
携帯キャリアのクレジットカードのポイントサービス
電子マネーの普及やキャッシュレス決済の広がり、インターネット通販の隆盛に伴い、今なお拡大し続けているクレジットカード市場。
一口に「クレジットカード」と言ってもさまざまですが、携帯キャリアと関係の深いクレジットカードが最近注目を集めています。ドコモ、au、ソフトバンク、そして楽天といったキャリア各社は、どのようなクレジットカードサービスを展開しているのでしょうか。今回は、携帯キャリアのクレジットカードのポイントサービスを見ていきます。
この記事のポイント
ポイント1 キャッシュレス決済の広がりによって、クレジットカード市場も拡大している
- ポイント2 カード選びと利用に際しては、「ポイント」の存在が大きな判断基準となっている
- ポイント3 携帯キャリアのクレジットカードは共通する特徴を持っているが、取り扱うポイントがそれぞれ異なる
目次[非表示]
- 1.クレジットカード業界の現状
- 2.dカード
- 2.1.dカードで貯まるポイントは?
- 3.au PAY カード
- 4.PayPayカード
- 5.楽天カード
- 5.1.楽天カードで貯まるポイントは?
- 6.まとめ
クレジットカード業界の現状
今や私たちの生活に欠かせない存在となりつつある、クレジットカード。もう長年にわたって利用している「決済手段」のひとつとして、当たり前に感じている人も多いかもしれません。
特に近年は「キャッシュレス決済」が話題ですが、そこで最も利用されているのがクレジットカードです。2022年、インターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」が18歳以上の男女を対象に実施した調査によれば、キャッシュレス決済を利用する人のなかでは、スマートフォン決済の利用率がようやく50%を超えたのに対して、クレジットカード決済は90.1%と断トツ。平均3.2枚のクレジットカードを持っており、日常的に活用されていることがわかります。
また、複数のクレジットカードを使い分ける理由として一番多かったのが、「ポイント機能がついているので店舗ごとに使い分ける(72.1%)」という理由でした。つまり、クレジットカード選びと実際の利用に際して、「ポイント」の存在が大きな判断基準となっていると言えます。
そのように関わりの深い「クレジットカード」と「ポイント」ですが、本記事でスポットライトを当てたいのが、「携帯キャリアのクレジットカード」について。主要キャリアが発行するクレジットカードが、それぞれどのように「ポイント」を取り扱っているのかを見ていきましょう。
dカード
dカードは、NTTドコモが発行するクレジットカード。
スタンダードな「dカード」のほかに、ドコモユーザーならポイントが貯まりやすい「dカード GOLD」や、有料道路に対応した「dカード ETCカード」、家族向けの「dカード 家族カード」をラインナップ。用途に応じたカードを選んで使うことができます。
dカードで貯まるポイントは?
dカードの還元率は基本1%。100円(税込)の利用ごとに1ポイントの「dポイント」が貯まります。dカード特約店や、dカード ポイントモールを経由した買い物なら、さらにポイントをゲット。
また、年会費はかかりますが、dカード GOLDならドコモの関連サービスのポイント還元率もアップ。携帯料金のポイント還元率が1000円(税抜)ごと10%になるほか、年間利用金額に応じた特典なども獲得できます。
au PAY カード
au PAY カードは、auフィナンシャルサービスが発行するクレジットカード。
年会費無料の「au PAY カード」と、還元率は高いものの年会費がかかる「au PAY ゴールドカード」、ほかにも家族カードとETCカードを取り揃えています。auユーザーでなくても利用できますが、auサービスと組み合わせるとよりおトクに使えます。
au PAY カードで貯まるポイントは?
au PAY カードで貯まるのは、Pontaポイント。100円(税込)ごとに1ポイントが還元され、貯まったPontaポイントは1ポイント=1円としてさまざまな用途で利用できます。
通常のショッピング利用や公共料金の支払いでポイントを貯めることができるほか、au PAY マーケットでのショッピングの際は最大合計7%の還元率に。この場合、au PAY ゴールドカードならさらに還元率がアップし、携帯料金の最大11%がPontaポイントで還元されます。
PayPayカード
PayPayカードは、PayPayカード株式会社が発行するクレジットカード。
年会費永年無料の「PayPayカード」と、年会費がかかる「PayPayカードゴールド」の2種類があり、どちらもETCカードを付帯可能。「PayPayカード」では家族カードを付帯することも可能ですが、「PayPayカードゴールド」は現在未対応となっています(2023年夏以降に対応予定)。どちらもソフトバンクの関連サービスの支払いで、ポイントが還元されるのが特徴です。
PayPayカードで貯まるポイントは?
利用するとPayPayポイントが貯まり、PayPayカードは1%、PayPayカードゴールドは最大1.5%の還元率となっています。
ただし、ワイモバイルやおうちでんき、Yahoo!ショッピングといったサービスでは、支払時にポイントアップ還元されます。たとえばYahoo!ショッピングでは、毎日最大7%付与、5のつく日はさらに4%上乗せされます。また、PayPayカードゴールドを利用すればYahoo!プレミアムの特典が使い放題になるうえ、関連サービスの還元率も高く設定されています。たとえばソフトバンクの携帯料金支払いなら、利用料金1000円(税抜)ごとに最大10%が付与されます。
楽天カード
楽天カードは、楽天カード株式会社が発行するクレジットカード。
ポイントの貯めやすさと関連サービスの多さが大きな特徴であり、カードの種類も豊富です。基本の「楽天カード」のほか、女性に人気の「楽天PINKカード」、旅行好きにおすすめの「楽天ゴールドカード」、高い還元率を誇る「楽天プレミアムカード」などがあり、デザインを選べる点も魅力です。
楽天カードで貯まるポイントは?
100円(税抜)ごとに1ポイントの楽天ポイントが貯まる楽天カードは、ポイントを貯める手段も用途も多岐にわたります。いずれのカードも楽天市場での買い物や関連サービスの利用でポイントが付与され、利用金額やサービス利用数で還元率がアップする仕組みです。
ポイントを入手できるキャンペーンが頻繁に開催されていたり、事前にチャージして使う電子マネー・楽天Edyとの連携でも還元されたりと、ポイントの貯めやすさは随一。日頃から楽天のサービスを使っている人ほどおトクなカードだと言えるでしょう。
まとめ
以上、携帯キャリアのクレジットカードと、ポイントについての解説でした。
基本となる還元率は各社ほぼ共通しており、年会費を払って高還元率と特典を得られる「ゴールド」タイプのカードがあるのも同様です。携帯料金の還元率が10%になるのは大きな魅力ですので、「自社のユーザーに自社のクレジットカードを併せて使ってもらう」ことを狙いとしていることがわかります。実際、ユーザー側もその点で選んでいるケースが多いのではないでしょうか。
また、それぞれのクレジットカードで還元される「ポイント」も、やはり有力な判断基準となります。
前半で参照した調査によれば、最も良く使用するクレジットカードのブランドは楽天カードが42.8%で首位となっていました。2位のイオンカード(6.6%)や3位のdカード(6.0%)の追随を許さない、圧倒的な使用率を誇っています。最もよく使用するカードについて、そのカードを使用する一番の理由が「ポイントを貯めているから」であるとする結果も踏まえると、「ポイントが貯まりやすい楽天経済圏」の強さが改めて実感できますね。
とはいえ、共通ポイントはほかにも複数存在しますし、クレジットカードの平均保有数が3.2枚であったことからも、ポイントユーザーが複数ポイントを並行して貯めている現状が窺えます。ここで重要な点は、自社ポイントと強い共通ポイントとの相互連携が取れるかどうか、要するに交換が可能かどうかという点になるでしょう。
たとえば、ジー・プランが提供する「Gポイント交換」は、自社ポイントを100種類以上の各種ポイント・電子マネー・マイルなどと交換することが可能なポイントサービス。また、「ポイント・コンセント」なら、自社の独自ポイントを約150種類のポイント・マイルなどに直接交換することが可能になるので、自社ポイントの活用先として検討してみてはいかがでしょうか。
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