ポイント施策を実施するうえで重要な要素!「非金銭的インセンティブ」とは?
ロイヤルカスタマーに刺さるポイント施策を実施するためには、金銭的インセンティブだけではなく、非金銭的インセンティブを考慮することも欠かせません。
本記事では、ポイントサービスの運営を担当している方に向けて、金銭的インセンティブと非金銭的インセンティブの違いを解説したうえで、ロイヤルカスタマーを育成するために非金銭的インセンティブの提供が不可欠であることをご説明します。
この記事のポイント
ポイント1 ポイントサービスでは、「非金銭的インセンティブ」の提供が不可欠
- ポイント2 金銭的インセンティブの提供だけなら、値引きをするのと同じになる
- ポイント3 自社のビジネスに適した非金銭的インセンティブを顧客に提供しよう
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ポイントサービスにおける「金銭的インセンティブ」と「非金銭的インセンティブ」の違い
まず、ポイントサービスにおける「金銭的インセンティブ」および「非金銭的インセンティブ」について解説します。ポイント施策担当者は、両者の違いを正確に把握しておきましょう。
金銭的インセンティブとは?
金銭的インセンティブとは、金銭的な価値を有するインセンティブのことです。具体例を以下に示します。
- 会員に対して、商品・サービスの購入金額に応じてポイントを付与する
- 条件を満たした会員にクーポンを提供したり、プレゼントを進呈したりする
ポイントを付与するためには「ポイント還元率をどのくらいにするか」を決めなければなりませんが、「特定の商品を購入した場合に、通常よりも還元率がアップする仕組み」を導入すれば、対象商品の売上を押し上げる効果を期待できます。
また、ポイントに有効期限を設定すれば、「有効期限が到来する前に、商品を購入しよう」と考える顧客が増えるでしょう。通常のポイントには有効期限を設定せず、別途、期間限定ポイントを付与するという施策も有効です。そうすれば、「いつまでもポイントがなくならない」という安心感を与えつつ、期間限定ポイントの付与によって、一定期間内に消費を促す効果も得ることができるからです。
なお、会員向けに、ポイントの付与に加えて、特定の条件(「毎月の購入金額が一定金額を超える」など)を満たした場合に割引クーポンを提供したり、実用性のあるプレゼント(ギフトカード、図書カードといった金券類、家電製品、食品など)を進呈したりすることも、金銭的インセンティブの一種と言えるでしょう。
非金銭的インセンティブとは?
非金銭的インセンティブとは、金銭とは異なる価値を有するインセンティブのことです。具体例を以下に示します。
- 「ランク制」や「ステージ制」を実施する
- 特定の条件を満たした会員に「特別なプレゼント」を進呈する
特定の条件(毎月の購入金額が一定以上など)を満たすことで「ステージ」や「ランク」が上昇する仕組みを導入すれば、大量に自社の商品・サービスを購入してくれる顧客に対して「特別感」を与えることになり、より多くの消費をしてもらう後押しになるでしょう。
単にランク/ステージという非金銭的ステータスが上昇するだけではなく、「特定のランク/ステージに到達すると、還元率が上昇する」といった金銭的インセンティブと組み合わせることもできます。同種の商品が多数ある場合、他店での購入を控え、自社店舗での購入を促す囲い込み効果が見込めるでしょう。
また、特定の条件(「一定期間内に何万円以上購入」など)を満たした会員に対して「限定グッズ(ポイントサービスのキャラクターのグッズなど、実用性のないもの)」などを進呈することも、非金銭的インセンティブと言えます。金銭的な価値を有する景品(スポーツや演劇、映画のチケットなど)を提供することも可能なので、自社のビジネス戦略に合わせて内容を検討しましょう。
これらの施策は、「特別感」や「ステータス性」を与えるものであり、ロイヤルカスタマーの育成に有効です。
ポイント施策の内容を決める際には、金銭的インセンティブと非金銭的インセンティブの両面を検討しよう
ポイントサービスを実施する際には、ポイントなどの「金銭的インセンティブ」と、ランク/ステージなどの「非金銭的インセンティブ」の両面を検討することが求められます。
金銭的インセンティブを大きくすれば短期的に顧客を増やす効果がありますが、根本的には「商品価格の値引き」と同じであり、他店舗との値引合戦に巻き込まれるリスクがあるのでご注意ください。
旅行や美容、エンターテインメントなど、業種・業態によっては、商品・サービスの価格を割安にするよりも、「特別感」「ステータス性」を感じられる仕組みを提供する方が、顧客に訴求できる場合もあります。
また、「この企業の商品・サービスが好き」「この店舗だから、購入している」という熱心なファンを繋ぎとめ、ロイヤルカスタマーとして育成するためには、「他店舗より1円でもお得になる」という点に注力するよりも、多くの商品・サービスを購入することでランク・ステージが上昇し、特別な会員特典を受けられる仕組みを導入するほうが効果的なことが多いでしょう。
「金銭的インセンティブによって新規顧客を獲得しつつ、非金銭的インセンティブによってロイヤルカスタマーを育成する」という、両者を組み合わせたポイント施策を実施することも効果的です。自社のビジネス戦略に合わせて、内容をご検討ください。
具体例として、「楽天PointClub」の会員ランク制度をご紹介
金銭的インセンティブと非金銭的インセンティブを組みわせた施策の具体例として「楽天PointClub」の会員ランク制度をご紹介します。
楽天PointClubとは、「楽天ポイントを貯めるための仕組み」です。楽天会員は、自動的に楽天PointClub会員になり、ログインすることで保有ポイントや、ポイントごとの有効期限を確認することが可能です。
楽天PointClubでは、「ランク制度」が実施されており、利用状況(楽天ポイントの獲得数と獲得回数)に応じて「レギュラー」→「シルバー」→「ゴールド」→「プラチナ」→「ダイヤモンド」の順にランクが上昇していきます。
そして、会員ランクが「シルバー」以上になると、「ポイント還元率の上昇」「限定クーポンの配布」「優待セールの実施」といった特別な特典が提供されます。
これらの施策は、「還元率の上昇」などの金銭的インセンティブと、「ランク上昇による特別感の提供」という非金銭的インセンティブの両面を組み合わせたものとなっており、「楽天ポイントだけを集中的に貯めているわけではないけれども、ある程度は貯まっている」というユーザーと、「楽天ポイントを重点的に貯めている」というユーザーの両方に訴求できる内容と言えるでしょう。自社でポイントサービスを実施する際の参考にしてはいかがでしょうか。
【まとめ】
ポイントサービスを実施する際には、金銭的インセンティブと非金銭的インセンティブの両面について検討する必要があります。金銭的インセンティブだけでは、本質的に「値引き」と同じです。ロイヤルカスタマーを育成したいのであれば、「会員ランク制度」などの非金銭的インセンティブを提供することが欠かせません。
ちなみに、「顧客の囲い込み」という点では自社の独自ポイントを提供することが有効ですが、熱心な顧客であっても時間の経過とともに流出してしまうケースがあります。非金銭的インセンティブはその抑止力となるものの、事業を安定して続けていくなら、やはり継続的な新規顧客の獲得が不可欠です。そのためには、自社の独自ポイントだけではなく、「共通ポイント」など他社ポイントとの連動を検討してはいかがでしょうか。広く普及している共通ポイントのユーザーを取り込むことも可能になるでしょう。
また、約150社のポイントと提携した「ポイント・コンセント」なら、独自ポイントを、複数の共通ポイントや大手ポイントへ直接交換することが可能です。こうしたソリューションを活用することで、独自ポイントの優位性を確保しつつ、新規顧客を獲得しやすくなるでしょう。
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