
カタログ通販はポイントサービスを導入している?老舗4社について紹介
富士経済が実施した国内の通販(物販)市場調査によると、2022年現在、国内の通販(物販)の市場規模予測は約15兆円。全体としては前年比6.6%増と予測しており、ECは7.6%増の14兆円弱、カタログは0.4%減の1兆円強を見込んでいます。
ECとカタログとで明暗が分かれているようにも見えますが、老舗のカタログ通販会社はどちらも並行して展開しているのが特徴。以前からの顧客には引き続きカタログを利用してもらいつつ、ECサイトの活用によってユーザー層を広げています。
今回ご紹介するのは、そんなカタログ通販について。老舗の大手4社の特徴と、それぞれがどのようなポイントサービスを展開しているのかをまとめました。
この記事のポイント
ポイント1 ベルメゾン・ディノス・ニッセン・ベルーナの4社を紹介
- ポイント2 それぞれのECサイトの特徴とポイントサービスの有無を整理
- ポイント3 ディノスを除く3社は類似のポイントシステムを採用している
目次[非表示]
- 1.ベルメゾン(千趣会)
- 1.1.ベルメゾンのポイントサービスは?
- 2.ディノス
- 2.1.ディノスのポイントサービスは?
- 3.ニッセン
- 3.1.ニッセンのポイントサービスは?
- 4.ベルーナ
- 4.1.ベルーナのポイントサービスは?
- 5.まとめ
ベルメゾン(千趣会)
ベルメゾンは、株式会社千趣会が運営する通販カタログ。1976年創刊の老舗です。
ECサイトでは「ファッション」「インテリア・雑貨」「妊娠・ベビー・キッズ」「ビューティ」といったカテゴリーが並んでいることからもわかるとおり、主に女性をターゲットとした商品を数多く取り扱っています。
サイトでの商品選びが楽しくなるコラムを掲載しているほか、スマートフォン向けアプリも配信中。特に後者は用途別に3種類のアプリを配信するなど、昔ながらのカタログだけでなく、インターネットやスマートフォンへの移行も進めていることがわかります。
ベルメゾンのポイントサービスは?
ベルメゾンには、基本となる「レギュラー」会員に加えて、利用すればするほど買い物がおトクになる「ご優待会員」システムがあります。過去6ヶ月間に2回以上かつ合計2万円以上利用すると、ご優待会員になる仕組みです。
さらにご優待会員には5つのステージが設けられており、ステージが上がると「送料無料」や「ポイント還元率アップ」といったメリットがあります。ブロンズから始まり、最高のダイヤモンド会員になると、なんとポイント還元率が20倍に。
基本となるレギュラー会員は200円(税抜)の買い物で1ポイントが貯まるため、ダイヤモンド会員になれば200円で20ポイント。常に10%還元の恩恵を受けられます。ポイントはベルメゾンでの買い物の際に、1ポイント=1円で使えます。
ディノス
ディノスは、日本初の本格的なテレビ通販番組を源流に、総合通信販売事業を手掛ける株式会社DINOSが運営しています。
ECサイトのカテゴリーには「ファッション」「バッグ・靴・アクセサリー」「家具・収納」「カーテン・敷物・ソファカバー」「ベッド・寝具・布団」「キッチン・家電」などが並ぶ総合通販サイトで、ファッションアイテムは女性向けが多め。
一方で、商品カテゴリーではなく「DAMA collection」「HOUSE STYLING」などの各種カタログから商品を選ぶことも可能。冊子版を送ってもらうこともできます。
ディノスのポイントサービスは?
ディノスには、独自のポイントサービスがありません。その代わりに、楽天ポイントやdポイントを貯めたり使ったりすることができます。
ニッセン
ニッセンは、株式会社ニッセンホールディングスが発行する総合カタログ。1975年創刊の老舗であり、それ以前の1970年から呉服専門のカタログ販売をしていました。
ECサイトは「ファッション通販サイト」として運営されており、レディースファッションを中心に子供服やメンズファッションの取り扱いも。商品カテゴリーとして「大きいサイズ」を打ち出しているほか、背が高い人向けのトールサイズ、小柄な人向けの小さいサイズなど、豊富なサイズ展開が特徴です。
サイト上ではデジタルカタログを掲載しているほか、Twitter・Instagram・LINEといったSNSアカウントを持ち、幅広い層への訴求を図っています。
ニッセンのポイントサービスは?
ニッセンには会員向けのポイントサービスがあり、200円(税込)の買い物ごとに1ポイントが貯まります。ポイントは1ポイント=1円で、ニッセンでの買い物に利用可能。
また、半年間の利用金額に応じておトクな特典を得られる「ニッセンプラス」の対象になれば、獲得できるポイントの倍率がアップ。送料の優待を受けられるうえ、最大7倍のポイントを得ることができます。ほかにも期間限定のキャンペーンをたびたび開催するなど、さまざまな施策を講じていることがわかります。
ベルーナ
ベルーナは、1986年創刊の総合カタログ。もともとは印鑑の訪問販売で創業し、現在は通販事業を主軸とする株式会社ベルーナが運営しています。2022年には、西武ドーム(ベルーナドーム)の命名権を取得してニュースになりました。
ECサイトではレディース向けのファッションアイテムを数多く取り揃えており、「ピックアップアイテム」や「スタッフコーディネート」といったコンテンツがあるのも特徴。良い意味で老舗カタログらしさを感じさせない、今どきのファッションサイトとなっています。
一方では複数のグループサイトがあり、家具や化粧品、ワインやグルメなどの通販サイトも運営。今も昔もさまざまなジャンルの商品を取り扱う、「総合カタログ」としての役割を果たし続けています。
ベルーナのポイントサービスは?
ベルーナもランク別のポイントシステムを取り入れており、通常会員の上にシルバー・ゴールド・プラチナ・ダイヤ会員の4段階があります。
通常会員が年間1.1万円以上(税込)の買い物をするとシルバー会員となり、シルバー以上の会員には誕生月に1,000ポイントをプレゼント。さらに、通常会員は220円(税込)ごとに1ポイントが貯まりますが、最高ランクのダイヤ会員になると獲得ポイントが10倍になります。ポイントは1ポイント=1円で、ベルーナでの買い物に利用可能。
まとめ
以上、老舗のカタログ通販サイト4社を紹介しました。
ディノスを除く3社には独自のポイントサービスがあり、いずれもヘビーユーザーほどおトクな会員システムとなっています。いずれも老舗通販企業だけに固定ユーザーが多く、その囲い込みが戦略として重要であることがわかります。
ただし、ポイント戦略の面において特筆すべきは、むしろ独自ポイントを持たないディノスと言えるかもしれません。ディノスでは、独自ポイントのかわりに共通ポイントを貯められるため、自社の固定ユーザーに留まらず、他の業種、業態のポイント利用者に対しても、幅広く訴求することが可能です。こうした共通ポイントへの流れは、今後さらに広がっていくでしょう。
とはいえ、多種多様な共通ポイントのなかでどれを選ぶかは、難しい問題です。ひとつに絞ろうとするよりも、ポイント交換サービスを利用する方が有益かもしれません。
たとえばジー・プランの提供する「Gポイント交換」では、自社ポイントを100種類以上の各種ポイント・電子マネー・マイルなどと交換可能です。
また、約150社のポイントと提携した「ポイント・コンセント」なら、自社ポイントを複数の共通ポイントや大手ポイントに直接交換できるので、ポイント感度の高いユーザーの取り込みを狙うなら、選択肢のひとつとして検討してみてもよいのではないでしょうか。
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