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物流2024年問題をポイントサービスで解決しよう!さまざまな事業者の施策を紹介

2024年4月から自動車運転業務の時間外労働の上限規制が適用され、ドライバー1人あたりが対応できる荷物の量が減少しました。この状況は「物流2024年問題」と呼ばれており、放置していると輸送力が低下し、経済・生活に悪影響が及ぶことが懸念されます。

政府(国土交通省)は、物流2024年問題の解決に向けて取り組む企業を支援するために、補助金制度(再配達率削減緊急対策事業)を実施中です。補助金を活用して、置き配を選択した顧客に対してポイント(置き配ポイント)を付与する企業も少なくありません。

ポイントサービスによって置き配を選択する消費者が増加すれば、再配達率が低下し、物流2024年問題の改善につながるでしょう。

本記事では、物流2024年問題を解決する手段としてポイントサービスを活用している事例を紹介します。ECサイトを運営している企業や物流関係の企業などでポイント施策を担当している方は、ぜひ参考にしてください。


<この記事のポイント>

  • ポイント1 物流2024年問題の解決策として再配達率削減緊急対策事業が開始

  • ポイント2 補助金も活用して、置き配を選択した消費者にポイントの付与を!
  • ポイント3 ポイントサービスの内容を工夫して、再配達率の抑制につなげよう


目次[非表示]

  1. 1.物流2024年問題とは
    1. 1.1.物流2024年問題の解決策として、政府が「再配達率削減緊急対策事業」を実施
  2. 2.ポイントサービスを活用した再配達率削減の取り組み
    1. 2.1.アマゾンジャパン合同会社(補助金の給付あり)
    2. 2.2.楽天グループ株式会社(補助金の給付あり)
    3. 2.3.LINEヤフー株式会社(補助金の給付あり)
    4. 2.4.株式会社ファンケル(補助金の給付なし)
  3. 3.まとめ
  4. 4.おすすめの資料はこちら


物流2024年問題とは

物流2024年問題とは、2024年4月から自動車運転業務の時間外労働の上限規制が適用されたことにより、ドライバー1人あたりが対応できる荷物の量が減少していることにより、輸送能力が低下し、ものが運べなくなる問題です。

輸送力が低下し、経済・生活に悪影響が及ぶことを防止するために、政府によって補助金制度が実施されています。


物流2024年問題の解決策として、政府が「再配達率削減緊急対策事業」を実施

物流2024年問題を解決するためには、「置き配」の利用者を増加させ、再配達率を低減することが不可欠です。置き配の普及を目指して、政府(国土交通省)は、「再配達率削減緊急対策事業」という補助金制度を実施しています。補助対象は、以下に示す3種類の事業の経費です。

  1. 再配達率削減システム改修事業
  2. 再配達率削減ポイント付与実証事業
  3. 物流負荷軽減アプリ実証事業

なお、「置き配ポイント」とは、2の再配達率削減ポイント付与実証事業で付与されるポイントの総称です。さまざまなECモール運営事業者が、置き配を選択する利用者に対し、補助金を活用して置き配ポイントを付与しています。

物流2024年問題や置き配ポイントに関して詳しく知りたい場合は、以下の記事もご覧ください。

政府による「置き配ポイント」が2024年10月から開始! 物流2024年問題の解決策!


ポイントサービスを活用した再配達率削減の取り組み

下表に、国土交通省の再配達率削減緊急対策事業の対象企業をまとめました。

1次採択事業者

(2024年5月31日~6月28日の1次公募期間に申請し、採択された事業者)

特定非営利法人クローバープロジェクト21、株式会社ニッセン、近畿配送サービス株式会社、株式会社マイプレシャス、株式会社ホームロジスティクス、株式会社ベルク、セイノーラストワンマイル株式会社、株式会社ナチュラルガーデン、株式会社ベイクルーズ、LINEヤフー株式会社、ヤマト運輸株式会社、株式会社白鳩、新日本製薬株式会社、楽天グループ株式会社、大和ライフネクスト株式会社、株式会社Studio beta、日本郵便株式会社、207株式会社、株式会社 In sense、SBSホールディングス株式会社、auコマース&ライフ株式会社、株式会社読売新聞東京本社、アスクル株式会社、アマゾンジャパン合同会社、佐川急便株式会社

2次採択事業者

(2024年7月29日~8月26日の2次公募期間に申請し、採択された事業者)

株式会社マキシム、ティーライフ株式会社、株式会社波里、株式会社山田養蜂場、株式会社G.ONE.Network、株式会社ミスミ、株式会社グローカルネット、日本宅配システム株式會社、株式会社イー・ロジット、日本物産株式会社、株式会社生活支援物流、サントリーウエルネス株式会社

3次採択事業者

(2024年10月1日~11月1日の3次公募期間に申請し、採択された事業者)

株式会社クラウディア、株式会社エスポリア


これらの企業のなかには、補助金を活用して再配達率削減ポイント付与実証事業(「置き配ポイント」の付与)を実施している場合もあります。また、上記企業のほか、補助金の給付を受けずに、置き配で商品を受け取る顧客に対して独自にポイント付与を実施している企業も存在します。

以下、実施済みの施策も含めて具体例を4つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。


アマゾンジャパン合同会社(補助金の給付あり)

アマゾンジャパン合同会社が運営するECモール「Amazon」では、注文時に置き配を指定をした方(またはAmazonロッカー・Amazonカウンターで商品を受け取る方)に、Amazonポイント(期間限定ポイント)を25ポイント付与しています。

Amazonロッカーとは、全国各地(スーパーマーケット・ドラッグストア・コンビニエンスストアなど)に設置されているセルフサービスのロッカーです。また、Amazonカウンターとは、スタッフがいる有人カウンターで、コンビニエンスストアなどが該当します。

なお、付与上限は1人2回(50ポイント)とされており、実施期間は2024年11月1日~12月31日です。


楽天グループ株式会社(補助金の給付あり)

楽天グループ株式会社が運営するECモール「楽天市場」では、2024年10月11日~10月31日の期間に商品を購入し、再配達なく1回で受け取った方に対して、楽天ポイント300万ポイントを山分けで進呈するキャンペーンを実施しました。

また、2024年11月1日~11月20日の期間にも、1,000円(税込)以上の商品を購入し、再配達なく1回で受け取った方に対して、1配送ごとに合計10ポイント以上の楽天ポイントを付与するキャンペーンを実施しました。

山分けで付与する場合、ポイントを付与する総量があらかじめ決まっているため、予算の見通しを立てやすいでしょう。ただし、キャンペーン参加者が多い場合、1人あたりのポイント獲得数が少なくなるため、不満を感じる顧客がいるかもしれません。

トータルのポイント付与量をあらかじめ決めることなく、条件を満たした場合にポイントを付与する方式であれば、顧客は不満を感じずに済むでしょう。しかし、どのくらいのポイントがトータルで必要なのかを事前に確定できないというデメリットもあります。


LINEヤフー株式会社(補助金の給付あり)

LINEヤフー株式会社が運営するECモール「Yahoo!ショッピング」では、2024年12月1日~12月22日の期間、置き配ポイントを付与する施策を実施しました。具体的には、以下の4条件を満たす場合に、注文ごとにPayPayポイント10ポイントが付与されます。

  1. 1,000円以上の注文をする
  2. 注文時に置き配を選択する(または後から受取方法を置き配に変更する)
  3. 2024年12月1日~12月22日の期間に注文する
  4. 2024年12月31日までに受け取りを完了する

また、2024年12月23日~2025年1月10日にも、1,000円以上購入して1回で受け取った方に対してPayPayポイント10ポイントを付与するキャンペーンを実施する予定です。


株式会社ファンケル(補助金の給付なし)

株式会社ファンケルでは、2024年1月下旬~2月末の期間に、通信販売の注文時に置き配を選択した顧客に対してポイント(ファンケルの化粧品やサプリメントなどを購入する際に利用できる独自ポイント)を付与する施策を実施していました。

同社は国土交通省の再配達率削減緊急対策事業の対象企業ではなく、上記施策は補助金制度に先駆けて実施された独自の取り組みです。このように、補助金を給付されていなくても、置き配を選択した顧客に対してポイントを付与する施策を実施する企業も出てきています。

国土交通省が実施している補助金制度(再配達率削減緊急対策事業)の3次公募の申請期限は2024年11月1日でした。次回の公募開始時期は未定ですが、再配達率削減緊急対策事業の公式サイトを定期的にチェックしつつ、その間、企業独自の施策として置き配を選択した顧客にポイントを付与することも検討してはいかがでしょうか。


まとめ

2024年4月から自動車運転業務の時間外労働の上限規制が適用されたことにより、ドライバー1人あたりが対応できる荷物の量が減少していますが、この状況は「物流2024年問題」と表現されています。

政府(国土交通省)は、輸送力低下に伴って経済・生活に悪影響が及ぶことを防止するべく、物流2024年問題の解決に取り組む企業を支援するための補助金制度(再配達率削減緊急対策事業)を実施中です。

企業によっては、商品の受取方法として「置き配」を選択した顧客に対して、補助金を活用してポイント(置き配ポイント)を付与し、再配達率の低減に取り組んでいるケースもあります。また、補助金の有無とは関係なく、独自の施策として、置き配を選んだ顧客にポイント付与を実施している企業も存在します。

現時点では3次公募が終了した状況であり、4次公募がいつ開始されるのかは未定です。補助金を活用したい場合は、定期的に再配達率削減緊急対策事業の公式サイトを閲覧し、最新情報をチェックしましょう。

物流2024年問題はポイントサービスにとってのチャンスでもあります。政府による「置き配ポイント」をはじめ、各社が展開し始めている配送混雑の緩和につながるポイントサービスは、すなわちユーザーの行動によってポイントが付与されるということを示します。ユーザーの行動に紐づくポイント付与はポイント業界のトレンドでもあり、各種事業者のみなさまにとっても、今後取り入れたい施策といえるのではないでしょうか。


ジー・プランが提供する「ポイント・コンセント」は、自社のポイントサービスをお持ちでない場合でも、ユーザーの行動に対して大手・共通ポイントを直接発行できる便利なソリューションです。約150銘柄と提携しており、自社のユーザーに合わせたポイントの付与が可能で、高い訴求効果が期待できるでしょう。ポイント発行にかかるコストも大幅に削減できるので、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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佐藤拓真
佐藤拓真
2018年頃からライターとして活動。「企業がポイントサービスを活用する方法」「ポイントを活用したビジネスのトレンド」「ポイントを活用したマーケティング手法」「ポイント制度やシステムに関する基礎知識」などについて、フラットな視点からレポートしています。私は「ポイント活動(ポイ活)」が注目されるようになる前から、さまざまなポイント(電子マネー、マイルなどを含む)を貯めてきました。自分自身の経験も踏まえて記事を執筆していくので、企業でポイント制度の導入・運用に携わっている方の参考になれば幸いです。

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