JR東日本のポイントサービス「JRE POINT」が2023年10月からステージ制に
2023年2月7日、JR東日本は既存のポイントサービス「JRE POINT」に獲得ポイントに応じたステージ制度を設けることを発表しました。
一見すると顧客の満足度を第一に考えたプログラムのように見えますが、その裏にはJR東日本側にもさまざまなメリットが生まれています。
今回はその「JRE POINT ステージ」とはどのようなサービスなのかを解説し、JR東日本がなぜステージ制度を導入するのかその意図を考察します。
また、ステージ制度と紐付けたポイントサービスを構築するのに役立つプラットフォームにも触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
<この記事のポイント>
ポイント1 ステージ制度によって既存のロイヤルティ顧客とのつながりを強化できる
- ポイント2 ステージ制度によって一般の顧客をロイヤルティ顧客に育てることもできる
- ポイント3 ステージ制度の導入には前提として使い勝手のいいポイントサービスが必要
目次[非表示]
- 1.「JRE POINT」とは?
- 1.1.ポイントを貯められる場所
- 1.2.ポイントを使える場所
- 2.新サービス「JRE POINT ステージ」とは?
- 3.4つのステージごとに特典が得られる!
- 3.1.各ステージの特典
- 4.優良顧客を優遇して愛着を強める戦略
- 4.1.顧客ロイヤルティとは?
- 4.2.顧客ロイヤルティを高めるメリット
- 4.3.ロイヤルティを高めるのにはポイントの活用が効果的!
- 5.【まとめ】
- 6.おすすめの資料はこちら
「JRE POINT」とは?
「JRE POINT」とはJR東日本が提供するグループ共通ポイントサービスです。SuicaやJRE POINT カード、ビューカードなどのJR東日本のサービスを通してポイントを貯めたり、使ったりできます。
ポイントを貯められる場所
- えきねっとの利用
- Suicaで鉄道利用
- Suicaでお買い物
- 駅ビルでのお買い物
- ビューカードのクレジット決済
- JRE MALLの利用
- そのほかJR東日本のサービス
- 他ポイントからの交換
ポイントを使える場所
- えきねっとで使う
- (JRE POINT用)Suicaグリーン券に交換
- 登録したSuicaにチャージ
- 駅ビルでのお買い物
- JRE POINT WEBサイトで商品と交換
- JRE MALLでのお買い物
- その他のJR東日本のサービスで使う
このように「JRE POINT」は駅を利用すればするほどポイントが貯まりやすい仕組みで鉄道利用者を中心に支持を集めていき、2023年3月末時点で1,379万人もの会員数を獲得しています。
新サービス「JRE POINT ステージ」とは?
2023年2月7日、JR東日本は「JRE POINT」に新たに獲得ポイントに応じたステージ制度を設けることを発表しました。
- 開始時期:2023年10月1日
- 対象者:JRE POINT 会員
- 利用方法:自動的(エントリー不要)
4つのステージごとに特典が得られる!
「JRE POINT ステージ」ではJRE POINTの6か月間の利用状況に応じて、次の6か月間のステージが決まります。ステージには4つの段階があり、ステージごとにさまざまな特典が得られます。
各ステージの特典
獲得ポイント数 |
利用ポイント数 |
得られる特典例 |
|
ステージ1 |
- |
- |
・キャンペーンやお得な情報が届く |
ステージ2 |
300
ポイント以上
|
- |
・JR東日本グルーで利用できるさまざまな優待 |
ステージ3 |
3,000
ポイント以上
|
1,000
ポイント以上
|
・期間限定ポイントアップキャンペーン ・JR東日本びゅうダイナミックレールパック 割引クーポン |
プレミアム |
10,000
ポイント以上
|
3,000
ポイント以上
|
・期間限定ポイントアップキャンペーン ・「どこかにビューーン!」(通常6,000ポイント)を4,000ポイントで提供 ・「JR東日本ホテルズ」直営レストランでグラススパークリングワインなどのサービス |
2期連続プレミアム会員限定 |
2期連続でプレミアムステージの
条件達成
|
・会員が優先して申し込める「TRAIN SUITE 四季島」の設定 ・「どこかにビューーン!」を1名分のポイント(6,000ポイント)で2名利用 ・「JR東日本ホテルズ」直営レストランでの優待 |
※ステージ3、プレミアムの利用にはSuicaとビューカードをJRE POINT WEBサイトに登録する必要があります。
優良顧客を優遇して愛着を強める戦略
では今回、なぜJR東日本が新たに「JRE POINT ステージ」を始めたのかですが、理由のひとつに顧客ロイヤルティを高めることが考えられます。
顧客ロイヤルティとは?
顧客ロイヤルティとは、顧客が特定の商品やサービスに対して長期的に信頼と好意を寄せている状況を指します。言い換えると顧客がその企業やブランドの「ファン」になっている状態です。
顧客ロイヤルティを高めるメリット
なぜ今回のJR東日本のように、企業が顧客ロイヤルティを高めようとするのかですが、主に3つのメリットがあるからです。
- リピーターを得られる:ロイヤルティが高い顧客ほど継続的にその商品・サービスを利用してくれる傾向にある
- 顧客単価がアップする:ロイヤルティが高い顧客ほど1回あたりの購入額・利用額が高くなる傾向にある
- 口コミで拡散してくれる:ロイヤルティが高い顧客は家族や友人など周囲に商品やサービスを勧める傾向にある
中でも、「口コミによる拡散力」は強力で、WEB上の誰が書いたのかわからない記事よりも、実際に商品やサービスを愛用している人から直接勧められたほうが圧倒的にその後の行動につながると考えられます。
ロイヤルティを高めるのにはポイントの活用が効果的!
では、具体的にどのように顧客のロイヤルティを高めるのでしょうか。どの企業でも導入しやすく、即効性があるのが、今回のJR東日本が実施したようなポイントサービスを活用する手法です。
利用頻度や利用額などに応じて付与されるポイントサービスに段階的な特典を紐付けることで、既存のロイヤルティの高い顧客は自身が企業やブランドから「優遇されている」と感じて愛着を強めます。
一方で、一般の顧客の中からも「お得になるなら次もそこを利用しよう」「次こそは自分も特典がほしい」と感じる方が現れるようになり、顧客のロイヤルティを高めることにつながるでしょう。
つまり、ポイントサービスを上手に活用すれば、顧客の離脱を防ぎ、継続的なロイヤルティの向上が期待できるのです。
【まとめ】
本記事ではJR東日本が2023年10月1日から開始する「JRE POINT ステージ」とは何かを解説し、導入する意図を考察しました。
今回のJR東日本のように、ポイントサービスに段階的な特典を紐付ける手法は既存のロイヤルティ顧客とのつながりを強め、一般の顧客を新たなロイヤルティ顧客に育てることにも効果が期待できます。
ただ、段階的な特典と紐付けるには、少なくとも以下の2つのポイントは押さえておかないと、多くの顧客を取り込める使い勝手のいいポイントサービスを構築することはできないでしょう。
- ポイントを貯める手段が複数ある
- ポイントを使う先を選択できる
しかし、一般の企業が独自に提供するポイントサービスだけで、これらのプログラムを実現するのは難しいものがあります。
そこで、おすすめしたいのが既存のポイントプラットフォームの活用。
例えば、ジー・プランが提供する「ポイント・コンセント」は、各企業が独自に提供するポイントを、全国規模の共通ポイントや大手ポイントと直接交換できるようにするプラットフォームです。
こうしたポイントプラットフォームを活用することで、システム開発やポイント交換先との契約、サービスの運用などにかかるコストを大幅に削減しつつ、効果的なポイントマーケティングを実施できます。
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