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株主優待でポイントを贈るメリットとは?株主のロイヤルティを高めるための一手段!

2024年1月に新NISAがスタートし、株式などを売買する方が増加中ですが、投資家は、「短期的な売買で儲けたい」という方だけで構成されているわけではありません。なかには、「その企業のファンだから、長期的に株式を保有したい」という方も存在します。株主優待を実施することは、そのような投資家の気持ちをつなぎとめるうえで有用です。

近年、「株主のロイヤルティ向上(ファン作り)による安定株主の確保」という観点から、株主優待を実施している企業が数多く見受けられますが、「割引券やオリジナルグッズの配布」「特別なイベントへの招待」などのほかに、「ポイント」を進呈することも選択肢として検討しましょう。


<この記事のポイント>

  • ポイント1    株式を長期保有する「安定株主」を確保するうえで、株主優待は有用

  • ポイント2 株主優待で「ポイント」を株主に進呈する企業が多数存在する!
  • ポイント3 独自ポイントを贈れば、自社のポイント経済圏を拡大することが可能


目次[非表示]

  1. 1.株主優待とは?
    1. 1.1.安定株主を増やす効果を期待できる
    2. 1.2.自社の商品・サービスの宣伝になる
  2. 2.株主優待で「ポイント」を進呈する企業が多数存在する
    1. 2.1.日本電信電話株式会社
    2. 2.2.ウエルシアホールディングス株式会社
  3. 3.株主優待で「独自ポイント」を贈るメリット
  4. 4.まとめ
  5. 5.おすすめの資料はこちら


株主優待とは?

株主優待とは、自社が発行した株式を保有している方(株主)に対して、さまざまな特典を提供する行為です。特典の内容は「ギフト券・割引券・クーポン・グッズの贈呈」「特別なイベントへの招待」「預金金利の上乗せ」など、多岐にわたりますが、「ポイント」を進呈するケースも見受けられます。ちなみに、株主優待を実施する企業は、全企業の4割程度とされています。

ここ数年、「株主間の公平性」という観点から(外国人投資家や機関投資家にとってはメリットが薄いため)、株主優待の廃止に踏み切る企業も散見されるようになりました。しかし、依然として多くの企業で株主優待が実施されていることも事実なので、自社の株主の属性なども踏まえて実施の是非を判断しましょう。


安定株主を増やす効果を期待できる

株主優待を実施するメリットのひとつとして、株式を長期間保有し続ける「安定株主」が増えることが挙げられます。

取引所に上場されている株式は、いつでも自由に売買することが可能です。そのため、短期的な利益を得る目的で、「数日」「数週間」「数ヶ月」といった比較的短い期間しか保有しない株主も存在するでしょう。

しかし、短期間しか保有しない株主が大多数を占めると、自社の株価の安定性が損なわれかねません。株価を安定させるための一手段として、株主優待は有用です。株主優待で特典を提供された株主はロイヤルティが向上し(自社のファンになり)、長期間保有し続けてくれる可能性が高まります。

また、株主優待を実施すると、特定の大株主による買占めを防止する効果も期待できます。大口投資家からの買占めを回避したいのであれば、株主優待を実施して、不特定多数の個人投資家に保有してもらうことも検討しましょう。


自社の商品・サービスの宣伝になる

自社の商品・サービス(ポイントも含む)を株主に進呈することにより、宣伝効果も期待できます。

普段は購入しない方であっても、株主優待として贈呈された場合は、商品・サービスを手に取ったり利用したりするでしょう。その結果、家族や友人・知人などに「あの企業の商品・サービスは素晴らしい」と伝わり、周囲に良い評判が広まっていく可能性があります。


株主優待で「ポイント」を進呈する企業が多数存在する

近年、株主優待として「独自ポイント」や「共通ポイント」を進呈する企業が多数存在します。以下、具体例を2つご紹介するので、自社の施策の参考にしてください。


日本電信電話株式会社

日本電信電話株式会社(NTTグループの持株会社)では、基準日時点で100株以上を保有する株主に対して、共通ポイントの一種である「dポイント」の進呈を実施しています。以下は、進呈されるdポイントの量です。

  • 株式保有期間が2年以上3年未満:1,500ポイント
  • 株式保有期間が5年以上6年未満:3,000ポイント

なお、株式保有期間が2年未満、あるいは、6年以上の株主に対しては、dポイントが進呈されません。保有期間に条件がありますが、「すぐに売買する投資家」と「長期間保有し続けている投資家」を除外し、「今後も保有し続けるべきかどうかを悩んでいる層」にターゲットを絞り込むことで施策の効果を最大化する戦略が見て取れます。

また、上記内容は「2023年3月31日の基準日における情報」なので、最新の情報は日本電信電話株式会社の公式サイトでご確認ください。


ウエルシアホールディングス株式会社

ウエルシアホールディングス株式会社でも、株主優待として「共通ポイント」の進呈を実施しています(「お買い物券」「コシヒカリ」「カタログギフト」との選択制)。

進呈されるポイントは「独自ポイント」ではありません。以下に示すように、毎年2月末時点において株主名簿に記載されている100株以上を保有する株主に対し、保有株式数に応じて所定の量の「Tポイント」が進呈される仕組みになっています。保有期間に関する条件はありません。

  • 保有株式数が100株以上:3,000ポイント
  • 保有株式数が500株以上:5,000ポイント
  • 保有株式数が1,000株以上:10,000ポイント

なお、上記内容は、2024年2月中旬時点の情報になります。また、Tポイントは、2024年4月22日にVポイントと統合される予定です。詳細および最新の情報は、公式サイトでご確認ください。


株主優待で「独自ポイント」を贈るメリット

独自ポイントを展開している企業の場合、「ポイントサービスの宣伝」、および、「自社のポイント経済圏の拡大」という観点から、株主優待の特典を「ポイントの進呈」にすることもご検討ください。

共通ポイントは、街中の商店に貼られているポスターやECサイトの説明文など、認知される機会が多く存在しますが、独自ポイントの場合、自社の店舗(および提携店舗)でしか利用できないため、どうしても認知度が低い傾向があります。しかし、株主優待で進呈すれば、自社の独自ポイントの存在を認知してもらえるでしょう。

また、受け取ったポイントを自社の店舗(および提携店舗)で使用した株主が、「このような商品・サービスを取り扱っているのか」「提携店舗でも利用できるのか」などと認知した結果、「今後も貯めたり、使ったりしよう」と考えてくれる可能性があり、自社のポイント経済圏の拡大に役立ちます。


まとめ

株式会社を経営する際には、消費者だけではなく、株主のことも考慮しなければなりません。個人投資家は、一般消費者としても行動し、実店舗やECサイトで商品・サービスを購入します。そのため、株主優待で自社の商品・サービスを進呈すれば、口コミ効果で家族や友人・知人などに評判が伝わるかもしれません。独自ポイントを展開している企業の場合は、株主優待でポイントを進呈することもご検討ください。

また、ウエルシアホールディングス株式会社のように、独自ポイントではなく、共通ポイントを進呈しているケースも見受けられます。このように共通ポイントを進呈したい場合は、ジー・プランの各種ソリューションを活用することも選択肢のひとつです。

例えば、「ポイント・コンセント」や「PCT LITE」を導入すれば、他社のポイント(共通ポイントなど)の直接発行や、独自ポイントとの交換が可能になります。株主優待だけではなく、「アンケート調査の謝礼」といったシーンでも役立ててみてはいかがでしょうか。



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佐藤拓真
佐藤拓真
2018年頃からライターとして活動。「企業がポイントサービスを活用する方法」「ポイントを活用したビジネスのトレンド」「ポイントを活用したマーケティング手法」「ポイント制度やシステムに関する基礎知識」などについて、フラットな視点からレポートしています。私は「ポイント活動(ポイ活)」が注目されるようになる前から、さまざまなポイント(電子マネー、マイルなどを含む)を貯めてきました。自分自身の経験も踏まえて記事を執筆していくので、企業でポイント制度の導入・運用に携わっている方の参考になれば幸いです。

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