catch-img

【2024年最新】温泉・銭湯チェーン業界のポイント白書

近年の温泉・銭湯チェーン業界では、従来の入浴施設に加え、サウナや岩盤浴、マッサージなどのリラクゼーションスペースを併設する施設が増えています。また、温泉や銭湯を利用した健康増進への関心が高まっているため、炭酸泉や薬草風呂など、健康増進やリラックス効果を目的とした浴槽を導入する施設も少なくありません。

一方で、キャッシュレス決済やオンライン予約など、デジタル化を推進する動きも見られ、店舗独自のイベントやキャンペーンの実施、公式サイトやアプリの配信などを通じて、最新情報の提供や混雑状況の即時共有、クーポンの配信など、顧客体験を向上させる取り組みも進んでいます。

そんな中、温泉・銭湯チェーンではかねてよりポイントサービスが一般的な施策として取り入れられてきました。アナログなポイントカードも含め、ユーザーにとっても、温泉・銭湯チェーンとポイントサービスは親和性のあるものと捉えられていることでしょう。近年ではポイントサービスのデジタル化を進める施設も増加しており、顧客の継続利用を促進するため、欠かせない施策のひとつとなっています。

ここでは、大小さまざまな規模のポイントサービスを網羅することで見えてくる、温泉・銭湯チェーン業界におけるポイントサービスの現状分析と、今後の展望についてまとめています。温泉・銭湯チェーン業界に関わる方も、他業種の方も、ポイントマーケティングの展開例としてぜひ参考にしてください。


<この記事のポイント>

  • ポイント1    温泉・銭湯チェーン業界はポイントシステムが欠かせない施策となっている

  • ポイント2 デジタル化の導入も進んでおり、公式アプリやデジタルスタンプも活用されている
  • ポイント3 ポイントサービス、会員システムなどいくつかの施策を併用している店舗が多い


目次[非表示]

  1. 1.温泉・銭湯チェーン業界ではポイントサービス・会員システムの導入が欠かせない
  2. 2.温泉・銭湯チェーン業界のポイント事例
    1. 2.1.ぬくい温泉
    2. 2.2.東京ドーム天然温泉 スパ ラクーア
    3. 2.3.天然温泉きぬの湯
    4. 2.4.おふろの王様
    5. 2.5.湯楽の里・喜楽里
    6. 2.6.スーパー銭湯ユーバス
    7. 2.7.極楽湯
    8. 2.8.風の湯・おゆば
    9. 2.9.神戸みなと温泉 蓮
    10. 2.10.太閤の湯
  3. 3.番外編:デジタルスタンプやフリーマガジンを活用した事例
    1. 3.1.デジタルスタンプの活用
    2. 3.2.温泉情報アプリの活用
  4. 4.まとめ
  5. 5.おすすめの資料はこちら

温泉・銭湯チェーン業界ではポイントサービス・会員システムの導入が欠かせない

温泉・銭湯チェーン業界では、コロナ禍により利用者数が減少したものの、昨今のサウナブームも乗じて利用者数が戻りつつあります。温泉・銭湯チェーン業界では、顧客に興味関心を継続させるようなイベント・キャンペーンの実施と合わせて、ポイントシステムの施策が欠かせないものとなっています。

大手の温泉・銭湯チェーン店では、ほとんどが独自ポイントシステムを導入しており、ベーシックなスタンプカードやプラスチックカードとは別に、公式アプリや電子スタンプなどを利用するデジタル化も浸透してきました。さらに、一部では共通ポイントも合わせて導入している店舗もあります。

また、ポイントシステムの導入がない場合でも会員システムの施策を導入している温泉・銭湯チェーン店が大多数となっており、地方にある小規模な温泉・銭湯チェーンでは、誕生日などの特別な日限定の優待や、曜日限定のイベントを実施するなど、顧客ロイヤルティを高め、継続利用を促す施策が増えています。


温泉・銭湯チェーン業界のポイント事例

温泉・銭湯チェーン業界では、さまざまなポイントサービスが展開されています。ここでは温泉・銭湯チェーン店のポイントサービスについて、チェーン店ごとに具体的な施策を紹介していきます。


ぬくい温泉

岐阜県の日帰り天然温泉施設「ぬくい温泉」では、ポイントカードを発行しています。入会手数料が100円かかりますが、年会費は無料。100円につき1ポイントたまり、施設内の食事や土産、自動販売機などの利用でもポイントが貯まります。貯まったポイントは、食事、マッサージ、宿泊などの特典と交換できます。


東京ドーム天然温泉 スパ ラクーア

東京ドームシティにある温浴施設「東京ドーム天然温泉 スパ ラクーア」は、東京ドームグループの独自ポイントプログラム「TDポイント」と、共通ポイント「dポイント」が貯まる・使える施設となっています。

「TDポイント」は、クレジットカード機能付の「TDプラスカード」、カードタイプの「TDベーシックカード」、公式アプリ「TDアプリ」の「TDベーシックカードレス」の3種類から選ぶことができます。

TDベーシックカード・TDベーシックカードレスは、基本ポイント108円(税込)につき1~3Pが付与されます。「TDプラスカード」は、基本ポイント108円(税込)につき2P~4Pに加えて、クレジットポイントも二重で貯まる仕組みとなっています。

貯めたポイントは、会員ポイント会員証に会員情報を登録することで、タッチパネル式自動発券機「TDポイントタッチ」から関連施設の利用券など「TDポイントチケット」と交換することができます。


天然温泉きぬの湯

茨城県の「天然温泉 きぬの湯」では、カードとアプリのポイントサービスを展開しています。きぬの湯のポイントサービスは、館内での買い物100円ごとに1ポイントたまり、貯まったポイントに応じてさまざまな商品と交換できます。ポイントの有効期限は最終利用日から1年となっており、アプリを利用すればカードを持ち歩く必要がなくなります。


おふろの王様

東京・神奈川を中心にチェーン展開している温泉施設「おふろの王様」では、スタンプカードとモバイルスタンプカードの2種類を展開しています。利用者は、いずれか一方のスタンプサービスを選択して利用することができますが、モバイルスタンプサービスしか導入していない店舗もあります。

来店によって1日1人1回ポイントが貯まり、家族分を合算して貯めることも可能。店舗ごとに、貯まる来店ポイント数が異なります。貯めたポイントは、飲食物の無料券や入浴無料券と交換することができます。


湯楽の里・喜楽里

関東を中心に展開している「湯楽の里・喜楽里」では、「湯楽の里・喜楽里メンバーズ」サービスを提供しており、会員登録することでポイントを貯めたり、会員限定で販売されている施設利用回数券を購入したりすることができます。ポイントカードは発行店のみ有効となっており、100円ごとに1ポイント貯めることができ、500ポイントで入館招待券または500円割引券と交換できます。


スーパー銭湯ユーバス

和歌山・大阪に2店舗を構える「スーパー銭湯ユーバス」では、ポイントカード、ユーバス公式アプリの両方でポイントサービスを提供しています。ポイントカードの会員料金特典は、1名が会員登録することで、大人・子供が各5名ずつ適用可能。ポイントカードと公式アプリのポイントサービスは併用できず、いずれかのポイントカード1つのみが有効となります。

入浴料100円で1ポイントたまり、毎月26日の「風呂の日」はポイント2倍の特典も。貯めたポイントは景品カタログからWEBで交換申し込み、または店舗で直接申し込みが可能となっています。アプリからは、施設の混雑状況確認や割引クーポンの配信などのメリットが得られます。


極楽湯

全国だけでなく海外にも展開している「極楽湯」では、「極楽スタンプカード」を発行しています。入浴1回につき1スタンプがたまり、10ポイントから食事処での優待や入浴無料券と引き換えることができます。有効期限は、初回押印から6カ月、カードの合算やカード紛失時の再発行は不可となっています。


風の湯・おゆば

大阪府に3店舗展開している「風の湯・おゆば」では、「ツルカメ会員カード」を発行しています。登録料200円・年会費無料で、誕生日月の入浴1回無料特典やレストランの割引などが受けられます。さらに、毎月26日の「風呂の日」は会員限定で入浴料の割引優待が受けられたり、毎週月曜日にツルカメカード宝くじに参加できたりといった新たな特典も追加されており、顧客を飽きさせない工夫がなされています。


神戸みなと温泉 蓮

兵庫・神戸の「神戸みなと温泉 蓮」は、日帰り温泉利用者を対象に「ポイントカードプログラム」を実施しています。入会費・年会費無料で、館内利用100円につき1ポイントが貯められ、貯めたポイントは各種商品や日帰り天然温泉利用券、神戸みなと温泉 蓮のペア宿泊券に交換可能。

会員特典として、誕生日特典や体成分分析装置「InBody」が無料で利用できたり、姉妹施設のホテルやレストランでの優待や割引があるなど、リピート利用や関連施設の訪問も後押しするような施策が展開されています。


太閤の湯

兵庫・有馬の「太閤の湯」では、会員制度「瓢箪倶楽部」と公式「太閤の湯」アプリでポイントサービスを提供しています。「瓢箪倶楽部」は入会金400円、年会費無料となっており、登録すると割引や無料利用などの優待特典がある他、館内利用100円で1ポイント貯まるポイントサービスも利用可能。貯めたポイントは500ポイントで館内利用券1,000円分と交換できます。アプリでは、アプリ会員限定の入館優待クーポンなどが利用できます。


番外編:デジタルスタンプやフリーマガジンを活用した事例

小規模な温泉・銭湯施設では、いくつかの施設が合同でデジタルスタンプを活用したイベントや、フリーマガジンによるスタンプシステムの施策を展開しています。以下では、デジタルスタンプ、フリーマガジンを活用した事例をご紹介します。


デジタルスタンプの活用

温泉・銭湯チェーン業界では、デジタルスタンプを活用した施策が少なくありません。日帰り温泉「草津三湯」では、LINEアプリを活用したデジタルスタンプカードに、入場料1人あたり700円以上の現金払いで、電子スタンプを1個貯めることができます。スタンプ5個で入浴1回無料クーポンと交換可能となっています。

また、いくつかの施設が参加する電子スタンプラリーの施策もあります。例えば、愛知・静岡・岐阜・三重の複数のサウナ・温泉施設では「サウナ・温泉デジタルスタンプラリー」を合同で実施しています。アプリ・会員登録不要で、スマホカメラからポスターに表示されている専用QRコードを読み込み、ポイントを貯めることが可能。貯めたポイントでプレゼントの抽選に応募することができます。


温泉情報アプリの活用

月刊 フリーマガジン ゆ〜ゆ(愉湯)」では、「得する温泉情報 ゆーゆ」アプリを配信しています。初回会員登録や、1日1回運試しカードゲームの参加、対象施設でのチェックインでポイントを貯めることができ、貯まったポイントは対象施設で利用できる入浴券等と交換することができます。さらに、対象のリラクゼーションコーナーでも、チェックインすることでポイントを貯めることができます。

アプリ内には、「湯楽の里・喜楽里」のポイントページが設けられており、該当施設のポイントとアプリのゆーゆポイントをダブルで貯めることができる、などの特典も設けています。


まとめ

温泉・銭湯チェーン業界では、ICチップやバーコード付リストバンドによる退出時精算など、キャッシュレス・デジタル化が早くから進んでいます。これは「設備によるサービス性」が、顧客から選んでもらうための重要な要素とされる業種であるためです。つまり、サウナや岩盤浴など新しいサービスへの投資を常に目指してきた延長線上として、キャッシュレス決済やオンライン予約、アプリ導入なども積極的に進められているのです。

また、多くの温泉・銭湯施設では、独自ポイントシステムを導入しており、一部では共通ポイントも合わせて導入されています。現時点で、会員システムのみ導入している店舗でも、今後はポイントサービスの導入がさらに加速するでしょう。

加えて、温泉・銭湯施設でのポイントの貯め方や、利用方法も随所に工夫が見られます。例えば、誕生日や「風呂の日」にポイントを加算する、家族分のポイントは合算可能など、ポイントが貯まりやすく工夫されています。また、貯まったポイントは館内施設での利用や商品との交換など、利用方法が多様に設けられています。

ポイントサービス以外でも、優待や割引などの会員特典が多く用意されており、ポイントサービスと合わせて活用することで、顧客ロイヤルティをさらに高め、継続利用を促す施策が非常に盛んとなっています。

昨今ではサウナブームをきっかけに、「たまの息抜き」から「定期的な整え」を目的とする、若い世代の利用者増加などが、現在の温泉・銭湯チェーン業界のけん引力となっています。

スタンプラリーなど多店舗でのキャンペーンや、業界誌と連動したポイントサービスなどは、温泉・銭湯チェーン業界ならではの特徴といえます。各施設が横に連携することによって、業界全体でブームの定着化を後押ししている様子が見受けられます。そのような中で、顧客に経済的メリットをもたらすポイントサービスは、温泉・銭湯チェーン業界における重要な役割を果たしているのです。

今後は、多くの店舗がしのぎを削る中で、顧客を引き付け、飽きさせないようなプロモーションやイベント等によって、さらなる利用を促進し、ホームグラウンド的な帰属意識(ロイヤルティ)を育てることが重要となります。

その一手として、ユーザーが普段からよく使うポイントを、サービスの利用によって発行するという方法が考えられます。ジー・プランでは、大手・共通ポイントを直接発行/交換するプラットフォーム「ポイント・コンセント」を提供しています。共通ポイントなどを直接発行・交換することが可能なので、従来のポイント発行・交換にかかるコストを大幅に削減することができます。また、新規顧客誘導のためのキャンペーンとして、利用者が好きなポイント銘柄を自ら選んで取得できる電子ギフト「マルチバリューコード」もおすすめです。

 独自ポイントと共通ポイントをうまく活用することで、さらに顧客満足度が向上し、他社との差別化にもつながることでしょう。ポイントサービスの促進や拡充の施策を打ち出す際には、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。



おすすめの資料はこちら

  ポイント交換ソリューション紹介資料|ポイントソリューションならジー・プラン 他社ポイントとの交換を実現する「ポイント・コンセント」「PCT LITE」など、ポイント交換ソリューションのご紹介資料です。 ジー・プラン株式会社


  電子ギフトソリューション紹介資料|ポイントソリューションならジー・プラン 様々な人気ポイントに交換でき、初期費用・発行手数料0円からで手軽に導入できる電子ギフト「マルチバリューコード」のご紹介資料です。導入効果やご利用までの流れもご紹介しています。 ジー・プラン株式会社


関連記事


  【2023年版】アパレル業界のポイント白書 この記事では、日本国内のアパレル業界のポイントサービスについて詳しく調査、分析、解説をしています。アパレル業界に関わる方も、他業種の方も、ポイントマーケティングの展開例としてぜひ参考にしてください。 ジー・プラン株式会社


  【2023年最新】大手スマートフォン決済サービスのポイント白書 近年、利用者が増えている「スマートフォン決済サービス」。さまざまなサービスが存在するため、「どれを導入するべきなのだろうか」とお悩みかもしれません。本記事では、主要なスマートフォン決済サービスの内容をご紹介します。 ジー・プラン株式会社


  【2023年最新】エネルギー業界のポイントサービス白書~地域密着型プロパンガス会社編 地域密着型の中小企業が多いプロパンガス業界でも、ポイントサービスを展開することは可能です。本記事では、全国各地のプロパンガス供給業者のなかから、ポイントサービスを実施している企業をピックアップしてご紹介するので、ぜひ参考にしてください。 ジー・プラン株式会社



中野友希
中野友希
大学院で租税法を専攻し法学修士を取得。税理士補助・社労士補助、衛生管理者などを経て、フリーライターに。ビジネス、ガジェット、ヘルスケア、ペットなどのWEBメディアを中心に『読むサプリ』をモットーに執筆中。

ポイントマーケティングでお悩みの企業様
私たちジー・プランにご相談ください!

お役立ち資料は
こちらから
ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください

\ おすすめのセミナー情報 /

ページトップへ戻る