【担当者必見】顧客起点マーケティングとは?取り組むメリットや注意点、よくある質問をご紹介!
ウェブ上で何でも完結でき、顧客と面と向かって関わることが減ったことで、これまでのような手法やツールに偏ったマーケティングの戦略では成果が上がりづらくなっています。
そんな世の中だからこそ、「顧客の把握」から戦略を組み立てることが重要なのです。
そこで、ここでは顧客起点マーケティングとはどのようなものなのかから、取り組むメリットや具体的な手法、実施する上での注意点などを詳しく解説しています。
また、よくある質問とその回答についても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
<この記事のポイント>
ポイント1 ウェブ社会だからこそ「顧客を把握」のマーケティングが必要
- ポイント2 特定の一人に注目してニーズを深掘りして戦略を立てることが重要
- ポイント3 ロイヤルカスタマーは大切にすべきだが、偏りすぎるのには要注意!
目次[非表示]
顧客起点マーケティングとは?
顧客起点マーケティングとは、「顧客の把握」から戦略を組み立てるマーケティングを指します。顧客のニーズや消費行動を定量的に分析し、客観的に判断するのが特徴です。
顧客起点マーケティングが重要とされる理由
マーケティングにおいて、顧客を把握することは基本です。顧客のニーズや消費行動を知ることで初めて、マーケティングにおける戦略を組み立てることができます。
しかし、近年は自社ECやECモールなど通信販売での購入が一般化しており、顧客と直接顔を合わせる機会が減ったことで、多くのマーケターが手法やツールに走りがちです。
「ABテスト」のような実績のある手法を活用することは確かに必要です。ただ、そこから見える数値にばかり目を向けていると、顧客の生の声を見逃す恐れがあります。
数値上で改善されたからといって、必ずしも顧客の消費行動に直結するとは限らないのです。
だからこそ、マーケティングの戦略を組み立てるうえで、顧客のニーズや消費行動を理解するべくその生の声に耳を傾ける「顧客起点マーケティング」が重要とされています。
顧客起点マーケティングにおけるアイデアは二つ
顧客起点マーケティングの具体的な戦略につながるアイデアは主に二つに分類されます。
- プロダクトアイデア:商品・サービスのもととなるアイデア
- コミュニケーションアイデア:商品・サービスを認知させる手段となるアイデア
中でも、顧客起点マーケティングにおいて重要なのが「プロダクトアイデア」です。
どれほど商品・サービスの認知度を高めることができたとしても、顧客のニーズと商品・サービスの内容が合致していないと、顧客の消費行動にはつながりません。
発売当初のiPhoneを例に考えてみましょう。
ガラケーが主流だった時代、iPhoneのフルタッチスクリーンと直感的な操作性はユーザーに衝撃を与えました。それこそ一度触れば手放せなくなる人が続出するほどでした。
また、当時はそもそもスマホというものが普及しておらず、iPhoneが市場をほとんど独占していたことも合わさり、日本でも瞬く間に広まっていったのです。
顧客起点マーケティングに取り組む4つのメリット
ここでは、顧客起点マーケティングに取り組む4つのメリットについて解説します。
1.顧客のイメージがより具体的になる
前述の通り、顧客起点マーケティングではまず顧客の把握から始めます。具体的に顧客像をイメージし、この顧客像に基づきマーケティングの戦略を立てることで、顧客のニーズと合致した商品・サービスを開発し、プロモーションすることができます。
2.ロイヤルカスタマーの獲得につながる
顧客のニーズや消費行動を正確に捉え、それを満たす商品やサービスを提供することで、顧客は高い満足感を得ます。そうすることで顧客との長期的な信頼関係が築かれ、リピート購入や口コミによる推薦など、ロイヤルカスタマーとしての継続的な取引につながります。
3.広告の費用対効果が高まる
顧客が抱える真のニーズを把握したうえで制作された広告というのは顧客の心に刺さり、消費行動を促進します。そうした広告はターゲットとする顧客層にだけ直接響かせられるものですから、広告を実施する範囲を絞る(=広告費を削減する)ことができるわけです。
4.自社の競争力が高まる
顧客起点マーケティングの視点で戦略を考えると、競合他社にはない独自の視点で価値提案が可能となります。それによりブランドとしての地位を確かなものにできれば、その市場での競争力が高まり、競合他社や新規参入者の脅威に揺るがない経営を実現できるでしょう。
顧客起点マーケティングで利用する「N1分析」
顧客起点マーケティングの手法の一つに「N1分析」があります。これは、特定の顧客だけを抽出し、その人物の考え方や意見を徹底的に把握することで顧客層を理解するというものです。
では、そんなN1分析に必要な具体的なフレームワークをいくつか解説しましょう。
9セグマップ
9セグマップとは下記のように顧客を購買頻度でグループ分けし、優先度の高い順に並べたものです。この顧客ピラミッドを作成することで、階層ごとに適した戦略を立てることができます。
- 積極ロイヤル顧客:認知あり/リピートの頻度・高
- 消極ロイヤル顧客:認知あり/リピートの頻度・低
- 積極一般顧客:認知あり/リピートの可能性・高
- 消極一般顧客:認知あり/リピートの可能性・低
- 積極離反顧客:認知あり/購買経験あり/リピートの可能性・低
- 消極離反顧客:認知あり/購買経験あり/リピートの可能性・なし
- 積極認知・未購買顧客:認知あり/初購入の可能性・高
- 消極認知・未購買顧客:認知あり/初購入の可能性・低
- 未認知顧客:認知なし
上位の階層ほど優良顧客で利益に直結する存在となるわけですから、基本的には上位の顧客を大切にしつつ、下位の顧客をいかに上位層に移行させられるのか戦略を立てていきます。
5セグマップ(顧客ピラミッド)
5セグマップとは下記のように顧客の商品・サービスに対する認知度、購入経験、リピートの頻度によって5つのグループ分けし、グループごとに適した戦略を検討するというものです。
- ロイヤル顧客:認知あり/リピートの頻度・高
- 一般顧客:認知あり/リピートの頻度・中〜高
- 離反顧客:認知あり/現在は購入していない
- 認知・未購買顧客:認知あり/購買経験なし
- 未認知顧客:認知なし
前項の9セグマップと比べて、5セグマップはよりシンプルにグループ分けしているため調査の工数を減らすことができ、かつ各階層の顧客を大まかにイメージしやすいのが特徴です。
そして、9セグマップか5セグマップで顧客をグループ分けできたら、顧客層ごとの認知状況と行動傾向を分析し、現状の課題について仮説を立てていきます。
そのうえで、その仮説が正しいのかどうかを「N1分析」を用いて裏付けるのです。
具体的には、各セグメントの対象者をピックアップし、インタビュー調査を行います。行動特性や心理状態のほか、実際の購買プロセスなど、その「一人」を顧客モデルとして徹底的に掘り下げます。そして、立てた仮説を検証し、その解決策の糸口を探り、プロダクトアイデアの種をインタビューを通して見つけ出すのです。
顧客起点マーケティングに取り組む際の注意点
顧客のニーズを捉えるのに適した顧客起点マーケティングは、顧客と面と向かう機会が減っている今の時代には欠かせない手法ですが、ひとつだけ注意点があります。
それは、ロイヤルカスタマーのニーズや消費行動に傾倒しすぎてしまうことです。
顧客起点マーケティングで「N1分析」を用いる場合、考え方や意見を深堀するひとりの顧客は、現状での貢献度が高いロイヤルカスタマーに着目して分析することになります。
その分析結果を用いた施策も、ロイヤルカスタマー向けになりがちなのです。
当然、ロイヤルカスタマーを大切にすることは重要なことですが、売上を伸ばすためには下層にいる一般顧客や未購買顧客をいかに取り込み、ロイヤルカスタマーまで育てるのかが欠かせません。
顧客起点で戦略を立てる際は、ぜひロイヤルカスタマー以外も分析するよう意識してください。
顧客起点マーケティングでよくある3つの質問
最後に、顧客起点マーケティングを実施するにあたってよくある疑問にお答えします。
質問①顧客起点マーケティングにおける行動・心理データの役割は?
顧客起点マーケティングでは、行動データと心理データを用いて補助的に分析することがよくあります。行動データとは購入行動やウェブの閲覧履歴など、具体的な顧客の行動に関する情報を指します。
一方、心理データとはブランドの認知度や選好度などの購買に間接的に関連する情報を指すものです。ただ、顧客自身がブランドへの認知度や選好度を正確に認識していないことが多く、行動データに比べて心理データでの分析は難しいとされます。
質問②顧客ピラミッドと9セグマップの関係性は?
9セグマップは顧客ピラミッドにおける5つのパターンのうち、未認知顧客を除いた4パターンに積極・消極の属性を組み合わせたフレームワークです。たとえロイヤル顧客であっても、前回の購買体験(例えばオペレーターの態度が悪かったなど)によっては次の購入はなくなるかもしれません。
反対に、離反顧客であっても、何かしらの要因(例えば信頼する相手からおすすめされるなど)によって再び購入してくれるかもしれないのです。このようにさまざまな要因から顧客の行動は変化する可能性を秘めていることを考えると、パターンを細分化した方がより有効的なマーケティングの戦略を立案できるといえます。
質問③ロイヤルカスタマーとの接点をつくる戦略とは?
継続的に利益をもたらしてくれるロイヤルカスタマーはまず大切にすべき存在です。では、具体的にどのようにロイヤルカスタマーを大切にするのかですが、例えば「ロイヤルティプログラム」があります。
これはロイヤルカスタマーを対象にイベントへの招待、新製品の優先先行販売、ギフト券の配布などさまざまな優遇をすることで、顧客の承認欲求を満たし、ロイヤルティを高めるというものです。
また、「共有体験」を提供するという手もあります。オフ会や対談、セミナーなど企業と顧客がともに目標を達成する体験を共有することで、顧客と企業の結束を強固なものとし、ロイヤルティを高めることにつながります。
【まとめ】
本記事では顧客起点マーケティングとは何かからはじまり、取り組むメリット、具体的な手法、注意点などについてまとめてきました。ウェブの普及にともない顧客と面と向かって関わる機会が減っている現代において、マーケティングの本質とも言える「顧客の把握」から戦略を組み立てる顧客起点マーケティングは欠かせない手法です。
そして、顧客起点マーケティングでは優先的に貢献度の高いロイヤルカスタマーを中心に戦略を立て、接点をつくるかを考えることになります。例えば、購入金額に応じてポイントを付与したり、ギフト券を配布したりして顧客に特別な価値を提供するわけです。
ただ、ポイントプログラムやギフト券というのは自社だけで実施しても使い勝手が悪く、ロイヤルカスタマーに対して十分な価値提供にならない場合があります。だからといって、全国共通で使えるようなポイントやギフト券を新たに発行するのにはコストがかかります。
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