【企業担当者向け】顧客ロイヤルティとは?主な指標やメリット、高める方法をわかりやすく解説!
収益を安定させ、ビジネスを成長軌道に乗せるには、商品やサービスを継続的に利用してくれるブランドのファンをいかに獲得するのかが大切です。
そのためには顧客ロイヤルティを高め、顧客をファンに育てることが欠かせないわけですが、具体的にどのような施策を実施すればいいのでしょうか。
この記事では顧客ロイヤルティとは何かから始まり、顧客ロイヤルティを高める方法や施策を実施する際に注意したいポイントなどを解説しています。
また、よくある質問にも回答していますので、ぜひ最後までご覧ください。
<この記事のポイント>
✓ポイント1 顧客ロイヤルティが高い顧客は、ブランドの熱心なファンのようなもの
✓ポイント2 まずは顧客の声を定量的に把握することが欠かせない
✓ポイント3 施策の評価と改善をつづけることで効果は最大化する
目次[非表示]
- 1.顧客ロイヤルティとは?
- 1.1.顧客ロイヤルティが重視される背景
- 2.顧客ロイヤルティの主な指標は4つ
- 2.1.1.NPS®(ネットプロモータースコア)
- 2.2.2.NRS(ネットリピータースコア)
- 2.3.3.CES(カスタマーエフォートスコア)
- 2.4.4.LTV(ライフタイムバリュー)
- 3.顧客ロイヤルティを高める4つのメリット
- 3.1.1.リピート率が向上する
- 3.2.2.顧客の購入単価が向上する
- 3.3.3.口コミによる宣伝効果が高まる
- 3.4.4.解約率を下げられる
- 4.顧客ロイヤルティを高めるための4つの方法
- 4.1.1.定量的に顧客の声を把握する
- 4.2.2.ロイヤルティプログラムを実行する
- 4.3.3.カスタマーサポートの質を向上する
- 4.4.4.SNSで友好的な関係を構築する
- 5.顧客ロイヤルティを高めるための3つの注意点
- 5.1.1.継続的に評価を続ける
- 5.2.2.顧客情報をフェーズに分けて管理する
- 5.3.3.LTVや購入単価だけで判断しない
- 6.顧客ロイヤルティでよくある3つの質問
- 6.1.質問①顧客ロイヤルティの高い顧客とは?
- 6.2.質問②顧客ロイヤルティと顧客満足の違いは?
- 6.3.質問③NPS®ツールとは?
- 7.【まとめ】
- 8.おすすめの資料はこちら
顧客ロイヤルティとは?
複数の商品が同じような機能、価格帯で並ぶなか、なぜか同じブランドばかり手にとってしまう、そんな経験はありませんか。また、周りのブランドよりも明らかに価格帯が高いにも関わらず、ついいつものブランドの商品を選択してしまうという方も少なくないと思います。
このように顧客が特定のブランドの商品、サービスに対して持続的な愛着や信頼を抱くことを「顧客ロイヤルティ」と呼びます。
インターネットの普及により、多種多様なブランドの商品を比較できる時代となりました。
顧客ロイヤルティの低い顧客はさまざまなブランドからその都度、自分の欲しい商品を選択します。ときに自社のブランドが選ばれることもあれば、競合に埋もれるリスクもあるといえます。
一方、顧客ロイヤルティの高い顧客はほかのブランドに目もくれず、同じ商品をリピートする傾向にあります。好きなスポーツクラブが勝っても、負けても熱心に応援するファンのような存在です。
顧客ロイヤルティが重視される背景
マーケティング業界では「顧客満足度(CS)」が重視されていた時代がありました。顧客がその商品にどれだけ満足しているのかを第一に考えていたわけです。この考え方そのものはとても大切なものです。
しかし、商品の満足度が高いからといって、必ずしも同じ商品がリピートされるとは限りません。例えば、商品を気に入っても、アフターサービスが不十分なブランドに対して、顧客は同じ商品を「リピートしたい」と思うでしょうか。
顧客満足度が高い=即リピーターになるわけではないのです。
このギャップを埋めるために登場した概念が「顧客ロイヤルティ」です。
前項で解説したように、顧客ロイヤルティが高い顧客は高確率で同じ商品をリピートしてくれます。また、初めて購入するジャンルであっても、愛用するブランドでも扱っているジャンルであれば優先して選びがちです。
このような顧客心理が顕在化してきたことで、今では多くの企業が顧客ロイヤルティの向上をマーケティングの中心に捉えるようになりました。
顧客ロイヤルティの主な指標は4つ
顧客ロイヤルティを表す指標には、主に4つあります。
1.NPS®(ネットプロモータースコア)
NPS®(ネットプロモータースコア)とは、ブランドの商品やサービスに対する顧客ロイヤルティを数値で表現するための指標です。
この指標は、特定の質問への回答を基にして計算されます。その質問とは「友人や同僚に当社の製品/サービスをどの程度勧めたいと思いますか?」というシンプルなもので、通常0~10点満点の11段階で答えてもらいます。
NPS®は、現在でも欧米の売上上位企業のうち3分の1以上が活用していると言われるほどメジャーな指標です。
2.NRS(ネットリピータースコア)
NRS(ネットリピータースコア)とは、前項のNPS®(ネットプロモータースコア)と同じく、企業の商品やサービスに対する顧客の満足度やロイヤルティを数値で表現するための指標のひとつです。
ただ、「リピーター」の名の通り、そこで焦点となるのは「再購入意向」で、顧客が再度その企業の商品やサービスを利用したいと考えているかどうかを評価するために導入されます。
具体的には、「1年後当社の製品/サービスを継続して利用したいと思いますか??」という質問を基にして計算され、通常5段階で回答してもらいます。
3.CES(カスタマーエフォートスコア)
CES(カスタマーエフォートスコア)とは、特定の問い合わせ対応や商品の使用、サービスの利用時に顧客がどれだけの努力を必要としたかを測定するための指標です。
主にカスタマーサポートやサービスの利用環境の改善点を見つけ出すために用いられます。「顧客が実行する努力が少なければ少ないほど、顧客満足度が高くなり、ロイヤルティも向上する」という考え方に基づいています。
例えば、「今回の問い合わせで、あなたが目的を達成するために必要だった努力を評価してください」のような質問をもとに、通常1~7段階で回答してもらいます。
4.LTV(ライフタイムバリュー)
LTV(Life Time Value/ライフタイムバリュー)とは、特定の顧客から生涯にわたり得られるであろう利益を試算するための指標です。
ビジネスの性質や提供している商品・サービス、使用するデータの詳細度などによって多少異なるものですが、基本的に「平均取引価格×顧客の購買頻度×顧客の平均的な継続期間」で計算できます。
成熟していて新規顧客の獲得が難しい市場ほど、LTVはビジネスの持続可能性、そして将来の収益性を評価するツールとして有用です。
顧客ロイヤルティを高める4つのメリット
続いて、顧客ロイヤルティを高めるメリットを解説しましょう。
1.リピート率が向上する
顧客ロイヤルティが高まると、顧客は商品・サービスを繰り返し購入、または利用する可能性が高まります。
つまり、顧客がブランドのファンになっている状態です。そうしたファン化した顧客は、新規顧客を獲得するのに比べて、遥かに低いコストで企業に利益をもたらしてくれる存在です。
また、ファンの存在はそのブランドやサービスに対する信頼や満足度が高い証拠となり、それが新規顧客を集客するきっかけにもなります。
2.顧客の購入単価が向上する
顧客ロイヤルティが高い顧客は、そのブランドの商品やサービスに深い信頼と愛着を感じています。
そうした顧客ほど商品やサービスを購入、または利用する際に高いグレードの商品、または高価なオプションを選択する可能性が高まる傾向にあるのです。
また、特別なキャンペーンや新製品の情報が伝わった際、ポジティブな反応を示しやすく、積極的に購入を行うことが期待されます。つまり、顧客一人当たりの単価が高いわけです。
3.口コミによる宣伝効果が高まる
そのブランドの商品やサービスに高い満足度を得ている顧客ロイヤルティの高い顧客は、その良さを家族や友人、同僚などの周囲の人々に積極的に伝える傾向にあります。
このような実際にその商品やサービスを利用している顧客からの生の口コミは高い信頼性と説得力をもつため、企業から発信される宣伝や広告よりも新規顧客の心に刺さりやすいのです。
広告費をかけずに集客ができる、もっとも効率的なマーケティング手法と言えます。
4.解約率を下げられる
顧客ロイヤルティが高くなるほど、その顧客がサービスや商品から離れる確率(解約率)が低下します。
特定のスポーツクラブのファンになると、そのクラブに負けが続いていたとしても応援したくなるのと同じで、ブランドのファンになっている顧客というのは一時的に不満を感じたとしても、安易にほかのブランドに乗り換えようとは考えないのです。
つまり、顧客ロイヤルティが高い顧客を増やすほど収益が安定していきます。
顧客ロイヤルティを高めるための4つの方法
では、具体的に顧客ロイヤルティを高める方法を解説しましょう。
1.定量的に顧客の声を把握する
顧客ロイヤルティを向上させるには、まず顧客の声を定量的に把握することが欠かせません。
アンケートやフィードバックフォームを活用して顧客からの意見や要望を収集し、それをデータとして分析することで、はじめて顧客の実際のニーズや問題点を明確に理解できます。
また、NPS®(ネットプロモータースコア)のような指標を用いて、顧客の満足度やロイヤルティの度合いを数値化するのも有効です。
そうして、特定した改善点をもとに施策を実行することが顧客ロイヤルティの強化につながります。
2.ロイヤルティプログラムを実行する
ロイヤルティプログラムとはポイント制度や会員特典、リピーター向けのキャンペーンなど特定の顧客を優遇する施策のことです。
こうしたプログラムを上手に活用できると顧客の継続的な購入やサービス利用は促進され、関係が深まることで顧客はそのブランドに対して愛着や信頼を抱くようになり、その結果として顧客ロイヤルティが高まっていきます。
ポイントや割引など直接的に利益を配布するのも効果的ですし、工場見学やイベント招待などの特別な体験を提供することも有効な施策です。
3.カスタマーサポートの質を向上する
顧客の問題や懸念に迅速かつ適切に対応する質の高いカスタマーサポートは、顧客ロイヤルティの向上に欠かせない要素です。
顧客が問題や困難に直面した際、迅速に対応し解決することで、顧客の不安を取り除くと同時に、ブランドとしての信頼性を高めることに、ひいては顧客ロイヤルティを高めることにつながります。
具体的にはオペレーターを増員して24時間体制でサポート対応したり、チャットボットやFAQなどシステムを充実させたりすることで、カスタマーサポートの質を高めることができます。
4.SNSで友好的な関係を構築する
SNSを活用して顧客と直接的かつ密にコミュニケーションを図ることでも、顧客ロイヤルティを向上させる効果が期待できます。
SNSはあまり形式ばらない発信をするのに適している環境で、ブランドを裏で支えている社員や関係者の思いや価値観を伝えるのに有効な手段です。
また、フォロワーとの対話や、ユーザーからのフィードバックに迅速に対応することで、顧客との距離を縮め、信頼関係を深めることにもつながります。
さらに、顧客からのポジティブな声やストーリーをシェアすることで、ほかの顧客との共感を生み出し、コミュニティを形成する助けにもなるでしょう。
顧客ロイヤルティを高めるための3つの注意点
一方、顧客ロイヤルティを高めようとする際に気をつけたい、注意点もあります。
1.継続的に評価を続ける
顧客ロイヤルティを高めるための取り組みは、一度実行すれば完了というものではありません。
市場環境の変化、顧客のニーズの移り変わり、競合の動向など多くの外部要因が顧客ロイヤルティに影響します。
そのため、定期的に取り組みの効果を評価し、必要に応じて改善し続けることが重要です。
2.顧客情報をフェーズに分けて管理する
顧客一人ひとり、ブランドとの関わりにおけるフェーズは異なります。
初めての購入者、継続的に購入している顧客、休眠顧客など異なるフェーズの顧客に対して、同じアプローチをするのは効果的ではありません。
顧客情報をフェーズごとに分けて管理し、適切な対応を選択することで、顧客との関係値を深めることができます。
3.LTVや購入単価だけで判断しない
LTVや購入単価だけで顧客の価値を判断するのは危険です。
顧客の価値は単なる購入額だけでなく、ブランドとの付き合いの長さ、口コミの拡散力など多角的な要素で構成されています。
例えば、購入単価が低い顧客でもSNSでの口コミ活動が活発で、多くの新規顧客を紹介することも考えられます。
顧客ロイヤルティでよくある3つの質問
最後に、顧客ロイヤルティに関する質問に回答します。
質問①顧客ロイヤルティの高い顧客とは?
顧客ロイヤルティの高い顧客とは、特定のブランドに強い愛着や信頼を抱き、継続的にそのブランドの商品・サービスを選びつづける顧客のことを指します。
また、そうした顧客は愛用するブランドの商品・サービスを周囲に勧める傾向にあり、マーケティングを進めるうえでも力強い味方です。
質問②顧客ロイヤルティと顧客満足の違いは?
顧客満足は顧客が特定の商品やサービスを利用した際の体験、感じた価値に基づく満足感という感情を指します。
一方、顧客ロイヤルティは顧客満足を超えて、顧客が一貫して特定のブランドを選びつづけようとする状態です。つまり、顧客満足は顧客ロイヤルティを高めるひとつの要素と言えます。
質問③NPS®ツールとは?
NPS®ツールとはNPS®を計測・分析する専用ソフトウェアやサービスです。
NPS®ツールには、回答に基づく詳細な分析やフィードバックを直接収集する質問機能、時間経過に伴うスコアの変動のトラッキングなど多機能なものもあり、顧客ロイヤルティを高める施策を迅速に計画、実行する際に役立ちます。
【まとめ】
本記事では顧客ロイヤルティとは何か、顧客ロイヤルティを計測する指標や高める方法、施策を実施する際の注意点などをまとめてきました。
ご紹介した方法を参考に顧客ロイヤルティを高める施策を検討してみてください。
ちなみに、顧客ロイヤルティを高める方法として、即効性が期待できる施策がロイヤルティプログラムの例としてご紹介しました「ポイント制度」の活用です。ただ、ポイント制度の構築にはコストも、手間もかかります。
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