
貯めたポイントを友人に譲渡・シェアする仕組み!導入するメリットや注意点を解説
近年、社会のさまざまな場面で、ポイントサービスが実施される時代が到来しました。共通ポイントを付与する場合、他企業・他店舗でも利用できるため、顧客は「ポイントが余ってしまったら、どのように使い切れば良いのだろうか」と不安を感じることはないでしょう。
しかし、オリジナルポイントを付与する場合、他企業・他店舗では利用できないため、顧客のなかには「この店舗を再び利用する予定がなく、自分自身では使い切れないため、ポイントを友人・知人などに譲渡したい」と考えるケースもあります。
貯めたポイントを家族間で譲渡・シェアできるポイントサービスは複数存在するのに対し、友人・知人などとの間で譲渡・シェアできるポイントサービスは決して多くはありません。ただし、皆無というわけではなく、たとえば「dポイント」は友人間での譲渡・シェアが可能です。
ポイントを友人に譲渡できる仕組みを用意すれば、企業・店舗側は「ポイントを譲渡された消費者を自店舗の顧客として取り込める」というメリットを享受できますが、一方で「不正の温床になりかねない」というデメリット・リスクも被ります。
そのため、自社・自店舗の独自ポイントを友人間でシェアできる仕組みを用意するのではなく、「友人間でのシェアが可能な他社ポイント(例えば、dポイント)」へ交換できる仕組みを提供することも選択肢になるでしょう。
この記事では、「貯めたポイントを譲渡・シェアする」ことについて顧客、事業者のメリット・デメリットや現状をまとめ、検討しやすい施策についてもご紹介します。
<この記事のポイント>
ポイント1 貯めたポイントを友人などに譲渡・シェアしたいユーザーも存在する
- ポイント2 ポイントを譲渡・シェアする仕組みにはデメリットもあることに留意
- ポイント3 共通ポイントに交換する仕組みを提供することも選択肢として検討を!
目次[非表示]
顧客のなかには、「貯めたポイントを誰かに譲渡したい」と考える方もいる
多種多様な実店舗・ECサイトでポイントサービスが実施されていますが、多くの店舗・ECサイトでは、「得意とする分野・領域」があり、あらゆる商品を取り扱っているわけではありません。
例えば、スポーツ用品店では、スポーツシューズやスポーツウェアは取り扱われていても、日常的に購入する人の多い生鮮食品や医薬品は基本的に取り扱われません。数年に1回しかスポーツ用品店で商品を購入しない顧客の場合、「この店舗でしか利用できない独自ポイントを友人・知人などに譲渡したい」と考えるかもしれません。
譲渡・シェア可能な仕組みを導入しておけば、このような顧客からポイントを受け取った友人・知人などが、自店舗で商品を購入してくれたり、その後継続的に顧客になってくれたりする可能性があります。
家族間で譲渡・シェアが可能なポイントサービスは複数存在する
友人・知人間でポイントの譲渡・シェアができるサービスは多くありませんが、家族間に限定すると事例が増えます。以下は、「家族間」で譲渡・シェアできるポイントサービスの例です。
- dポイント
- Pontaポイント
- 楽天ポイント
- ゆうゆうポイント
- JREポイント
家族間で譲渡・シェア可能なポイントサービスに関して詳しく知りたい場合は、以下の記事もご覧ください。
家族間で残高を共有!ポイントサービスを導入する企業のメリットとは?
家族以外(友人・知人など)に譲渡・シェアできるポイントサービスは少ない
上記の通り、家族間で譲渡・シェアできるポイントサービスは複数存在します。一方で2025年1月時点では、「家族以外(友人・知人など)」にも譲渡・シェアできるポイントサービスは少ない状況ですが、皆無というわけではありません。上述したように、dポイントは家族以外(友人・知人など)にも譲渡・シェアすることが可能です。
ただし、ドコモ回線の契約がない場合は、「本人確認」が必須とされています。譲渡・シェアの方法別に、本人確認が必要か不要かを下表にまとめました。詳細は、dポイントの公式サイトでご確認ください。
譲渡・シェアの方法 |
ドコモ回線の契約がある場合 |
ドコモ回線の契約がない場合 |
||
贈る側 |
受け取る側 |
贈る側 |
受け取る側 |
|
電話番号を指定する方法 |
不要 |
不要 |
必要 |
必要 |
dポイントクラブ会員番号を指定する方法 |
必要 |
|||
QRコードを読み取る方法 |
不要 |
|||
URLリンクを作成する |
必要 |
後述するように、ポイントを譲渡・シェアする仕組みには「不正の温床になりかねない」というリスクがあるため、dポイントでは本人確認を必須にすることで不正リスクを低減していると考えられます。
友人・知人にポイントを譲渡・シェアできる仕組みを導入するメリット
スーパーやドラッグストア、コンビニエンスストアなどであれば、日常的に食品や日用品(ティッシュなど)を購入する消費者が多いため、「ポイントを利用しないまま有効期限が到来する」という事態に陥りにくいでしょう。
しかし、特定のジャンルに特化した商店(スポーツ用品店・楽器店など)の場合、日常的に訪れて購入する顧客は少ないため、独自ポイントを付与しても、消費されないまま有効期限が到来するケースがある程度発生するかもしれません。
ジー・プランが実施した「ポイントサービスに関する市場調査」では、「ポイントが有効期限切れになって失効した経験がある」と回答した方の割合は68%でした(こちらから詳細な資料を無料でダウンロード可能)。
有効期限が到来してポイントが失効すると、顧客は損をした気分になるでしょう。顧客満足度を高めるためには、「独自ポイントの有効期限を無期限にする」「幅広い店舗で利用できる共通ポイントも選択可能にする」といった方法も有効ですが、「貯めた独自ポイントを友人・知人などに譲渡できる仕組み」を提供することも検討してみてはいかがでしょうか。
ポイントを譲渡・シェアできる仕組みを提供すれば、譲渡する側は友人・知人との絆が深まるため、損をした気分にならずに済むでしょう。店舗側としては、ポイントを贈られた消費者を、自社・自店舗の顧客として取り込める可能性があることがメリットです。
友人・知人にポイントを譲渡・シェアできる仕組みのデメリット、注意点
「友人・知人などに独自ポイントを譲渡・シェアできる仕組み」を導入すれば、顧客満足度の向上につながる一方で、悪意を持つ者が「不正行為を実行するための新たな手口」とする可能性があり、「不正の温床になりかねない」というデメリットを被ることにご留意ください。
「譲渡・シェア」という仕組みがない大手ポイント(共通ポイントなど)であっても、過去に不正行為がしばしば発生しています。下表に、過去に発生した大規模な不正行為の事例をまとめました。
宿泊予約サイトのシステムが悪用された事例 |
|
加盟店のシステムが不正アクセスを受けた事例 |
|
不正行為の手口は、日々進化しています。今後、従来とは全く異なる手口で不正行為が実行されるケースが出現するかもしれません。ポイントを友人・知人に譲渡可能な仕組みを顧客に提供するのであれば、より厳格に不正行為を検知・防止するシステムを構築・運用することが不可欠です。上述したように、dポイントでは、ドコモ回線の契約がない方が譲渡・シェアを実施する場合、「本人確認」が必須とされています。
ただし、不正を防止するシステム(本人確認を実施する仕組みなど)の整備・管理には、一定の費用や人員が必要なため、予算面・人員面で対応できないケースもあるでしょう。
その場合は、「自店舗の独自ポイントを譲渡・シェアできる仕組み」の導入ではなく、「ポイント交換サービスを導入して他社ポイント(dポイントなど)に交換できる仕組み」を提供することも選択肢としてご検討ください。
「dポイントに交換できる仕組み」があれば、顧客は独自ポイントをdポイントを介して間接的に友人・知人に譲渡できます。また、「dポイント以外の大手ポイント(共通ポイントなど)に交換して別の店舗で利用する」という選択肢も提供できるため、顧客満足度が高まるでしょう。
まとめ
ポイントを友人・知人に譲渡できる仕組みを用意すれば、企業・店舗側は「ポイントを譲渡された消費者を自店舗の顧客として取り込める」というメリットを享受できますが、「不正の温床になりかねない」というデメリット・リスクも被ります。過去、さまざまなポイントサービスが、不正行為による被害を受けています。「譲渡・シェア」という仕組みを導入するのであれば、厳格な不正防止対策を講じなければいけません。
不正行為を検知・防止するシステムを構築・運用するためには多大なコストがかかるため、予算面で対応できないケースもあるでしょう。その場合は、「独自ポイントを友人間でシェアできる仕組み」を用意する代わりに、「友人間でのシェアが可能な他社ポイント(例えば、dポイント)」へ交換できる仕組みを提供することも選択肢のひとつです。
例えば、ジー・プランの法人向けソリューションである「ポイント・コンセント」や「PCT LITE」なら、dポイントなど、共通ポイント・大手ポイントへの交換が可能な仕組みを顧客に提供できます。顧客満足度が向上し、売上増につながるため、導入することも検討してみてはいかがでしょうか。
おすすめの資料はこちら
関連記事