地方銀行のポイントサービスとは?付与条件や仕組みを解説
近年、ネットバンクや一部メガバンクにおいて、ポイントサービスの導入は珍しくないものとなってきました。そんな中、地方銀行でもポイントサービスの導入が増えています。主に「ステージ制」と「ポイント累計型」が導入されており、銀行での預金やローンの利用といった取引に応じてポイントが貯まり、さまざまな特典に交換できるといったポイントサービスとなっています。
地方銀行のポイントサービスは、大手銀行にはない地方銀行ならではのメリットがひとつの特徴といえます。例えば、ポイント交換先のギフトとして、地元の特産品を提供するなど、地域経済に貢献する特典が採用されています。さらに、預金、ローン、クレジットカード、公共料金の引き落としなど、日常生活にひもづいた幅広い取引でポイントを貯めることができます。
本記事では、地方銀行が提供するポイントサービスの特徴や付与条件、仕組みについて、いくつかの銀行をピックアップしてまとめて解説します。
<この記事のポイント>
ポイント1 地方銀行のポイントサービスは、地方銀行ならではの、地域経済に貢献する特典が採用されていることが多い
- ポイント2 地方銀行では、主に「ステージ制」と「ポイント累計型」のポイントサービスが導入されている
- ポイント3 他社ポイントや共通ポイントの交換といった、ポイントサービスの拡充により、顧客満足度の向上につながっている
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地方銀行のポイントサービスでは「ステージ制」と「ポイント累計型」が導入されている
銀行業界全体において、導入されているポイントサービスは、主に「ステージ制」と「ポイント累計型」の2つが採用されています。銀行によっては、「ステージ制」「ポイント累計型」のどちらかを採用していることもあれば、両方を採用していることもあります。
ステージ制は、顧客の銀行取引状況に応じて複数のステージ(ランク)を設定し、それぞれのステージに応じた特典や優遇を提供する仕組みです。ステージは、預金残高、ローンの利用、クレジットカードの利用額、給与振込などの取引内容に応じて決定され、ステージが上がるほど、ポイント付与率が高くなる、手数料が無料になるなどの優遇措置が増えます。
この制度は、顧客に銀行との長期的かつ多様な取引を促進させる効果があります。ステージごとの特典が明確で、上位ステージへの到達が顧客のインセンティブとなります。
ちなみに一般的なポイントサービスのステージ制度は、ポイントの付与を前提として、累計ポイント等により別途ステージが振り分けられることが多いですが、地銀のポイントサービスでは、ポイントは「付与」されるわけではなく毎月集計され、そのポイントごとに特典を受けられるステージが決まるというケースも見られます。このケースではポイントはあくまで「ステージ決定」のための条件で、貯まっていくことがないものもあります。
ポイント累計型は、取引ごとにポイントが貯まり、一定のポイント数に達すると商品やギフト券、特産品などに交換できるシステムです。クレジットカードの利用や預金、ローンの契約など、さまざまな取引が対象で、日常の銀行取引を通じてポイントが自然に貯まります。
貯めたポイントは、銀行が提供する地域マネーやギフトと交換できたり、さらに銀行によってはVポイントや航空マイルなど他社のポイントプログラムと交換できることもあります。
ポイント累計型は、シンプルにポイントを貯めて使う形式なため、顧客が自分のペースでポイントを貯めたり、利用したりすることができます。
各地方銀行のポイントサービス
ここでは、いくつかの地方銀行をピックアップして、各ポイントサービスの付与条件や仕組みについて解説します。
福岡銀行の「mybank+」
福岡銀行の「mybank+(マイバンクプラス)」は、福岡銀行との取引に応じて特典が受けられる個人向けの会員サービスです。
取引に応じてステージが上がり、手数料の割引などの特典が受けられる「ステージプログラム」、取引に応じて「myCoin」と呼ばれるポイントが貯まり、地域特産品や他社ポイント、マネーアプリ「Wallet+」でのキャッシュバックなどに交換できる「マイコインプログラム」を展開しています。
myCoinの枚数や現在のステージは、会員専用サイト「mybank-Web」で確認でき、myCoinをギフト商品に交換する申し込みも、このサイトから行えます。
貯めたmyCoinは、九州の特産品ギフトへの交換、銀行の窓口手数料への交換、「Wallet+」アプリを通じて、貯蓄預金にキャッシュバック、さらには、楽天ポイントやdポイント、Pontaポイントなど共通ポイントや他社ポイントに交換することができます。
広島銀行の「ひろぎんポイントサービス」
広島銀行の「ひろぎんポイントサービス」は、「ひろぎんアプリ」から登録することで取引内容に応じて「ひろぎんポイント」が貯まり、さまざまな特典を受けることができます。
例えば、給与や年金の受け取り、クレジットカードの引き落とし、ローンや金融商品の取引などに応じてポイントが貯まります。
貯まったポイントは、ひろぎんアプリから確認することができ、地場ポイントや、dポイント、Pontaポイント、Vポイントの共通ポイントに交換が可能。その他、取引状況に応じてステージが決定され、ATM時間外手数料などが優遇される特典が提供されています。
琉球銀行の「りゅうぎんポイントサービス」
琉球銀行の「りゅうぎんポイントサービス」は、普通預金口座を持つ個人を対象に、取引項目をポイント化し、そのポイントに応じて特典を提供するサービスです。
ポイントの合計数に応じて、エクセレント、ゴールド、シルバーの3つのコースが設定されており、エクセレントコースがもっとも手厚い優遇プランが設定されています。
特典には、いずれのコースも共通して、本支店間の振込手数料が無料(キャッシュカード使用時)、他行ATM利用手数料を月2回無料(翌月10日キャッシュバック)といった特典や、利用コースに応じたコンビニATM利用手数料の優遇などが提供されています。
山梨中央銀行の「山梨ちゅうぎんトクトク倶楽部」
山梨中央銀行の「山梨ちゅうぎんトクトク倶楽部」は、給与振込、年金自動受け取りをはじめ、借り入れや公共料金の支払いなどさまざまな取引に応じて毎月ポイントが集計され、そのポイントに応じたステージごとに特典を提供するサービスです。
貯まったポイント数に応じて第1から第5までのステージ制が設けられており、第1ステージでは「個人ローン金利引下げ」、第5ステージでは個人ローン金利引下げに加えて、ATM利用手数料無料、ATM振込手数料の割引などの特典が提供されています。
伊予銀行の「いよぎんポイントサービス」
伊予銀行の「いよぎんポイントサービス」は、取引状況をポイントに換算し、その合計ポイントに応じてブロンズ、シルバー、ゴールドのステージが設定されており、各ステージに応じたさまざまな特典が提供されています。
個人または個人事業主に提供されるサービスで、特典には、ATM時間外出金手数料の無料サービスや定期預金の金利優遇サービスなどがあります。シルバー、ゴールドステージでは、貸金庫使用料の割引優遇も設定されています。
さらに、同銀行の複数店で取引がある場合、本人口座に限り合算してポイントを集計することができます。
西日本シティ銀行の「NCBポイントサービス」
西日本シティ銀行の「NCBポイントサービス」は、口座取引やローンの利用、公共料金の引き落とし、クレジットカード利用など、銀行との取引実績に応じてポイントが貯まるサービスです。
また、家族全員のポイントを合算して共有できる「NCB家族割」サービスを提供しており、家族の合計ポイントに応じた特典が全員適用されます。貯めたポイントはスマホアプリ、インターネットバンキング、ATMの利用明細で確認することができます。
番外編:千葉銀行の「ちばぎん ひまわり宣言」
千葉銀行の「ちばぎん ひまわり宣言」は、取引項目数に応じて3つのステージがあり、ステージが上がるほど特典が受けられるサービスです。ポイントサービスと銘打ってはいませんが、ステージ制を導入しているため、ポイントサービスと類似する内容となっています。
取引項目数に応じてブロンズ・シルバー・ゴールドの3つのステージごとに特典が設定されており、上位のステージになるほど特典が増え、利用者のメリットが多くなります。また、「ちばぎん ひまわり宣言おまとめサービス」も提供されており、複数の支店で取引がある場合は合算することができます。
まとめ
地方銀行は預金やローン、クレジットカード、公共料金の引き落としなどの取引に応じてポイントを付与、あるいはポイントの形で条件を換算し、ステージを設定する仕組みを提供しています。設定されたステージごとに特典を付与したり、貯まったポイントで、商品券やギフトカード、地元特産品など、日常生活や地域に根差した特典と交換したりすることができます。
つまり、地方銀行は地域に密着しており、地元特産品や地域商店のクーポンなど、地域経済を支える特典が多いのがひとつの特徴といえます。これにより、利用者も地元を応援できるメリットがあります。さらに、貯めたポイントを共通ポイントへ交換できるようにすることで、ポイントサービスが各段に充実し、顧客満足度の向上に貢献することができます。
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ポイントサービスの拡充をお考えの場合は、このようなシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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