
電力会社が「選ばれ続ける」鍵は節電ポイント|2026年最新事例で解説
電力・ガスは自由化で「選ばれる」時代になった一方、商品そのもので差をつけるのは難しく、価格訴求は消耗戦になりがちです。そこで継続率を左右するのが、電力業界ならではの「節電ポイント・プログラム」。NTTコムの最新調査(2025年)では、電力会社を選ぶ際に重視されるのは「料金」と「信頼・安心」。一方で、推奨度(NPS)がもっとも高いのは料金以外のサービス価値を評価する「サービス重視層」でした。価格だけで差をつけにくいいま、“選ばれ続ける”鍵となるのが節電ポイントのような付加価値サービスです。
本記事では、2026年の最新事例とともに、顧客に“選ばれ続ける”ポイント設計の考え方を解説します。
<この記事のポイント>
ポイント1 節電ポイントとは節電量に応じて付与するポイント
- ポイント2 ロイヤルティ(推奨度)が高い「サービス重視層」にこそ節電ポイントが響く
- ポイント3 プログラムの魅力は「貯まりやすさ」より「使い勝手のよい出口」で決まる
目次[非表示]
顧客は節電ポイント・プログラムに関心が高い
電力会社の契約見直しが進むなか、NTTコムが主要電力会社15社の契約者を対象に「電力会社の選択に関する調査」(2025年)を実施しました。1年以内に契約変更を検討したい人は増加傾向にあり、約2割が変更意向を持っています。
電力会社を選ぶ際に重視されるのは「月々の料金が適切であること(88.1%)」「信頼性の高い企業であること(85.0%)」「災害時の復旧が早いこと(82.6%)」。料金や信頼・安定性が上位を占めますが、価格訴求は消耗戦になりやすく、ここだけで差をつけ続けるのは困難です。
そこで注目したいのが顧客の“タイプ”です。重視点をもとに消費者を6つのクラスターに分類したところ、推奨度(NPS)がもっとも高かったのは、料金以外のサービス価値を評価する サービス重視層(全体の14.7%) でした。この層こそ長く使い続けてくれる“選ばれ続ける”顧客であり、彼らに響く付加価値の代表例が節電ポイント・プログラムです。
出典:「2025年度 電力会社の選択に関する調査」(NTTコム オンライン)
節電ポイントとは
では、そもそも節電ポイントとは何でしょうか。
節電ポイントとはその名の通り、節電プログラムの期間中に顧客が節電に協力すると、節電量に応じて電力会社がポイントを付与するというものです。
節電プログラムは例えば、真夏や真冬など家庭でも電力の消費量が増える時期に、電力需要のひっ迫を解消する目的で実施したり、新電力を提供する電力会社が新規顧客獲得のために実施することもあります。
ポイントは「商品やサービスを購入するほど貯まる」のが一般的ですが、節電ポイントは “電気を使わない”ほど貯まる点が電力業界ならでは。とはいえ本質は変わらず、顧客との関係を強化し、長期的に良好な関係を築くためのツールです。そして近年は、夏・冬の年2回まわる反復施策として定着しつつあり、毎シーズン特典原資を投下する以上、ポイント設計の良し悪しが継続的に効いてきます。
【2026年最新】節電ポイント・プログラムの実施例
電力会社が新規顧客の獲得や既存顧客を囲い込みを進めるうえで、節電ポイントの活用が有効だとご理解いただけたところで、最新の実施例を見てみましょう。
東急でんき「夏の節電プログラム2026」
東急パワーサプライは、東急でんき契約者を対象に『夏の節電プログラム2026』を2026年6月11日よりエントリー開始しました。期間中の節電参加意思や節電量をポイントに換算し、獲得ポイントに応じて 最大2,000円分のQUOカードPay を進呈する内容です。
本プログラムは夏・冬で継続実施されている定番施策で、『夏の節電プログラム2025』には 19,000世帯超 が参加しています。季節ごとに繰り返し顧客接点をつくり、節電という社会的意義と特典の魅力を両立させている好例と言えます。
idemitsuでんき「節電プログラム」
idemitsuでんきの節電プログラムは、電力需給がひっ迫しそうな時などにメールで節電を依頼し、節電量に応じてポイントを付与する仕組みで、楽天ポイント・Pontaポイント・dポイントから好きなポイントを選べるのが特徴です。でんきMYページから申し込めば、以降は需給状況に応じて継続的に参加できます。
使い勝手のよい共通ポイントを“選べる”ようにすることで、顧客が積極的に獲得しようとする動機づけになっています。
オクトパスエナジー「オクトパス・チャレンジ」
オクトパスエナジーの「オクトパス・チャレンジ」は、指定の時間帯に節電に取り組み、基準より電気使用を削減できれば達成となる節電チャレンジです。電気代の割引や抽選賞品など、ポイントとは異なる形ですが、ゲーム性を取り入れて楽しみながら参加できる設計が特徴です。
ポイント付与型のプログラムを設計する際にも、参加体験を楽しくする工夫として参考になるアプローチです。
出典:オクトパスエナジー「オクトパスが夏のハッピーアワーを開催しているワケ」
まとめ:価格競争から「選ばれ続ける」関係づくりへ
各社の事例に共通するのは、「使い勝手のよい出口(共通ポイントや選べる特典)」ほど参加意欲が高まるという点です。節電ポイントの本質は、顧客とのつながりを強化し、長期的に良好な関係を築くこと。そのためには、魅力的なポイント・プログラムを無理なく提供できる仕組みが欠かせません。
とはいえ、自社ポイントをゼロから構築するには多くのコストがかかり、かといって大手ポイントをそのまま使うと独自運用が難しく、他社との差別化がしにくくなります。
そこで一つの解決策となるのがポイントプラットフォーム「PCT LITE」です。これは自社ポイントを電子ギフトを介してdポイントやWAON POINT、PayPayポイントなどの共通ポイントと交換できるサービス。自社ポイントの交換景品として電子ギフトを設定することで、独自運用の柔軟性を保ちながら大手ポイントの利便性も取り込め、プログラムの魅力を高められます。自社ポイントをお持ちでない場合でも、共通ポイントを直接発行できる手軽さが魅力です。
まずは PCT LITE でスモールスタートし、取り扱い銘柄をさらに広げたくなった段階で、約150銘柄と交換・発行できる「ポイント・コンセント」への移行を検討する。こうした段階的な進め方も可能です。将来の拡張余地まで見据えて、自社に合ったポイント設計をじっくり検討してみてください。
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