
【2024年最新】コーヒー&カフェ業界のポイント白書
世界中で広く愛されるコーヒーは、多様な消費スタイルと豊富な風味で知られ、カフェ文化を育んできました。消費者の好みが多様化し、品質やエシカルな生産に対する意識が高まる中で、サードウェーブコーヒーと呼ばれる新たなムーブメントも定着しています。
また、デジタル技術の進化に伴い、カフェの運営や顧客体験も大きく変化しています。モバイルオーダーやデジタル決済の導入により、利便性が向上し、顧客ロイヤルティプログラムが強化されているのです。本記事では、コーヒー&カフェ業界のポイントサービスについて解説しますので、他業種の方もぜひ参考にしてみてください。
<この記事のポイント>
ポイント1 コーヒー&カフェ業界では、ポイントサービスと会員システムが欠かせないツールである
- ポイント2 ポイントサービスの種類は、チャージプリペイド式カード、デジタルアプリの2種類に分類される
- ポイント3 一部では、独自ポイントに加えて、共通ポイントと連携している事業もある
目次[非表示]
- 1.コーヒー&カフェ業界におけるポイントサービス・会員システム
- 2.コーヒー&カフェ業界のポイントサービス事例
- 2.1.スターバックス
- 2.2.ドトールコーヒーショップ
- 2.3.タリーズコーヒー
- 2.4.サンマルクカフェ
- 2.5.上島珈琲店
- 2.6.コメダ珈琲店
- 2.7.ベローチェ
- 2.8.カルディーコーヒーファーム
- 3.番外編:ボーナスマネー付与や購入割引を活用した事例
- 4.まとめ
- 5.おすすめの資料はこちら
コーヒー&カフェ業界におけるポイントサービス・会員システム
コーヒー&カフェ業界において、ポイントサービスと会員システムは顧客ロイヤルティの向上と収益の安定化に欠かせないツールです。競争が激化する中で、消費者は価格だけでなく、付加価値や特典にも敏感です。ポイントサービスは、リピート客の増加を促し、顧客が再び来店するための動機づけになります。
例えば、一定の購入金額ごとにポイントを付与し、貯まったポイントで無料のドリンクやフードを提供することで、顧客の満足度を高めることができるでしょう。
また、会員システムは、顧客の購買履歴や嗜好(しこう)を分析し、パーソナライズされたサービスを提供するための基盤となります。これにより、個々の顧客に合わせたキャンペーンやプロモーションを展開しやすくなり、顧客との関係を強化できます。
さらに、デジタルプラットフォームを活用することで、モバイルアプリやウェブサイトを通じたスムーズなポイント管理と利用が可能になり、顧客の利便性を大幅に向上させます。このように、ポイントサービスと会員システムは、コーヒー&カフェ業界における顧客満足度に直結する重要なツールとなっています。
ポイントサービスの種類は主に2つに分類される
コーヒー&カフェ業界のポイントサービスは、主にプラスチック製のチャージプリペイド式カード、スマホ等で使用できるデジタルアプリの2つに分類することができます。プラスチックのチャージプリペイド式カードは、アプリと連動しているものが多く、アプリ内でポイントの確認、特典との交換が可能となっています。
スマホのデジタルアプリでは、購入でスタンプを貯めることはもちろん、店舗に設置されたQRコード等を読み取ることで来店ポイントを付与する仕組みもあります。全国チェーンのコーヒーショップでは、ポイントサービスのデジタル化が進んでいるといえます。
コーヒー&カフェ業界のポイントサービス事例
コーヒー&カフェ業界のポイントサービスは、大きく3種類に分類できるものの、各事業により複数の施策と組み合わせて提供されていることが多く、さまざまな工夫が見られます。以下で、コーヒー&カフェ業界のポイントサービスについて具体的に解説します。
スターバックス
スターバックスは、シアトル系コーヒーチェーン店で、日本をはじめ世界で展開しています。独自のポイントプログラム「スターバックスリワード」では、購入ごとにスターポイントが貯まり、特典やグッズ、ドリンク等と交換が可能。1年間で250Stars以上貯まると会員ステータスが「Gold会員」にランクアップでき、不定期でサプライズプレゼントが届くなどの特典が追加されます。
モバイルアプリ、または登録済みのスターバックスカード(プラスチック、デジタルのカード)を通じてポイント管理が可能で、便利なモバイルオーダー機能も提供しています。スターバックスカードはプリペイド機能を持つのでチャージして支払いに使用することができます。さらに、アプリにスターバックスカードを登録することで、アプリから支払いをすることも可能になっています。その他、訪れた店舗や購入したコーヒー豆のデジタルスタンプを集めることができる、などポイントサービスに加えて継続利用を促すような施策も提供されています。
ドトールコーヒーショップ
ドトールコーヒーは、日本全国に展開するセルフサービスコーヒーショップのパイオニアです。同社では、プラスチックカードとアプリのデジタルカードの2種類の形態で、チャージ式のプリペイドカード「ドトールバリューカード」を導入しています。同社の運営する別ブランド「エクセルシオールカフェ」でも「ドトールバリューカード」を導入しており、相互利用することができます。
ドトールバリューカードは、チャージ時・購入時に、利用額に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントは1ポイント1円としてドトールの商品購入に利用できます。アプリでは、「チャージの日」といった特定の日を設けて、ポイントを追加付与したり、シーズンキャンペーンを行ったりすることで、継続利用を促進する施策を取り入れています。
さらに会員登録をすることによって、年間利用額に応じ、シルバー、ゴールド、プラチナと会員ステータスがランクアップ。プラチナランクはチャージ時のポイント付与率が10%になるなどの差別化を図っており、より顧客ロイヤルティが高められる施策となっています。
オリジナルの施策とは別に、共通ポイントも提携しており、dポイントやVポイントなどを貯めたり、使ったりすることができます。
タリーズコーヒー
タリーズコーヒーは、アメリカ発祥のカフェチェーンで、現在は日本国内でも広く展開しています。「Tully’s Card」を利用したポイントプログラムを実施しており、購入時にポイントが貯まり、特典や割引に使用可能です。
ポイントサービスは「タリーズ公式アプリ」で提供されており、アプリのデジタルポイントカードでは1円利用ごとに「1Beans」が貯まります。規定のBeans数が貯まると「カスタマイズチケット」各種や「デジタルインビテーションチケット」に交換できます。
タリーズでは、チャージプリペイド式の「タリーズカード」も提供していますが、こちらにはポイントサービス機能は付帯しておらず、ドリンク値引きの特典のみの提供となっています。
サンマルクカフェ
サンマルクカフェは、ベーカリーカフェスタイルで人気のチェーンです。同社は「サンマルクカフェ公式アプリ」でポイントサービスを提供しており、購入額に応じてポイントが付与され、一定のポイントが貯まると割引や無料商品の特典を受けられます。同アプリでは、クーポンの管理やデジタルギフトチケットの購入に対応しています。また、サンマルクカフェは共通ポイントとも連携しており、dポイントや楽天ポイントが貯まる・使える店舗となっています。
上島珈琲店
上島珈琲店は、日本の伝統的な喫茶店スタイルを持つチェーンです。プリペイドカード「プレシャスカード」または「上島珈琲店公式アプリ」を通じてポイントプログラムを実施しています。プレシャスカードでは、利用額の3%がポイントとして貯まり1ポイント1円で利用可能。プレシャスカードと公式アプリは、オンラインの「プレシャスメンバーズ」に会員登録することで、限定クーポンの配信やキャンペーンのお知らせを受け取ることができます。
コメダ珈琲店
コメダ珈琲店は、チャージ式プリペイドカード「コメカ」を導入しており、店頭で即時発行が可能。利用額の1%がポイントとして還元され、1ポイント1円として、10円から利用できます。「コメダ珈琲店公式アプリ」に、発行した「コメカ」の番号を追加登録することで、アプリ内にポイントや残高のコメカカード情報が反映され、モバイルポイントカードとしても利用することができます。
ベローチェ
ベローチェは、シンプルで手頃な価格帯のコーヒーチェーン店。公式アプリ「カフェ・ベローチェアプリ」でポイントサービスを提供しています。店舗を実際に訪れることで貯められる「来店ポイント」や、アプリ内でスクラッチに挑戦してポイントを貯めることができます。貯めたポイントは、ドリンクの割引クーポンとして利用可能。ベローチェは、共通ポイントであるdポイントが貯まる・使えるお店となっており、独自ポイントとあわせていわゆる「二重取り」をすることができます。
カルディーコーヒーファーム
イートイン及びテイクアウト形式のカフェチェーンではありませんが、コーヒー豆の小売店としてコーヒー好きの人には馴染みの深いカルディコーヒーファームは、プラスチックカードとアプリでチャージ式プリペイドカード「カルディーカード」を展開しています。コーヒー豆を購入すると、ポイントが貯められる「コーヒー豆ポイントカード」の機能も付帯しており、コーヒー豆を100円購入ごとに1ポイントが貯まります。100ポイント貯まると、カルディーコーヒーファームで利用できる1,000円分の電子マネーと交換できます。
番外編:ボーナスマネー付与や購入割引を活用した事例
ポイントサービスとはやや異なる仕様として、決済サービスのボーナスマネー付与、購入価格の割引といったポイントサービスと類似するような仕組みを採用しているものもあります。以下で、ボーナスマネーの付与や購入割引の事例を解説します。
プロント
プロントは、昼はカフェ、夜はバーとして利用できるユニークなスタイルが特徴です。プロントでは「プロント公式アプリ」を用いた決済サービス「プロントマネー」を採用しており、3,000円以上のチャージ金額に応じて3%~7%をボーナスマネーとして付与する、という仕組みになっています。プロントマネーやボーナスマネーには有効期限が定められており、プロントボーナスマネーの有効期限は「プロントマネーの最終入金日または最終利用日から3ヶ月」となっています。
また、プロントは利用回数に応じて「スタンダード」から「ゴッド」まで、6段階の会員ランクが設けられており、ランクアップごとにクーポンや特別なプレゼントが提供される仕組みに。さらに、プロントは共通ポイント「dポイント」、「楽天ポイント」が貯まる・使えるお店となっています。
カフェ・ド・クリエ
全国に約200店舗運営するセルフサービス型のカフェ「カフェ・ド・クリエ」では、チャージプリペイド式「カフェ・ド・クリエカード」や「カフェ・ド・クリエ公式アプリ」を展開しており、カードやアプリで決済すると、5%OFFになる仕組みを採用しています。アプリにプラスチックカードを登録することで、オンラインチャージも可能になります。
まとめ
コーヒー&カフェ業界では、デジタル技術を活用したポイントサービスが主流となっています。スマホアプリによるポイント管理やモバイルオーダーの導入により、顧客はより便利にサービスを利用できます。また、顧客の購買履歴や好みを分析し、個別化されたプロモーションやサービスを提供することで、顧客満足度と顧客ロイヤルティが向上します。特に、パーソナライズされたキャンペーンは顧客との関係を強化する重要なツールとなります。
今回ご紹介したドトールコーヒーショップやサンマルクカフェでは、独自ポイントに加えて共通ポイントを導入しており、顧客はより多様な特典を享受でき、来店意欲や定着に効果を発揮しています。同運営会社が展開する複数のブランドで、ポイントを共有するという戦略もあり、例えばドトールとエクセルシオールカフェ、ベローチェとカフェドクリエのように、両ブランドの店舗で一貫したサービスと特典を提供することで、ポイントの利便性が高まり、企業全体の顧客ロイヤルティが向上しています。
また、スターバックスコーヒーはリサイクル可能なカップの使用やマイボトル、マイカップの利用での割引、ポイントを利用した寄付や植樹活動への参加を促す仕組みを導入しています。タリーズではプラスチックストローの廃止と紙ストローの導入、マイボトルやマイカップの持参での割引、ドトールではフェアトレード認証のコーヒー豆を使用するなど、サステナブルな取り組みも進められています。これらの活動を通じて、消費者の環境意識に対応し、エシカルな行動や消費を促すことで、業界全体の成長と顧客ロイヤルティの向上が期待されています。
このように、昨今のポイントサービスにおいては商品の購入に対してポイントを付与し、ユーザーがまた商品の購入で利用する、というだけではなく、より広範囲でのポイントの活用が進んでいます。ポイントマーケティングを展開する各企業も、今後さらに多様なポイントの活用が考えられるでしょう。
ジー・プランでは、独自ポイントを共通ポイントなどに交換できる仕組みや、ポイントを発行する仕組み「ポイント・コンセント」や「PCT LITE」を提供しています。独自ポイントを共通ポイントに交換したり、ポイントを発行することで、共通ポイントユーザーの利用率やリピート率、ひいては顧客満足度の向上が期待できます。自社のポイントマーケティング施策で、共通ポイントの導入をお考えの場合は、合わせて検討してみてはいかがでしょうか。
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