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大手アパレルショップのポイントサービスをご紹介!今後の展開にも注目

さまざまなショップ・ブランドが激しい競争を繰り広げているアパレル業界。新型コロナウイルス感染症流行の影響で外出機会が減少し、2020年から2021年にかけて実店舗での集客に苦労した企業が多かったかもしれません。しかし、2022年に入ってからは、売上が回復した企業が見られるようになりました。

本記事では、アパレル業界におけるポイントサービスについて詳しく解説します。アパレル業界の勢力図や、売上順位上位10社のポイント施策をご紹介したうえで、上位3社をピックアップして詳しく分析するので、ぜひ参考にしてください。


この記事のポイント

  • ポイント1 アパレル業界のポイント施策は企業ごとに異なっており、多種多様

  • ポイント2 全体的な傾向としては、「独自ポイント」を採用する企業が多い印象
  • ポイント3 ブランドイメージ・戦略に適したポイント施策を講じることが大切


目次[非表示]

  1. 1.2022年におけるアパレル業界の勢力図
  2. 2.アパレルショップ10社のポイント施策を一覧でご紹介
  3. 3.大手アパレルショップ3社のポイント施策を詳しく分析
    1. 3.1.ファーストリテイリング(ユニクロ)
    2. 3.2.しまむら
    3. 3.3.アダストリア
  4. 4.今後、アパレル業界のポイントサービスは、どのように変化する?
  5. 5.まとめ
  6. 6.おすすめの資料はこちら


2022年におけるアパレル業界の勢力図

在庫分析サービスを開発・提供する「フルカイテン株式会社」が2022年4月25日に公表した調査結果によると、大手上場アパレル企業10社の2021年3月~2022年2月期における売上高の順位は、下表のようになっています。


企業名
売上高(単位は百万円、カッコ内は順位)
ファーストリテイリング
2,149,105(1位)
しまむら
583,618(2位)
良品計画
469,083(3位)
アダストリア
201,582(4位)
オンワードホールディングス
168,453(5位)
西松屋チェーン
163,016(6位)
TSIホールディングス
140,382(7位)
バロックジャパンリミテッド
59,139(8位)
ライトオン
47,572(9位)
ハニーズホールディングス
45,433(10位)


なお、良品計画の売上高には「アパレル以外の売上」も含まれます。


アパレルショップ10社のポイント施策を一覧でご紹介

前節で紹介したアパレル企業10社のポイントサービスの内容を下表にまとめました。


企業名(カッコ内は、代表的なショップ名・ブランド名)                         
ポイントサービスの内容
ファーストリテイリング (ユニクロ、ジーユー)
  • ポイントサービスの導入なし
しまむら        (しまむら、アベイル、バースデイ、シャンブル)
  • ポイント名:ワクワク
  • 付与率:商品の購入で5ワクワク付与(そのほか、アプリ起動で1ワクワク、お気に入り店舗登録で1ワクワク、来店で2ワクワク付与)
  • 使いみち:10ワクワク貯まると「チケット」への交換が可能(チケットを使用して、「一般販売よりも早く商品を予約できる権利が当たる抽選」など、さまざまな会員特典に応募できる)
良品計画(無印良品)
  • ポイント名:MUJIショッピングポイント
  • 付与率:購入金額1円につき「MUJIマイル」が1マイル、来店及びチェックインで10マイル貯まり、マイル数が一定値を超えると所定の数量のMUJIショッピングポイントを獲得(例えば、20,000マイルに到達すると200ポイント獲得)
  • 使いみち:商品を購入する際に「1ポイント=1円」の価値で利用可能
アダストリア      (グローバルワーク、ニコアンド、ローリーズファーム)
  • ポイント名:[.st]POINT(ドットエスティポイント)
  • 付与率:商品1点ごとに、購入時の会員ランクに応じて付与されるポイントの数量が決定(レギュラー会員の場合、ポイント還元率は3%)
  • 使いみち:商品を購入する際に「1ポイント=1円」の価値で利用可能
  • IDを連携することで、dポイントを貯めることができる
オンワードホールディングス(23区、組曲、icb、自由区、チャコット)
  • ポイント名:オンワードメンバーズポイント
  • 付与率:商品代金(税抜価格)および会員ステージなどに応じて、所定の数量のポイントを付与
  • 使いみち:商品を購入する際に「1ポイント=1円」の価値で利用可能(オンラインショップでは1ポイント単位、対象ショップでは500ポイント単位)
西松屋チェーン(西松屋)
  • ポイント名:クローバー
  • 付与率:1%(購入代金100円につき1クローバー付与)
  • 使いみち:獲得クローバー数に応じてランクがアップし、1,000クローバー貯まるとオリジナルグッズを進呈(クローバーで商品を購入することはできない)
TSIホールディングス  (ナノ・ユニバース、ナチュラルビューティーベーシック、パーリーゲイツ)
バロックジャパンリミテッド(MOUSSY)
  • ポイント名:マイル(「ランクポイント」は「会員ランク」を決定するために存在しておりショッピングでは利用できない。会員ランクに応じて、料金割引や送料無料などの特典を適用。)
  • 付与率:1%(税抜100円につき1マイル付与)
  • 使いみち:商品を購入する際に「1マイル=1円(税抜)」の価値で利用可能
ライトオン(Right-on)
  • ポイント名:楽天ポイント
  • 付与率:200円(税抜)につき1ポイント付与(小数点以下切り捨て)
  • 使いみち:楽天ポイントの加盟店で「1ポイント=1円」の価値で利用可能
  • 2021年3月より従来のオリジナルポイントを廃止し楽天ポイントに一本化
ハニーズホールディングス(Honeys)
  • ポイント名:ハニーズポイント
  • 付与率:会員ランクに応じて、1%から5%まで変動
  • 使いみち:オンラインショップで商品を購入する際に「1ポイント=1円」の価値で利用可能


上表の内容を見ると分かるようにそれぞれにポイント施策が異なり、ファーストリテイリングのように、そもそもポイントサービスを実施していないケースもあります。

また、共通のポイントサービスが運用されているケース(アダストリアやオンワードホールディングス)、ブランドによって異なるポイントサービスを運用して独自性を打ち出しているケース(TSIホールディングス)、共通ポイント(楽天ポイント)を導入しているケース(ライトオン)など、多種多様です。


大手アパレルショップ3社のポイント施策を詳しく分析

ここからは、売上高上位3社(ファーストリテイリング、しまむら、アダストリア)のポイント施策を詳しく分析していきます(上述したように、良品計画の売上高は3位となっていますが、アパレル以外の製品の売上も含む金額なので除外)。


ファーストリテイリング(ユニクロ)

ファーストリテイリングが運営する「ユニクロ」では、2023年3月時点においては、独自ポイントが導入されておらず、共通ポイントにも非対応です。ただし、クレジットカードで購入代金を支払えば、カードのポイントは貯まります。

ユニクロでは「UNIQLO Pay」という独自の決済サービスが導入されていますが、現状ではUNIQLO Payを使ってもポイントは貯まりません(支払い方法としてクレジットカードを登録すれば、そのポイントを貯めることは可能)。

これまでは、「ポイントサービス以外でブランドの価値・魅力を高め、集客につなげよう」という戦略を採用してきたのかもしれません。しかし、社会のあらゆるシーンでポイントサービスが浸透している時代を迎えており、今後も「ポイントサービスなし」の戦略を維持していくのかどうかに注目です。


しまむら

上述したように、しまむらでは「ワクワク」という名称のポイントが貯まります。ただし、「チケット」を用いて商品の先行予約などの特典を受けることは可能ですが、商品を購入する際にワクワクを利用することはできません。

つまり、単なる「値引き」としてではなく、「しまむらを愛してくれるファンのためのサービス」として運用されていることが分かります。「価格が安いから買おう」という顧客ではなく、熱心なファン(ロイヤルカスタマー)を育てる取り組みと言えるでしょう。


アダストリア

アダストリアが運営するアパレルショップでは、「ドットエスティポイント」が貯まります。異なるブランドのショップで共通のポイントを獲得できるため、例えば「ローリーズファームでポイントを獲得し、グローバルワークでポイントを使う」といった選択も可能です。

ブランドごとに独自性を出しつつも、「別ブランドで同じポイントを使える利便性」を提供しているため、あるブランドのファンを別のブランドに誘導できるかもしれません。

なお、ドットエスティIDとdアカウントを連携させれば、「ドットエスティポイント」と「dポイント」の2重取りが可能になります。共通ポイントであるdポイントにも対応していることは、「グループ外からの顧客の流入」に役立つでしょう。


今後、アパレル業界のポイントサービスは、どのように変化する?

2023年4月2日、マイナンバーカードの交付枚数が96,195,661枚に達しました。マイナンバーカードをお持ちの方の多くはマイナポイントを受け取るため、幅広い年齢・性別・職業の方がポイントサービスを利用する時代になったと言って良いでしょう。

このような社会の流れを受け、アパレル業界でも、数多くのショップが多種多様なポイント施策を実施しています。ただし、2023年3月時点において、ユニクロでは独自ポイントの導入も共通ポイントへの対応もありません。

LINE・Yahoo! JAPAN・PayPayマイレージ」など、共通ポイントの枠組みに地殻変動が起こりつつある昨今、ユニクロがどのような道を歩むのかに注目したいところです。


まとめ

企業ごとに異なりますが、アパレル業界の全体的な傾向としては、「共通ポイントではなく、独自ポイントを導入しているケースが多い」と言えるでしょう。「利便性」よりも、「顧客を囲い込んで自社ブランドの熱心なファンに育てること」を優先しているのかもしれません。

ただし、「楽天ポイント」を導入しているライトオンや、「dポイント」を貯めることが可能なアダストリアのように、「共通ポイントを上手に活用して、集客や売上増につなげよう」という戦略を採用している企業も散見されます。

どの戦略が正しいのかを、簡単に決めることはできません。ビジネスを展開するうえで、「これを実行すれば必ず勝てる」という方法は存在しないので、自社の理念やブランドコンセプト、顧客の性質などに適した戦略を模索するべきです。

なお、ユーザーに対して「独自ポイントを共通ポイントなどに交換する仕組み」を提供したいのであれば、ジー・プランの各種ソリューションを活用することも選択肢のひとつと言えます。例えば、「Gポイント交換」なら、Gポイントを経由して100種類以上の銘柄へ交換が可能になり、ユーザーの利便性が高まるでしょう。



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佐藤拓真
佐藤拓真
2018年頃からライターとして活動。「企業がポイントサービスを活用する方法」「ポイントを活用したビジネスのトレンド」「ポイントを活用したマーケティング手法」「ポイント制度やシステムに関する基礎知識」などについて、フラットな視点からレポートしています。私は「ポイント活動(ポイ活)」が注目されるようになる前から、さまざまなポイント(電子マネー、マイルなどを含む)を貯めてきました。自分自身の経験も踏まえて記事を執筆していくので、企業でポイント制度の導入・運用に携わっている方の参考になれば幸いです。

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