ディズニーのポイント施策をご紹介!ロイヤルカスタマー育成のヒントにしよう
東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドは、コロナ禍前の2019年3月期の業績を抜いて、2024年3月期に過去最高の連結営業利益を達成する見込みです。オリエンタルランドの高収益性の背景には、ポイント施策などを通じて、ロイヤルカスタマーを大切にする姿勢があります。
本記事では、オリエンタルランドがどのようなポイントサービスを実施しているのかをご紹介します。他業界・他業種でも、顧客をロイヤルカスタマーとして育成する際の参考にしてください。
<この記事のポイント>
ポイント1 オリエンタルランドの営業利益は、2019年3月期を超えて過去最高に!
- ポイント2 ロイヤルカスタマー育成のための施策として、ポイントサービスを実施
- ポイント3 オリエンタルランドのポイント施策は、他業界・他業種でも参考になる
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オリエンタルランドは、コロナ禍前の水準を超えて過去最高の営業利益を達成する見通し
東京ディズニーランドや東京ディズニーシーなどから構成される「東京ディズニーリゾート」を運営するオリエンタルランドは、2024年3月期の連結営業利益が1,467億円(前期比32%増)に達する見通しです。新型コロナウイルス感染症が流行する前の2019年3月期の1,292億円を上回る数字で、過去最高の営業利益となります。
オリエンタルランドの増収の背景には、何があるのでしょうか。まず、「ディズニー・プレミアアクセス」という名称の時間指定予約サービス(有料)の販売が挙げられます。これは、短い待ち時間でアトラクションへの入場が可能になったり、指定エリアからパレードを鑑賞できたりするサービスであり、「通常の入場チケットに上乗せして、さらに対価を支払っても良い」という熱心なファンに便宜を図る施策です。
安易に値引きをして集客するのではなく、「クオリティの高い『体験』を提供する代わりに客単価を向上させる」という経営戦略が垣間見えます。
また、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類相当になり、訪日外国人観光客の来場が好調なことも、営業利益が増大している要因のひとつです。来場者数に占めるインバウンド客の比率は13%であり、コロナ禍前の水準(10%)を上回っています。
そのほか、ポイントサービスを実施してロイヤルカスタマー育成に取り組んでいることも、オリエンタルランドの強さの理由といえるでしょう。
ロイヤルカスタマー育成のために、ポイントサービスも実施している
オリエンタルランドでは、ロイヤルカスタマーを育成するために、「ディズニー・プレミアアクセス」の販売のほかに「ポイントサービス」も実施しています。
ポイントは「ディズニーポイント」と「ディズニーストアポイント」の2種類に分かれており、獲得方法や利用方法に違いがあることにご留意ください。以下、両ポイントについて詳しく説明します。
ディズニーポイント
ディスニーポイントは、「ディズニー★JCBカード」(クレジットカード)を利用した際に進呈されるポイントです。券種が「一般カード」の場合は200円につき1ポイントが、「ゴールドカード」の場合は100円につき1ポイントが付与されます(ディズニー関連商品の購入だけではなく、日常的なショッピングで利用した場合も付与)。
貯まったディズニーポイントは、東京ディズニーリゾートや、全国各地のディズニーストア(実店舗)、オンラインショップ「ディズニーストア.jp」において1ポイント=1円の価値で利用できることに加え、オリジナルグッズ(キーホルダー、時計など)に交換することも可能です。
ディズニー★JCBカードの券面には「ミッキーマウス」「ミニーマウス」「ドナルドダック」といったディズニーのキャラクターが描かれているほか、ポイントの使いみちがディズニー関連のサービス・グッズに限定されており、「熱心なファンを囲い込もう」「ロイヤルカスタマーを育成しよう」という戦略が見て取れます。
ディズニーストアクラブポイント
ディズニーストアクラブポイントは、ディズニーストア(実店舗)やディズニーストア.jp(オンラインショップ)で商品を購入した際に進呈されるポイントです(100円(税抜)につき1ポイント付与)。
「年会費を支払う熱心なファン」をターゲットにした施策で、ポイントを獲得するためには「ディズニーストアクラブアプリ」をダウンロード・インストールしたうえで、年会費500円(税込)を支払って「ディズニーストアクラブ」のオフィシャルメンバーになる必要があります。
ただし、ディズニーポイントと異なり、クレジットカードの発行・保有は条件とされていません。無料アプリをインストールし年会費を支払ってオフィシャルメンバーになることで、誰でもディズニーストアクラブポイントを獲得することが可能です。
獲得したディズニーストアクラブポイントは、ディズニーストアやディズニーストア.jpにおいて1ポイント=1円の価値で利用できたり、非売品のグッズ(バッグ、タオル、クリアファイル、シールなど)と交換できたりします。
ポイントの使いみちが「ディズニー関連グッズのみ」とされている点は、ディズニーポイントと同じであり、ロイヤルカスタマーの育成を意図した施策といえるでしょう。
オリエンタルランドのポイント施策は、他業界・他業種でも参考になる
エンターテインメント業界の雄であるオリエンタルランドのポイントサービスをご紹介しましたが、他業界・他業種でも参考になる施策です。少子高齢化により人口が減少している昨今、新規顧客の獲得が困難になっています。このような時代において収益増を実現するためには、既存顧客を大切にし、リピーターになってもらうことが不可欠です。
「熱心なファンを囲い込みたい」「顧客をロイヤルカスタマーとして育成したい」とお考えであれば、「ポイントの使い道を自社のオリジナルグッズに限定する」「年会費を支払ったうえで自社の商品を購入している熱心なファンにポイントを進呈する」といった施策も選択肢として検討してはいかがでしょうか。
上述したように、オリエンタルランドの場合、ポイントサービスのほかに、「ディズニー・プレミアアクセス」というサービスの提供や、インバウンド需要も収益増に寄与しています。ポイントサービス以外の施策も組み合わせながら、自社に適したマーケティングを展開しましょう。
まとめ
子どもはもちろん、大人でも楽しめるテーマパーク「東京ディズニーリゾート」。運営者の株式会社オリエンタルランドは、2024年3月期に、コロナ禍以前の業績を上回る過去最高の営業利益を達成する見通しです。
オリエンタルランドの収益力の背景としては、ポイントサービスをはじめとする各種施策によって、ロイヤルカスタマーの育成に取り組んでいることが挙げられます。新規顧客の獲得が困難になる昨今、熱心なファンをターゲットにした施策は、他業界・他業種でも参考になるでしょう。
ただしポイントサービスを実施する場合、業種や業界によってはユーザーメリットを考慮し、自社の独自ポイントを付与することに加えて「共通ポイントなどと交換する仕組み」を提供することもご検討ください。
例えば、ジー・プランのポイント交換ソリューションである「ポイントコンセント」や「PCT LITE」を導入すれば、顧客が独自ポイントを共通ポイントなどに交換することが可能になり、自社の独自ポイントの魅力が高まるでしょう。
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