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商品・サービスによってはポイントを付与できない!禁止されている事例をご紹介

医薬品・金券・たばこなど、取り扱っている商品・サービスによっては、ポイントを付与できない場合があります。例えば、処方薬の支払いでは、原則としてポイントの付与が禁止されていることはご存知の方も多いのではないでしょうか。

ポイントサービスを実施している事業者や、これからポイントサービスを実施する予定の事業者は、どのようなケースでポイント付与が禁止されているのかを把握しておく必要があります。

本記事では、「法令」や「ポイント発行事業者のルール」によってポイントの付与が禁止されている事例をご紹介します。ポイント施策を担当している方は、ぜひ参考にしてください。


<この記事のポイント>

  • ポイント1    支払いによってはポイントを付与できない場合があるので要注意

  • ポイント2 医薬品・金券・たばこなどの支払いでは、ポイントの付与は禁止
  • ポイント3 例外規定もあるので、不明点がある場合は弁護士などに相談しよう


目次[非表示]

  1. 1.どのような支払いでもポイントを付与できるわけではない
    1. 1.1.法令等で禁止されているケース
    2. 1.2.ポイントを発行している事業者のルールで対象外とされているケース
  2. 2.ポイント付与の対象外とされている支払いの代表例
    1. 2.1.保険適用の医薬品(処方薬)
    2. 2.2.金券類
    3. 2.3.たばこ
    4. 2.4.税金・社会保険料・公共料金
  3. 3.例外規定もあるので、各省庁の公式サイトで詳細を確認しよう
  4. 4.不明な点がある場合は弁護士や各省庁に相談を
  5. 5.独自のポイントサービスだけではなく、共通ポイントの付与も検討しよう
  6. 6.まとめ
  7. 7.おすすめの資料はこちら

どのような支払いでもポイントを付与できるわけではない

コンビニエンスストアやスーパー、家電量販店、飲食店など、社会のさまざまなシーンでポイントサービスが実施される時代になりました。

ただし、どのような支払いに対してもポイントを付与できるわけではありません。「法的にポイントの付与が禁止されているケース」のほか、「ポイントを発行している事業者のルールで付与が認められていないケース」も存在することにご留意ください。以下、それぞれについて説明します。


法令等で禁止されているケース

支払いの種類によっては、法令等でポイントの付与が禁止されている場合があります

詳細は後述しますが、具体例としては、薬局における支払いが挙げられます。市販薬であればポイントの付与が可能ですが、処方薬(保険調剤)の支払いに関しては原則としてポイント付与が禁止されています。

なお、処方薬であっても例外的にポイント付与が容認される場合もあるので、厚生労働省の公式サイトに掲載されている内容をチェックしましょう。


ポイントを発行している事業者のルールで対象外とされているケース

「法令等で定められているわけではないけれども、ポイントを発行している事業者のルールで付与が禁止されている」というケースも存在します。

例えば、JRE POINTの場合、「国内在住者向けサービス」であることから、免税販売品はポイント付与の対象外です。他社のポイントサービスに対応する場合は、どのような支払いに対してポイント付与が禁止されているのかを事前にご確認ください。


ポイント付与の対象外とされている支払いの代表例

以下は、ポイント付与の対象外とされている支払いの代表例です。

  • 医薬品(処方薬)
  • 金券類
  • たばこ
  • 税金

それぞれについて説明します。


保険適用の医薬品(処方薬)

処方箋が不要な市販薬に関しては、支払金額に応じてポイントを付与することが可能です。しかし、上述したように、医師の処方箋が必要な薬(健康保険が適用される保険調剤)に関しては、原則としてポイントの付与が禁止されています

ポイント付与が禁止されていることの理由として、厚生労働省は、各種法令に基づいて、「保険薬局は、ポイントなどの経済的付加価値の提供ではなく、懇切丁寧な説明の実施、服薬指導の質の向上などによって患者から選ばれるべき」という主旨の見解を示しています。

ただし、同時に、厚生労働省は「クレジットカードや汎用性のある電子マネー・スマートフォン決済サービスによる支払いに関しては、利便性の向上や事務効率化の観点から、やむを得ないものとしてポイント付与を容認する」という主旨の見解も示していることにご留意ください。

なお、「ポイント付与が容認されるのは、患者が支払う「一部負担金」の1%を超えない範囲に限定される」「ポイントの付与について看板やテレビコマーシャルなどの手段を用いて大々的に宣伝・広告をしてはならない」といったルールも厚生労働省から示されています。

これらの見解を踏まえて、処方箋調剤に関してポイント付与を実施しているドラッグストアも存在しますが、今後の動向は十分注視すべきだといえるでしょう。

なお、保険調剤とポイントサービスの関係について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
保険調剤ではポイント進呈は原則禁止!例外的に付与が認められているケースとは?


金券類

さまざまなポイント(dポイント、楽天ポイント、JRE POINTなど)を発行している事業者が、「換金性の高い金券類」の購入に関して、ポイント付与を禁止するルールを策定しています。法令で禁止されているわけではなく、ポイント発行事業者のルールとして禁止されていることにご留意ください。

以下は、ポイント付与対象外とされている金券類の例です。

  • 商品券
  • ギフトカード
  • 切手
  • はがき
  • 印紙

詳細は、各ポイント発行事業者の公式サイトや加盟店向けの規約などでご確認ください。

なお、ポイント発行事業者が「換金性の高い金券類に関してポイントの付与を禁止するルール」を策定する理由は一般的に公開されていませんが、独占禁止法への対応が考えられます。

独占禁止法には「不当廉売」を禁止する規定がありますが、公正取引委員会では「不当に商品又は役務を低い対価で供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあること」を不当廉売の例として示しています。

生鮮食品・日用品などと異なり、金券類は価格が決まっているため、ポイントを付与して実質的な値引きをする状態が継続すると、「不当に低い対価で供給している」とみなされるかもしれません。換金性の高い金券類へのポイント付与を禁止するルールを策定しておけば、法的リスクを低減できるでしょう。


たばこ

たばこの販売に関しては、原則、ポイントの付与が認められていません。これは、たばこ事業法第36条第1項において「小売定価」以外によるたばこの販売(定価外販売)が禁止されており、ポイントを付与すると、実質的な値下げ販売(定価外販売)とみなされるケースが多いためです。

ただし、ポイントを付与しても、「定価外販売に該当しない」と判断される場合もあります(共通ポイントなど、日本全国で付与が実施され、地域間の販売条件の格差が生じないケースが該当)。

特定の小売販売業者や一部地域内に限定して実施されるポイントサービス(独自ポイントの付与)は、定価外販売とみなされるリスクがあるので注意しましょう。なお、定価外販売を実施(たばこ事業法第36条第1項に違反)すると、30万円以下の罰金刑を科される可能性があります。

不明な点がある場合は、財務省の担当部署(理財局総務課たばこ塩事業室総括係)や弁護士にご相談ください。


税金・社会保険料・公共料金

税金・社会保険料・公共料金の支払いに関しては、ポイント発行事業者ごとに対応が異なり、ポイントを付与しているケースもあれば、付与していない(通常よりも付与率が低く設定されている)ケースもあります。

法令によって、あらゆる税金・社会保険料・公共料金の支払いに関して、包括的にポイント付与の可否が規制されているわけではありません。ただし、ポイント発行事業者のルールとして、ポイント付与の対象外とされている場合があるのでご注意ください。

また、総務省は、ふるさと納税に関するルールを見直し、「2025年10月から、寄付者への独自ポイント付与を禁止する」という主旨のアナウンスをしています(クレジットカードで決済した場合に付与されるポイントなどは、これまでと同様に容認)。背景には、仲介サイトにおいてポイント付与による競争が激化し、ふるさと納税の主旨(「自治体を応援したい」という気持ちに基づく寄付)と実態が乖離していることがあります。

法制度やポイント発行事業者のルールは、年月の経過によって変化するので、ポイント施策担当者は、日々、ポイント関連の情報の収集に努めましょう。


例外規定もあるので、各省庁の公式サイトで詳細を確認しよう

上述したように、保険調剤やたばこの販売に関しては、原則としてポイント付与が法的に禁止されていますが、例外的にポイントの付与が容認されるケースもあります。ポイント施策の担当者は、法令を遵守するために、各省庁の公式サイトで詳細をご確認ください

また、「法令」による規制とは別に、「ポイント発行事業者が策定したルール」によってポイント付与の対象外とされている支払いもあります。共通ポイントなどの他社ポイントを導入する場合は、各社の公式サイトや加盟店向け規約で詳細をチェックしましょう。


不明な点がある場合は弁護士や各省庁に相談を

コンプライアンスが重視される昨今、ポイントサービスを実施する際にも、各種法令の遵守が求められます。ただし、条文に目を通しても、内容を正確に把握できないケースもあるでしょう。

不明な点がある場合は、独断で物事を進めるのではなく、まずは弁護士や各省庁に質問・相談することが大切です。また、ポイントサービスに関する専門的な知見を有する企業のコンサルティングを受けることも選択肢になります。


独自のポイントサービスだけではなく、共通ポイントの付与も検討しよう

上述したように、原則としてポイントの付与が禁止されている「処方薬」や「たばこ」に関する支払いであっても、汎用的なキャッシュレス決済手段の利用で付与されるポイント(共通ポイントなど)の場合は付与が容認される場合があります。消費者にとっては、独自ポイントよりも、幅広い場所で使える共通ポイントのほうが魅力的に感じられる可能性があります。

そのため、より多くの消費者を自社の顧客として取り込み、既存顧客の流出を防止するために、独自ポイントに加えて、共通ポイントの付与を検討することも効果的です。また、独自ポイントと共通ポイントの交換が可能な仕組み(ポイント交換サービス)を提供することも顧客満足度向上につながります。


まとめ

社会のさまざまなシーンで、ポイントを獲得したり使用したりする時代が到来しました。2024年時点では、企業・店舗にとって、ポイントサービスの実施は一般的な施策と言えるでしょう。

ただし、支払いの種類によっては、ポイントの付与が法的に禁止されている場合があります。また、ポイント発行事業者が策定したルールによって、ポイント付与の対象外とされるケースもあることにご留意ください。

ポイント付与の対象外とされる支払いの具体例としては、「医薬品(処方薬)」「金券類」「たばこ」「税金」が挙げられます。ポイントを発行している企業によっては、他にも付与対象外にしている支払いがあるので、各企業の公式サイトや加盟店向け規約で詳細をチェックしましょう。

一方で、処方薬やたばこに関しては、原則としてポイント付与が禁止されているものの、共通ポイントであれば例外的に付与できる場合もあります。消費者にとっては、幅広い場所で使える共通ポイントのほうが、独自ポイントよりも魅力的に感じられる可能性があります。

そのため、より多くの消費者を自社の顧客として取り込み、既存顧客の流出を阻止したいのであれば、独自ポイントだけではなく、共通ポイントの付与も検討しましょう。また、独自ポイントと共通ポイントとの交換が可能な仕組み(ポイント交換サービス)を提供することも、顧客満足度の向上につながります。

例えば、ジー・プランの法人向けポイントソリューションである「ポイント・コンセント」や「PCT LITE」なら、他社ポイントの発行や、自社の独自ポイントと共通ポイントとの交換が可能になります。新規顧客の獲得および既存顧客の囲い込みのために、導入することも選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。


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佐藤拓真
佐藤拓真
2018年頃からライターとして活動。「企業がポイントサービスを活用する方法」「ポイントを活用したビジネスのトレンド」「ポイントを活用したマーケティング手法」「ポイント制度やシステムに関する基礎知識」などについて、フラットな視点からレポートしています。私は「ポイント活動(ポイ活)」が注目されるようになる前から、さまざまなポイント(電子マネー、マイルなどを含む)を貯めてきました。自分自身の経験も踏まえて記事を執筆していくので、企業でポイント制度の導入・運用に携わっている方の参考になれば幸いです。

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