
大手アパレルショップのポイントサービスをご紹介!今後の展開にも注目
さまざまなショップ・ブランドが激しい競争を繰り広げているアパレル業界。コロナ禍を経て実店舗とECの使い分けが進み、近年は共通ポイントとの連携や、自社ポイントと他社ポイント・マイルとの相互交換に踏み出す事例も登場しています。
本記事では、アパレル業界におけるポイントサービスについて詳しく解説します。アパレル業界の勢力図や、売上順位上位10社のポイント施策をご紹介したうえで、上位3社をピックアップして詳しく分析するので、ぜひ参考にしてください。
この記事のポイント
ポイント1 アパレル業界のポイント施策は企業ごとに異なっており、多種多様
- ポイント2 全体的な傾向としては、「独自ポイント」を採用する企業が多い印象。一方で、共通ポイント連携や他社ポイント・マイルとの相互交換に踏み出す事例も増えてきている。
- ポイント3 ブランドイメージ・戦略に適したポイント施策を講じることが大切

目次[非表示]
直近のアパレル業界の勢力図
各社IR・有価証券報告書によると、大手上場アパレル企業10社のFY2025(各社の決算期末が2025年中に到来した直近通期)における売上高の順位は、下表のようになっています。。
企業名 | 売上高(単位は百万円、カッコ内は順位) |
ファーストリテイリング | 3,400,500(1位) |
良品計画 | 784,629(2位) |
しまむら | 665,358(3位) |
アンドエスティホールディングス (旧アダストリア) | 293,110(4位) |
オンワードホールディングス | 208,393(5位) |
西松屋チェーン | 185,974(6位) |
TSIホールディングス | 156,606(7位) |
バロックジャパンリミテッド | 58,180(8位) |
ハニーズホールディングス | 57,701(9位) |
ライトオン | 28,130(10位) |
なお、良品計画の売上高には「アパレル以外の売上」も含まれます。また、各社の決算期は、ファーストリテイリング・良品計画・ライトオンが8月期、ハニーズHDが5月期、その他は2月期と異なるため、上表の数値はいずれも「期末が2025年中に到来した直近通期(FY2025)」の実績を採用しています。西松屋チェーンは2026年2月期から連結決算へ移行したため、ランキング上のデータ(2025年2月期)は非連結ベースです。
アパレルショップ10社のポイント施策を一覧でご紹介
前節で紹介したアパレル企業10社のポイントサービスの内容を下表にまとめました。
企業名(カッコ内は、代表的なショップ名・ブランド名) | ポイントサービスの内容 |
ファーストリテイリング (ユニクロ、ジーユー) |
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良品計画(無印良品) |
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しまむら (しまむら、アベイル、バースデイ、シャンブル、ディバロ) |
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アンドエスティホールディングス(グローバルワーク、ニコアンド、ローリーズファーム) |
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オンワードホールディングス(23区、組曲、icb、自由区、チャコット) |
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西松屋チェーン(西松屋) |
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TSIホールディングス (ナノ・ユニバース、ナチュラルビューティーベーシック、パーリーゲイツ) |
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バロックジャパンリミテッド(MOUSSY) |
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ライトオン(Right-on) |
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ハニーズホールディングス(Honeys) |
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上表の内容を見ると分かるようにそれぞれにポイント施策が異なり、ファーストリテイリングのように、そもそもポイントサービスを実施していないケースもあります。
また、共通のポイントサービスが運用されているケース(アンドエスティHDやオンワードホールディングス)、ブランドによって異なるポイントサービスを運用して独自性を打ち出しているケース(TSIホールディングス)、共通ポイント(楽天ポイント)を導入しているケース(ライトオン、およびTSIホールディングス)など、多種多様です。
大手アパレルショップ3社のポイント施策を詳しく分析
ここからは、売上高上位3社(ファーストリテイリング、しまむら、アンドエスティHD)のポイント施策を詳しく分析していきます(良品計画は売上高ベースでは上位ですが、アパレル以外の製品の売上も含む金額なので除外)。
ファーストリテイリング(ユニクロ)
ファーストリテイリングが運営する「ユニクロ」では、2026年4月時点においては、独自ポイントが導入されておらず、共通ポイントにも非対応です。ただし、クレジットカードで購入代金を支払えば、カードのポイントは貯まります。
ユニクロでは「UNIQLO Pay」という独自の決済サービスが提供されていましたが、2026年1月末で完全終了。同社はポイント・自社決済のいずれにも踏み込まない姿勢を継続しています。
これまでは、「ポイントサービス以外でブランドの価値・魅力を高め、集客につなげよう」という戦略を採用してきたのかもしれません。しかし、社会のあらゆるシーンでポイントサービスが浸透している時代を迎えており、今後も「ポイントサービスなし」の戦略を維持していくのかどうかに注目です。
しまむら
上述したように、しまむらでは2026年3月10日のアプリ統合リニューアル(『しまむらパーク』への移行)に伴い、旧「ワクワク」ポイント制度を2026年3月9日で終了し、新しい「ポイント制度」へ全面的に切り替えました。新制度では、税抜100円につき1ポイントが貯まり、100ポイントに到達すると「100円分の割引クーポン」と「会員特典応募券3枚」が自動発行される仕組みです。旧「チケット」は「応募券」に名称変更されています。
つまり、これまでの「商品購入時には使えず、特典応募に特化した、ファン育成型のサービス」という位置づけから、「値引きクーポン(購入時の節約)」と「応募券(ファン向け特典)」の両方を同時に提供するハイブリッド型へと舵を切ったかたちです。価格訴求型チェーンとしての購入頻度向上を狙いつつ、ロイヤルカスタマー育成の仕組みも残す、バランス型のポイント施策へ進化したと言えるでしょう。
アンドエスティHD
アンドエスティホールディングス(2025年3月にアダストリアから商号変更)が運営するアパレルショップでは、「and STポイント」(旧:ドットエスティポイント)が貯まります。異なるブランドのショップで共通のポイントを獲得できるため、例えば「ローリーズファームでポイントを獲得し、グローバルワークでポイントを使う」といった選択も可能です。
ブランドごとに独自性を出しつつも、「別ブランドで同じポイントを使える利便性」を提供しているため、あるブランドのファンを別のブランドに誘導できるかもしれません。
さらに2025年9月16日からは、dポイントに加えて楽天ポイントとも連携し、「and STポイント」「dポイント」「楽天ポイント」の3社同時付与・使用(トリプル付与)を全国約1,300店舗とWEBストアで開始。同社は「アパレル業界初のポイントサービス大手2社を含む3社のポイント同時付与・使用」と公表しています。加えて2026年3月16日からは、JALマイレージバンクとのポイント相互交換サービスもスタートし、自社ポイントとマイルを双方向に交換できるようになりました。
今後、アパレル業界のポイントサービスは、どのように変化する?
マイナンバーカードは2025年12月3日に保有枚数が1億枚を突破し、2026年1月末時点では人口に対する保有率が全国81.2%に達しました。マイナポイント施策を契機にポイントサービスを利用するユーザー層は幅広い年齢・性別・職業に広がっており、いまやポイントは生活インフラの一部と言える存在になっています。
このような社会の流れを受け、アパレル業界でも、数多くのショップが多種多様なポイント施策を実施しています。ただし、2026年4月時点においても、ユニクロでは独自ポイントの導入も共通ポイントへの対応もない状況が続いています。
「Tポイント→Vポイント統合(2024年4月)」「ヤフーショッピング商品券のPayPayポイント統合(2025年2月)」「アンドエスティHDのトリプル付与・JALマイル相互交換」など、共通ポイントの枠組みは引き続き再編が進んでいます。ユニクロがどのような道を歩むのかに注目したいところです。
まとめ
企業ごとに異なりますが、アパレル業界の全体的な傾向としては、「共通ポイントではなく、独自ポイントを導入しているケースが多い」と言えるでしょう。「利便性」よりも、「顧客を囲い込んで自社ブランドの熱心なファンに育てること」を優先しているのかもしれません。
ただし、「楽天ポイント」を導入しているライトオンやTSIホールディングスや、「dポイント」「楽天ポイント」とのトリプル付与を実現したアンドエスティHDのように、「共通ポイントを上手に活用して、集客や売上増につなげよう」という戦略を採用している企業も着実に増えています。さらに、自社ポイントと他社ポイント・マイルとの相互交換に踏み込む事例も登場しており、独自ポイントを軸に「入口(同時付与)」と「出口(相互交換)」の両方を拡張する動きが目立ちます。
どの戦略が正しいのかを、簡単に決めることはできません。ビジネスを展開するうえで、「これを実行すれば必ず勝てる」という方法は存在しないので、自社の理念やブランドコンセプト、顧客の性質などに適した戦略を模索するべきです。
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