
ロイヤリティとロイヤルティの違いとは?顧客ロイヤルティを向上するメリットも紹介!
商品やサービスを購入したり、利用したりする行為は日常茶飯事です。インターネットや端末の普及により、今まで以上に商品の購入やサービスの利用を簡単に行えるようになりました。
サービスが充実し、顧客体験の重要性が高まっていく中で生まれたのが、ポイントサービスです。当記事では、顧客体験の概要やポイントサービスが、なぜ顧客ロイヤルティに効果的なのか、その理由を詳しく解説します。
この記事のポイント
ポイント1 顧客体験のクオリティを高める方法を理解できる
- ポイント2 ロイヤリティとロイヤルティの違いを理解できる
- ポイント3 ポイントサービスが顧客ロイヤルティ構築に効果的な理由が分かる
目次[非表示]
顧客体験とは?
顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)とは、顧客が企業の商品やサービスに関心を持ち、その商品やサービスを利用するまでの一連の流れを指します。商品やサービスによっては、修理やケアといったアフターサービスを含めて顧客体験と呼ぶ場合もあります。
スマートフォンなどの普及によって、ユーザーや顧客が気になったものを検索エンジンで手軽に検索できるようになり、商品やサービスに関心・興味を持つ機会が増えてきました。
その一方で、顧客との接点の増加はマーケティングの複雑化を招き、より綿密なマーケティング戦略が求められるようになったのも事実です。
ロイヤルティと顧客体験
ロイヤルティとは、ブランドや企業に対するユーザーの愛着や信頼を意味します。顧客との関係を深め、繰り返し長くお付き合いいただくには、ロイヤルティの向上が欠かせません。
ロイヤルティの向上は個々の顧客体験の積み重ねであり、顧客体験を把握して効果的に高めることが重要とされています。
ロイヤルティの測り方/NPS
近年、顧客ロイヤルティの計測方法としてアンケート調査が普及しています。
「ブランドや商品を友人や知人にどの程度薦めるか?」という推奨度を、0~10点で回答して貰う調査方法です。ネットショップやファーストフードチェーンなどで目にしたことがある方も多いでしょう。
この調査では、10点満点の採点結果から回答者を「推奨者」「中立者」「批判者」に分けます。「推奨者」の比率から「批判者」の比率を引いた数値を「ネットプロモータースコア=NPS」と呼び、このスコアが高いほどロイヤルティが高いと判定します。
顧客ロイヤルティの向上を図る
上記のNPSアンケートでは、広告表現や入店時のあいさつ、接客、商品使用、顧客特典といった、個々の顧客体験について同時に質問し、NPSとの相関性を調べます。
つまり、NPSへの影響度の高い顧客体験を改善することで、ロイヤルティを高めていくことができるのです。リピーターやコアなファンを増やしたい場合は、顧客ロイヤルティの向上を重視しましょう。
顧客ロイヤルティを向上するメリット
顧客ロイヤルティを向上させるメリットとして次の3つが挙げられます。
- 顧客単価のアップ
- 新規顧客の獲得
- リピート率の向上
それぞれ詳しくみていきましょう
顧客単価のアップ
顧客ロイヤルティを向上するメリットとして「顧客単価のアップ」が挙げられます。あるアパレルブランドが2016年5月に562件を対象に行った調査によると、ロイヤルティの高い顧客は、ロイヤルティの低い顧客よりも購入金額が約1.3倍も高かったそうです。
既存顧客のロイヤルティを向上させて顧客単価を上げることができれば、新規顧客の獲得が上手くいかない場合でも、売り上げをアップさせられる可能性があります。
新規顧客の獲得
「新規顧客の獲得」につなげられるのも、顧客ロイヤルティを向上するメリットの1つです。
SNSや口コミなどが普及している現代においては、顧客の評判が大きな影響力を持っています。前述のとおり、ロイヤルティの高い顧客が増えれば、周りの人に商品やサービスを勧めてくれます。
したがって、顧客ロイヤルティを高められれば、新規顧客を獲得しやすくなるでしょう。
リピート率の向上
顧客ロイヤルティを向上するメリットには「リピート率の向上」も挙げられます。ロイヤルティの高い顧客は商品やサービスに愛着を持ってくれている状態ですから、競合他社の製品やサービスに乗り換える必要性を感じていません。
したがって、気に入った商品やサービスを継続的に購入・利用してくれます。企業の売上維持・向上を図るためにも、顧客ロイヤルティを向上させてリピート率を高めましょう。
ロイヤリティとロイヤルティの違い
ここで押さえておきたいのが「ロイヤリティ」と「ロイヤルティ」の違いです。似たような言葉ですが、その意味は大きく異なります。
したがって、意味を理解して、使用シーンによって「ロイヤリティ」と「ロイヤルティ」を正しく使い分ける必要があります。それぞれ詳しくみていきましょう。
ロイヤリティとは?
「ロイヤリティ(royalty)」とは、「著作権使用料」「特許権使用料」という意味の言葉です。著作権や特許権などの知的財産権への対価という意味で使用されます。
ロイヤルティとは?
「ロイヤルティ(loyalty)」とは、忠実や忠誠というような意味を持つ英単語です。マーケティング用語では、企業やブランドへの愛着心、もしくは顧客の信頼という意味で使用されています。
「ブランドロイヤルティ」というマーケティング用語がありますが、同じブランドを購入し続けるというような意味で、「顧客ロイヤルティ」と非常によく似ています。
ロイヤリティが実際に支払うお金なのに対し、ロイヤルティは顧客の気持ち、といったイメージが近いかもしれません。企業はロイヤルティの向上を目標として、商品やサービスを考えていかなければなりません。
ポイントサービスが顧客ロイヤルティ構築に効果的な理由
ポイントサービスが顧客ロイヤルティ構築に効果的な理由として次の5つが挙げられます。
- 顧客の離脱防止
- 顧客情報の収集
- マーケティング施策への活用
- コミュニケーションツールとして利用可能
- 値引きよりも効果が高い
ひとつずつ見ていきましょう。
・顧客の離脱防止
別のサービスに変えてしまうと、当然ポイントは失効します。所有ポイントが顧客の心理的なつなぎ止め役となることで、サービスからの離脱防止が可能です。
・顧客情報の収集
ポイント付与を特典にすることで、顧客情報の登録や変更・追加を促すことができます。顧客情報を収集しやすくなるでしょう。
・マーケティング施策への活用
イベントなどに参加した顧客を対象にしたポイント付与は、集客につなげられます。ポイントサービスを導入すれば、マーケティングをはじめ様々な施策に活用できるでしょう。
・コミュニケーションツールとして利用可能
メルマガなどでポイント残高の確認を促す行為は、プル型のコミュニケーションと呼ばれており、プッシュ型コミュニケーションよりも抵抗が少ない点が特徴です。顧客とコミュニケーションを取るためのツールとして利用しやすいでしょう。
・値引きより効果が高い
ポイント付与は、直接の値引きよりも効果が高いことがわかっています。これは「認知のゆがみ」と呼ばれ、得をする金額自体は同じでも、ポイント付与のほうが得をした気分を味わえる、という消費者心理によるものです。
新規顧客や売上のアップを目指す場合はポイントサービスと紐づけた施策を行うとよいでしょう。
【まとめ】
顧客体験とは何なのか、企業が商品やサービスを売り出したいときにどのような視点で考えればいいのかについて解説しました。
商品やサービスが売れるためには、顧客ロイヤルティを高め顧客の満足度や信頼性を向上させることが必要です。
したがって、企業は顧客獲得のためにNPSを活用したり、実際の口コミや評判を頼りに開発・改善したりしていく必要があります。SNSや口コミが当たり前のように普及している現代においては、周りにおすすめしたいと思われるような商品やサービスであることが大前提なのです。
つまり、企業力を高めるためには、顧客ロイヤルティの向上を図ることが最重要課題になっているといえるでしょう。その方法の1つであるポイントサービスをマーケティングに活用できれば、顧客へのアプローチの幅も広がります。
今回ご紹介した顧客体験のクオリティを高める方法も参考に、自社の戦略に沿ったポイントサービス施策を検討してみてください。