東京ゼロエミポイントとは?環境問題を踏まえた自治体のポイント施策の事例を紹介
「SDGs」という単語もすっかり定着し、世間的にも環境問題への関心が高まりつつある昨今。家電量販店では「省エネルギー」を前面に打ち出した製品も多く並んでおり、買い替えのタイミングで「せっかくなら……」と検討する消費者も少なくありません。
ただ、地球温暖化の抑制や電力の節約に貢献してくれる省エネ家電ですが、買い替えにあたっての障壁もあります。まず何より、高価であること。そして同時に、古い家電の処分に手間がかかること。特に大型家電はそうそう買い替えるものでもないため、省エネ家電の普及にはまだまだ時間がかかるといわれています。
そんななか、省エネ家電の買い替えを促進するための施策として、自治体が「ポイント」を活用していることはご存知でしょうか? 今回は自治体が主導するエコ関連ポイント施策の事例として、主に東京都の「東京ゼロエミポイント」について解説します。
<この記事のポイント>
ポイント1 省エネ家電の販売促進に繋げるポイント制度「東京ゼロエミポイント」
- ポイント2 環境問題を意識したポイント施策が全国的に広まりつつある
- ポイント3 付与されるのは、キャッシュレスポイントやギフトカードなど
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「東京ゼロエミポイント」とは
東京ゼロエミポイントは、東京都の「家庭のゼロエミッション行動推進事業」の一環として実施されているポイント制度。家電や照明器具を省エネルギー性能の高い製品に買い替えた都民に対してポイントを付与、ポイントは商品券や、取扱店でLED照明器具やランプを買う際に使えるLED割引券と交換できます。
付与されるポイントは買い替える製品の種類と性能によって異なり、たとえば同じエアコンでも、2.2kW以下の製品だと15,000P、3.6kW以上だと23,000Pとなっています。これらのポイントは1ポイント=1円換算で、商品券と交換可能です。
この制度の目的は、家庭のエネルギー消費量を削減し、二酸化炭素の排出量を減らすことによって、地球温暖化の防止に貢献すること。また同時に、家電の買い替えを促進することで、経済の活性化や雇用の創出に繋げようとする意図もあります。
聞き覚えのない人も多いかもしれませんが、この制度が始まったのは、実は2009年のこと。当初は期間限定で実施される予定でしたが、その後も条件を段階的に厳しくしながら延長され、2024年現在も継続中です。
東京ゼロエミポイントを申請するには?
家電や照明器具の買い替えの際に東京ゼロエミポイントを申請するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 都内に住所を有し、その住所を公的な書類で証明できる個人
- 住宅に設置済みのエアコン・冷蔵庫・給湯器・照明器具を、省エネルギー性能の高い新品の対象家電等に買い換えた人
- 購入した対象家電等を都内の住宅に設置する人
注意点としては、「個人」を対象にしたポイント制度であり、法人では申請できないことが挙げられます。また、「LED照明器具は1人1台」など、一部の製品に関しては申請回数に上限が設けられています。
ポイントの申請は電話や郵送でも可能ですが、公式サイトではインターネットでの申請を推奨しています。ここではその手順までは取り上げませんが、詳しく知りたい方は申請ガイドを参照ください。申請にあたっては、以下の書類が必要となります。
申請に必要な提出書類
- 指定の登録・交換申請書
- 本人確認証(運転免許証等)のコピー
- 領収書のコピー
- (エアコン・冷蔵庫の場合)保証書のコピー
- (エアコン・冷蔵庫の場合)家電リサイクル券のコピー
- (エアコン・冷蔵庫の場合)設置場所住所がわかる書類(納品書等)のコピー
- (給湯器の場合)対象製品証明書のコピー
- (給湯器の場合)納品書のコピー
- (LED照明器具の場合)保証書のコピー
- (LED照明器具の場合)設置前・後の写真貼り付け台紙のコピー
ポイント施策に取り組んでいる自治体は他にも!
このようなポイント施策を実施している自治体は、東京都だけではありません。省エネ家電への買い替えを促進する施策は全国的に広がっており、ここではその2つの事例を紹介します。
【青森県】あおもり省エネ家電 買替え応援キャンペーン
青森県では、「あおもり省エネ家電 買替え応援キャンペーン」と題したキャンペーンを実施。
この施策では、基準を満たす省エネ家電を購入した人にキャッシュレスポイント・商品券・プリペイドカードのいずれかをプレゼント。また、基準に該当しない製品やLED電球等を購入した人にも、抽選で100人に県内宿泊券10,000円分を進呈しています。
付与されるポイントは、前述の東京ゼロエミポイントと同様に、買い替える家電の性能によって変わるほか、脱炭素チャレンジ店ではもらえるポイントが2倍になります。キャッシュレスポイントとしてはgifteeBOX SELECTが採用されており、約1,000種類の交換先から好きな商品と交換できるのも特徴です。
ポイント申請の受付期間は、2024年2月20日まで。公式サイトに設置されている「予算執行メーター」が50%以上に達していることを鑑みるに、県内でも同キャンペーンの活用が広がっていることがわかります(※2023年12月下旬時点)。
【富山県】とやま省エネ家電購入応援キャンペーン
富山県では、「とやま省エネ家電購入応援キャンペーン」と題したキャンペーンを実施。
こちらも同じく、省エネ家電の購入時にキャッシュレスポイント等が交付されるポイント制度です。青森県のキャンペーンと同様に、特定の地域協力店で買い替えた場合はポイントが2倍。PayPayポイント・楽天Edyといった複数の共通ポイントを選ぶことができる点が大きな特徴で、富山県産品が選べる「トヤマカード」をはじめとしたギフトカードも用意されています。
申請受付は2024年1月31日まで。こちらも青森県と同様に申請状況が公式サイトで確認でき、2023年12月下旬時点で10,068件の申請があったようです。
まとめ
今回は「東京ゼロエミポイント」をはじめとする3つの事例を取り上げましたが、類似の取り組みは全国的にも広がりを見せています。本記事の施策はいずれも「省エネ」という単語が使われていますが、最近は「脱炭素」などのフレーズを打ち出したキャンペーンも登場しているようですね。
省エネ家電への買い替えを促しつつ、環境問題への意識向上も期待される自治体のエコ関連ポイント施策ですが、その効果はそれだけにとどまりません。ポイント制度やギフトカードを活用した、地域経済の活性化にも有効な取り組みだと言えるでしょう。
また、自治体の施策においても交付ポイントの選択肢を増やす動きがあることから、さまざまな用途で使えるポイントや、ポイントの発行・交換の需要は高まりつつあると言えます。ジー・プランが提供する「ポイントコンセント」や「PCT LITE」を導入すれば、ユーザーが自社の独自ポイントを共通ポイントなどに交換することが可能になります。自社のポイントサービスをお持ちでない場合でも、大手・共通ポイントを直接発行できる便利なソリューションで、ポイント交換・発行にかかるコストも大幅に削減できるので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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