ファンマーケティングでポイント制度を活用!謝礼や特典でモチベーションをアップ
昨今、スマートフォンやタブレット端末といったデジタル機器の普及により、インターネット上でファン同士が交流することが容易になりました。
特に何もしなくても自然に交流が深まっていくケースもありますが、交流の場にポイント制度を導入し、謝礼や特典を付与する仕組みを整えれば、ファンのモチベーションが高まりやすくなるでしょう。
本記事では、主にファンマーケティングの担当者に向けて、ポイント制度でファン同士、あるいは、ファンと企業との交流を深める方法について徹底解説します。
この記事のポイント
ポイント1 昨今、ファンマーケティングが重視されている
- ポイント2 ファンマーケティングでは、ポイント制度を活用するべき
- ポイント3 さまざまな企業が、謝礼や特典としてポイントを付与している
目次[非表示]
近年、注目されている「ファンマーケティング」とは?
「ファン」は、SNSなどに自社の製品・サービスに関する好意的な口コミを自発的にしてくれる存在です。そのため、自社のファンを増やすことは、ブランディングや宣伝にとって大きな強みとなります。
「ファンマーケティング」とは、熱狂的なファンを育み、彼らのモチベーションを活用することで、新規顧客を呼び込み、中長期的に売上を延ばしていく手法です。
市場が成熟し、品質や機能での差別化が困難になった昨今では、価格競争に陥りやすい傾向がありますが、ファンマーケティングによって熱狂的な顧客を増やせば、成熟市場においても優位性を保ちやすくなるのです。
消費者の好みが多様化している現在においては、テレビCMのようなマス向けマーケティングよりも、SNSやブログ、動画投稿サイトなどにおけるファンの投稿のほうを重視するべきケースが少なくありません。
ファンマーケティングでポイント制度を活用するメリット
ファンによる好意的な投稿は効果的ですが、人間である以上、気持ちの浮き沈みがあるのは当然です。単にファンが自発的に各種SNS上で口コミを投稿するだけでは、モチベーションが持続せず、次第に活動が縮小していく可能性があるのです。
しかし、ポイント制度を導入して、投稿やアクションに対して謝礼や特典を付与すれば、モチベーションを持続させることが可能です。同時にファン同士、または、ファンと企業間の交流をも活性化することができます。
謝礼や特典の金銭的な価値がそこまで高くなかったとしても、何らかの形で評価を受け取れば「やり遂げた」という達成感が得られます。さらに「認められた」という承認欲求を満たすこともできるため、「また、口コミを投稿しよう」というモチベーションにつなげることができるでしょう。
こうしたメリットを背景に、近年ではさまざまな企業が、自社のコミュニティサイトなどにおいて、ファン同士の交流を促すためポイント制度の導入を実施しています。
ファンマーケティングへのポイント制度導入の具体例
ここからは、ファンマーケティングにポイントを活用している具体的な事例をご紹介します。
カゴメ株式会社
大手食品・飲料メーカーのカゴメ株式会社では、コミュニティサイト&KAGOME(アンドカゴメ)においてポイント制度を導入し、ファン同士の交流を促しています。各アクションに対するポイント付与数は、以下のとおりです。
参考:&KAGOME(アンドカゴメ)
新規会員登録 |
50ポイント |
ログインする |
5ポイント |
レシピを投稿する |
50ポイント |
レシピに「いいね」をする |
1ポイント |
レシピに「いいね」をされる |
5ポイント |
コメントを投稿する |
10ポイント |
商品レビューを投稿する |
20ポイント |
ほかにも、さまざまなアクションでポイントが付与されます。なお、貯まったポイントを使って「スピードくじ」を引くことが可能です(1回あたり100ポイント消費)。くじに当たると各種グッズ(バッグなど)がプレゼントされ、ファンのモチベーションがさらに高まる仕組みが構築されています。
ちなみに、&KAGOMEでのアクション率は「10%」です。企業のコミュニティサイトでは1桁が一般的なので、突出した成果を上げていると言えるでしょう。
ネスレ日本株式会社
大手飲料メーカーのネスレ日本株式会社は、ネスカフェアンバサダーというマーケティング施策で有名です。
ネスカフェアンバサダーもファンによる口コミ効果を狙った施策ですが、それだけでなく、自社のコミュニティサイトにおいてネスレコインというポイント制度を導入し、ファン同士の交流を促していることをご存知でしょうか。
例えば、各都道府県在住者同士が交流する「県人こみゅ」というコンテンツにおいて、投稿や閲覧といったアクションを行うとネスレコインが付与されます。なお、貯まったポイントを使ってプレゼントへの応募が可能です。
「ネスカフェアンバサダーによってコーヒーのファンになり、ファンになった人がコミュニティサイトでネスレコインを貯めてモチベーションを向上させ、新たなネスカフェアンバサダーとなり、別の人にコーヒーの良さを伝える」といった好循環が生まれているのです。
これからの時代は、ポイント制度を活用したファンマーケティングが重要
ニーズが多様化した昨今、テレビCMなど、画一的な広告をマスに向けて発信しても、期待するほどの効果が得られないケースは多々あります。
誰もがパソコン・スマートフォン・タブレットといった電子機器を保有し、いつでもどこでもインターネットに接続してSNS上でコミュニケーションを行える時代においては、自社のブランド・製品・サービスの「熱心なファン」を育て、彼らの自発的なアクションを通じて新規顧客を獲得する「ファンマーケティング」という施策を重視するべきだといえます。
ただし、モチベーションが低下する場合がありますので、ポイント制度を導入してファンのモチベーションを維持し、ファン同士や企業との交流を促進しましょう。
本記事でご紹介したカゴメ株式会社やネスレ日本株式会社の事例を参考にして、自社でもポイントを活用したファンマーケティングをはじめてはいかがでしょうか。