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ポイント制度でボランティア活動を促進!自治体の実践例をご紹介

近年、さまざまな自治体が、ボランティアを行った方に対してポイントを付与する施策(ボランティアポイント制度)を実施しています。自治体によって制度の詳細は異なりますが、中には電子マネーとの交換が可能なケースも。本記事では、ボランティアポイント制度について徹底解説します。各自治体の実践例もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。


この記事のポイント

  • ポイント1 ボランティア活動に対して「ポイント」を付与する自治体が増加

  • ポイント2 ボランティアポイント制度の背景には、介護保険法の改正がある

  • ポイント3 自治体ごとに、ポイント制度の具体的内容が異なる


すずしょうたくや


目次[非表示]

  1. 1.ボランティア活動を取り巻く状況
  2. 2.ボランティアポイント制度の背景には、介護保険法の改正がある
  3. 3.自治体の取り組みの具体例をご紹介
  4. 4.ポイントサービスを運営するなら、各自治体のボランティアポイント制度をチェックしよう
  5. 5.おすすめの資料はこちら


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ボランティア活動を取り巻く状況

国・自治体の財政の厳しさが増す昨今、「行政がカバーできない部分を、市民のボランティア活動で補おう」という取り組みが広まっています。

ただし、内閣府の「令和元年度 市民の社会貢献に関する実態調査」によると、「2018年の1年間で、1回以上ボランティア活動をしたことがある」と回答した方は17%で、多くの方がボランティア活動に参加していないことが判明しています。善意に頼るだけでは、なかなか人は集まりません。

このような状況を打破するために、近年、さまざまな自治体で、ボランティア活動に対してポイントを付与する施策が実施されるようになりました。「ボランティア活動に対してポイントを付与する施策」が多くの自治体で実施されるようになった背景には、2014年の「介護保険法の改正」があることも把握しておきましょう(次節で詳しく説明)。

ちなみに、ボランティア活動には、「介護などの分野における人材確保」という目的に加えて、「高齢者自身がボランティア活動に参加することで要介護状態になることを予防する」「中年層など、社会各層の社会参加を促す」といった効果も期待されています。


ボランティアポイント制度の背景には、介護保険法の改正がある

近年、さまざまな自治体でボランティアポイント制度が実施されるようになりましたが、その背景には、前述のとおり「介護保険法の改正」があります。

法改正によって介護保険制度の中に「一般介護予防事業」が創設された結果、介護予防に資する取り組みやボランティア活動などへのポイント付与を行う自治体が増加。2019年度には全市町村の34.1%(593市町村)にまで達しています。

なお、厚生労働省は「高齢者が介護施設などで介護支援ボランティア活動を行った際にポイントを付与する」といった実施スキームを例示していますが、自治体ごとに施策の内容・名称が異なることにご留意ください。

ポイント付与の対象となる活動は「高齢者などによるボランティア活動」と「自らの介護予防のための活動への参加」の2種類に大別され、具体的な内容は、以下に示すように多岐に渡ります。

  • レクリエーション(囲碁など)の指導
  • 散歩などで介護施設から外出する際の移動を補助
  • 在宅高齢者のゴミ出しを補助
  • 高齢者の話し相手
  • 自治体が主催する介護予防事業に参加

これらの活動を実施する場所としては、老人福祉施設、公民館、図書館、博物館、要支援・要介護高齢者の自宅などが想定されています。



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自治体の取り組みの具体例をご紹介

下表に、さまざまな自治体のボランティアポイント制度の内容をまとめました。


自治体の名称            
施策の内容
北海道函館市     
  • 「介護支援ボランティアポイント事業」を実施
  • 40歳以上の市民(介護認定者を除く)で、ボランティア研修修了者が参加可能
  • ボランティア活動1時間につき1ポイントを付与(1日2ポイントが上限)
東京都稲城市
  • 「稲城市介護支援ボランティア制度」を実施
  • 全国で初めて介護支援ボランティアに対してポイントを付与する事業に取り組んだ自治体
  • 高齢者がボランティアとして介護支援を行うと、1時間につきスタンプを1個付与
  • スタンプ1個100ポイントに相当し、1ポイント=1円のレートで換金できる(1,000円単位、年間上限は5,000円)
千葉県千葉市
  • ボランティア関連活動などに参加すると「ちばシティポイント」が貯まる(活動内容によって付与されるポイント数が異なる)
  • 貯まったポイントは「1ポイント=1WAONポイント」のレートでWAONポイントに交換できるほか、認定NPO法人等への寄附や、市施設利用券等の特典に交換可能
神奈川県横浜市
  • 「静岡市元気いきいき!シニアサポーター事業」を実施
  • シニア世代(65歳以上)の静岡市民が介護施設などでボランティア活動を行うと、1時間あたり100ポイントを付与(1日300ポイントが上限)
  • 貯まったポイントは、500ポイント単位で地場産品と交換可能
静岡県静岡市
  • 「静岡市元気いきいき!シニアサポーター事業」を実施
  • シニア世代(65歳以上)の静岡市民が介護施設などでボランティア活動を行うと、1時間あたり100ポイントを付与(1日300ポイントが上限)
  • 貯まったポイントは、500ポイント単位で地場産品と交換可能
大阪府大阪市
  • 「介護予防ポイント事業」を実施
  • 65歳以上の大阪市民が参加できる
  • 施設活動コース:介護保険施設や保育所、認定こども園などでボランティア活動を実施すると、2時間未満では1ポイント、2時間以上は2ポイント(上限)を付与
  • 在宅活動コース:要支援認定を受けた方の自宅でボランティア活動を実施すると、1回あたり(おおむね1時間以内)6ポイントを付与(別途、利用者から100円の謝礼が支払われる)
  • 貯まったポイントは、「1ポイント=100円」のレートで6ポイント(600円分)から換金可能(上限は年間8,000円)
福岡県福岡市
  • 「介護支援ボランティア事業」を実施
  • 65歳以上の高齢者が介護保険施設等で1時間以上のボランティア活動を行うと、200ポイントを付与(1日1回まで)
  • 貯まったポイントは、「1ポイント=1円」のレートで換金可能(年間上限5,000円)


このように、全国各地でボランティア活動を促すためのポイント制度が実施されています。「どのくらいの活動時間に対して、どの程度のポイントが付与されるのか」や「金銭への交換が可能かどうか」など、自治体ごとに制度の詳細が異なることにご留意ください。




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ポイントサービスを運営するなら、各自治体のボランティアポイント制度をチェックしよう


ポイントサービスの運営を担当している方は、各自治体のボランティアポイント制度の内容を把握しておきましょう。

例えば、千葉市が実施している事業の場合、ボランティア活動で貯めた「ちばシティポイント」はWAONポイントに交換できます。このように、貯めたポイントを他の電子マネーに交換したいというニーズは、今後さらに増えていくでしょう。ジー・プランが提供する「Gポイント」サービスでは、ユーザーがボランティア活動で貯めた各種ポイントをGポイントにまとめたり、他のポイントに交換して使用したりすることが可能になります。

今後、さまざまな自治体が、多種多様なポイントとの交換が可能な施策を打ち出してくる可能性があるので、定期的に各自治体の公式サイトや報道機関のニュースをチェックすることをおすすめします。


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佐藤拓真
佐藤拓真
2018年頃からライターとして活動。「企業がポイントサービスを活用する方法」「ポイントを活用したビジネスのトレンド」「ポイントを活用したマーケティング手法」「ポイント制度やシステムに関する基礎知識」などについて、フラットな視点からレポートしています。私は「ポイント活動(ポイ活)」が注目されるようになる前から、さまざまなポイント(電子マネー、マイルなどを含む)を貯めてきました。自分自身の経験も踏まえて記事を執筆していくので、企業でポイント制度の導入・運用に携わっている方の参考になれば幸いです。

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