる決済サービスの認識が重要です。

キャンペーンによって独自の決済サービスのポイントを獲得したい顧客を誘引したいなら、そのサービスの加盟店になるのが有効です。一方、PayPayやau PAY、d払いなどのポイントを獲得した顧客を自店舗に呼び込みたいのであれば、これらの決済サービスの利用が可能な体制を確保しておく必要があります。

重要なのは、自社が事業を営む地域でいつポイント還元キャンペーンが実施されるかを知ることです。そのため、自治体や決済サービス事業者の公式サイトを定期的に確認することを推奨します。

自治体のポイント還元キャンペーンでチェックすべき4つのポイント

次に、自治体のポイント還元キャンペーンでチェックすべきポイントについて解説します。

• 還元率や還元上限額
• ポイント還元の対象
• 対象の店舗
• キャンペーンの予算額

それぞれについて詳しくみていきましょう。

1.還元率や還元上限額

自治体のポイント還元キャンペーンを利用する際、注目すべきポイントは還元率と還元上限額の違いです。同じ決済事業者のキャンペーンでも、自治体によって条件が異なります。

たとえば、PayPayと連携してキャンペーンを実施している西東京市と東久留米市では、どちらも還元率は25%です。しかし、西東京市では買い物1回あたりの付与上限が2,500ポイント、東久留米市では1,000ポイントに設定されています。

このように、西東京市なら10,000円の買い物で25%の還元が受けられますが、東久留米市では4,000円を上回ると還元されるポイントの上限が1,000ポイントになるため、実質的な還元率が下がってしまいます。

また、月間、もしくはキャンペーン期間全体でも還元されるポイントに上限が設けられているため、こちらもチェックが必要です。

2.ポイント還元の対象

自治体のポイント還元キャンペーンでは、その自治体の住民であるかどうかは基本的に関係ありません。そのため、働いている場所や旅行先でも、こうしたキャンペーンを利用できます。

ただし、対象となる店舗やサービスは自治体によって異なるため、どのようなお店や商品がポイント還元の対象になっているのかを事前に調べておくことが重要です。スーパーマーケットや、特定のアパレル店、あるいは地域特産品を販売するお店などが対象になることが多いです

3.対象の店舗

自治体のポイント還元キャンペーンの多くは、新型コロナウイルス感染症の拡大により影響を受けた中小規模・個人事業者の支援を目的としています。

そのため、ほとんどの自治体でこれらの事業者がポイント還元キャンペーンの対象となっており、大手チェーン店や大型ショッピングモール内の店舗ではポイント還元を受けられない場合があります

4.キャンペーンの予算額

各自治体ではポイント還元キャンペーンの開​​始前に予算額を設定しており、この予算に達した時点でキャンペーンは予定より早く打ち切ることがあります。

そのため、キャンペーンを最大限活用するためには、事前に自治体の公式ウェブサイトや専用のキャンペーンページをチェックし、最新情報を入手することが重要です。

【地域別】自治体のポイント還元キャンペーンの実施例

次に、自治体のポイント還元キャンペーンの実施例について紹介します。

• 岩手県
• 山形県真室川町
• 福島県いわき市
• 茨城県鉾田市
• 東京都渋谷区
• 東京都世田谷区
• 愛媛県新居浜市
• 大阪府箕面市

それぞれについて詳しくみていきましょう。

岩手県

岩手県では2023年2月に、「いわて県民応援！プレミアムポイント還元キャンペーン第2弾」を実施しました。このキャンペーンでは、PayPay、au PAY、d払い、楽天ペイなどを使って岩手県内の対象店舗で支払いをすると、20％相当のポイント還元されるというものです。また、県外の方も含めた広範な対象者が特徴でした。

ポイント還元には上限が設けられており、1社のキャッシュレス決済サービスにつき最大5,000ポイント、1回の決済では最大2,000ポイントまでです。対象業種で上記キャッシュレス決済手段を導入済みの店舗の場合、岩手県への申請手続きなしで自動的にキャンペーンに参加できる仕組みになっていました。

山形県真室川町

山形県真室川町では、「お買い物は真室川町で！PayPay利用で最大20％戻ってくるキャンペーン 第2弾」が実施されました。このキャンペーンでは、2023年4月29日から6月30日までの期間、町内の対象店舗でPayPayを使って決済すると、支払額の最大20％がPayPayポイントとして還元されるものです。

注意点としては、還元の対象はPayPay決済のみで、PayPayカードや商品券の利用は対象外です。また、ポイント還元には上限が設けられており、1回の決済につき10,000ポイント、キャンペーン期間中は合計20,000ポイントまでとなっていました。

福島県いわき市

福島県いわき市は、「いわき市のお店を応援！キャッシュレスで最大30％戻ってくるキャンペーン！」という魅力的な取り組みを、2023年3月1日から3月31日まで実施しました。このキャンペーンでは、市内の対象店舗でPayPay、au PAY、d払いの利用により、買い物金額の最大30％が還元されるというキャンペーンです。

還元の詳細については、1回の取引におけるポイント付与上限が3,000円相当、また1つのキャッシュレス決済事業者あたりの全キャンペーン期間中の還元上限も3,000円の設定です。地元経済の活性化とキャッシュレス決済の普及を促進するための取り組みとして、いわき市が中心となって実施されました。

茨城県鉾田市

茨城県鉾田市は2023年5月、PayPayと連携して「鉾田を元気に！最大30％戻ってくるキャンペーン！第2弾」を展開しました。このキャンペーンでは、5月1日から31日までの期間、市内の対象店舗でPayPayを利用して決済すると、支払額の最大30％がPayPayポイントで還元されます。

ただし、PayPay以外の支払い方法（PayPayカードやPayPay商品券なども含む）は還元対象外です。また、還元の上限は1回の取引につき5,000ポイントまでとキャンペーン期間中に合計20,000ポイントまでと定められています。

この取り組みは、PayPayが主導する「あなたのまちを応援プロジェクト」の一部として行われ、鉾田市が主催者となっています。

東京都渋谷区

東京都渋谷区では、2022年11月1日から「ハチペイ」という独自の地域ペイサービスの提供を開始しました。このサービスは、専用アプリのインストールとアカウント登録を行った後、セブン銀行ATM、専用チャージ機、またはクレジットカードを用いてチャージすることで、区内の加盟店で利用可能です。

特筆すべきは、中小規模事業者や個人事業者の導入が簡単であり、導入経費や手数料が無料である点です。結果として、2023年4月時点で区内2,027の店舗や事業者が導入しています。

ハチペイではポイント還元キャンペーンが定期的に実施されており、その内容は公式サイトで確認する必要があります。たとえば、2023年は「10,000円チャージで15,000円分の買い物ができるキャンペーン」や「3万人ダウンロード」や「アカウントで500ポイント進呈登録」、「マイナンバーカードでの区民認証で1,000ポイント進呈」などがあります。

貯めたポイントは1ポイント＝1円として加盟店で利用できますが、次回の支払い時に自動的に利用されるため、ポイントを貯めることはできません。

東京都世田谷区

東京都世田谷区において、2021年2月から世田谷区商店街振興組合連合会が区の支援を受け、「せたがやPay」というスマートフォン決済サービスの提供を開始しました。このサービスを利用するためには、アプリのインストールとアカウント登録が必要です。

チャージは全国のセブンイレブンにあるセブン銀行ATMにて可能で、2023年4月時点で世田谷区内4,347店舗、区外82店舗で利用できます。当初は新型コロナウイルスの影響で苦境にある商店の支援を目的とし、多くの店舗で決済手数料が無料となりましたが、2023年5月以降、手数料が一部発生するようになりました。

なお、貯まったポイントは、せたがやPay加盟店やふるさと納税にて1ポイント＝1円で利用可能です。

愛媛県新居浜市

愛媛県新居浜市では、「新居浜あかがねポイント」という独自のポイントサービスを展開しています。

市内経済とコミュニティの活性化を目的に、スマートフォンアプリ「chiica(チーカ)」または、専用のポイントカードにて市内の加盟店で買い物した場合に、100円ごとに1ポイントが付与されます。また、地域貢献活動や健康づくりなど、ほかのサービスでは珍しい方法でもポイントの獲得が可能です。

貯まったポイントは、加盟店で1ポイント＝1円として利用可能で、有効期限は取得から730日です。2023年3月には、「20％ポイント還元キャンペーン」が行われ、期間内15,000ポイントまでの上限が設けられました。

新居浜市は過去にも同様のキャンペーンを定期的に実施しており、今後も還元率をアップするキャンペーンが期待されています。

大阪府箕面市

大阪府箕面市が実施している「箕面の小さなお店を応援！キャッシュレスで20％ポイント還元キャンペーン」は、物価上昇の影響を受けている生活者の支援や消費喚起を目的として実施されており、市内の中小企業がこのキャンペーンの対象です。

2023年4月1日から4月30日の期間、対象の店舗でau PAYやd払いを利用しての支払いにより、購入金額の最大20％がポイントとして還元されます。還元の詳細については、1つの決済サービスごとに1,000円相当/回、期間中は5,000円相当と定められています。

【サービス別】自治体還元キャンペーンの実施状況

最後に、サービス別の自治体還元キャンペーンの実施状況について紹介します。

• PayPay
• auPAY
• d払い
• 楽天ペイ

それぞれについて詳しくみていきましょう。

PayPay

PayPay株式会社は、「あなたのまちを応援プロジェクト」において、2023年11月以降に下記のキャンペーンを実施すると決定しています。

なお、主な自治体と実施期間、キャンペーン内容は以下のとおりです。

参考：地方自治体と連携して取り組む「あなたのまちを応援プロジェクト」2023年11月以降に実施するキャンペーンが追加 - PayPayからのお知らせ

auPAY

auPAYは、2023年10月から地方自治体と共同で実施している「auPAY×地方自治体連携キャンペーン」を実施しています。このキャンペーンは、「au PAY（コード支払い）」のご利用でau PAY 残高などを還元するキャンペーンです。

なお、主な自治体と実施期間、キャンペーン内容は以下のとおりです。

参考：au PAY、11都道府県15自治体で還元キャンペーンを10月に開催 | ポイント・決済

d払い

d払いにおいても、多くの自治体と連携しポイント還元キャンペーンを実施しています。

なお、主な自治体と実施期間、キャンペーン内容は以下のとおりです。

参考：街のお店を応援！d払いで安心キャッシュレス｜d払い - かんたん、便利なスマホ決済

楽天ペイ

楽天ペイも、多くの自治体と連携しポイント還元キャンペーンを実施しています。

なお、主な自治体と実施期間、キャンペーン内容は以下のとおりです。

参考：キャンペーン - 楽天ペイアプリ

まとめ

この記事では、自治体のポイント還元キャンペーンの概要と自治体のポイント還元キャンペーンでチェックすべきポイント、地域別の自治体のポイント還元キャンペーンの実施例について解説しました。

自治体のポイント還元キャンペーンを自社のポイント施策に活かすためには、キャンペーンの実施期間や還元率、対象となる決済サービスの認識が重要です。また、PayPay、au PAY、d払いなどの決済サービスで支払いが可能な体制を整えることが必須となります。

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