CS(顧客満足度)向上の目標となる8つの指標|目標達成までの手順や影響するKPIをわかりやすく解説
市場が成熟し競争が激化する現在、店舗や企業が売上を確保するために、CS(Customer Satisfaction/顧客満足度)の向上は極めて重要なテーマです。
ただ、その重要性を認識していても、具体的なCS向上目標の設定や施策立案にまでは至っていないというケースも多いのではないでしょうか。
具体的にどう進めればよいのかわからない、もしくは、実行してみたものの思ったほどの効果が上がらなかった、といった声もよく耳にします。
顧客満足度には、顧客の感情に左右される曖昧な面があるため、漠然とした状態で対策をすると結果が出ないことも多いのが実情です。
CS向上施策を実効性の高いマーケティング戦略に結びつけるためには、まず正確な現状分析と的確な目標設定が必須なのです。
本記事では、自社に合ったCS向上目標を設定、達成するためにまず何をするべきか、どういったKPIを設定すればよいかなど、手順を追って具体的に解説します。
<この記事のポイント>
✓ポイント1 CS向上のためには「顧客満足度」の定義を明確にした上で、目的に応じた指標選択が必要
✓ポイント2 CS向上の目標達成に向けて、適切なKPIを設定しよう
✓ポイント3 フレームワークを活用することで、より明確で実践的な目標設定が可能に
目次[非表示]
- 1.CS(顧客満足度)向上の目標を達成するための手順は4ステップ
- 1.1.ステップ1.顧客満足度の定義を社内で統一する
- 1.2.ステップ2.現在の課題を把握する
- 1.3.ステップ3.具体的な指標や数値目標を設定する
- 1.4.ステップ4.評価と改善を繰り返す
- 2.CS(顧客満足度)向上の目標となる8つの指標
- 2.1.1.LTV(Life Time Value)
- 2.2.2.CSI(Customer Satisfaction Index)
- 2.3.3.JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)
- 2.4.4.C-SAT(Customer Satisfaction)
- 2.5.5.CES(Customer Effort Score)
- 2.6.6.NPS®(Net Promoter Score)
- 2.7.7.CRR(Customer Retention Rate)
- 3.CS(顧客満足度)向上の指標に影響する6つのKPI
- 3.1.1.新規顧客数
- 3.2.2.顧客紹介数
- 3.3.3.クレーム発生率
- 3.4.4.リピート率
- 3.5.リピート率の向上に効果的なポイントマーケティング
- 3.6.5.返品・解約率
- 3.7.6.コンバージョン率(CVR)
- 4.CS(顧客満足度)向上の目標設定に使える4つのフレームワーク
- 4.1.1.強みや弱みを把握する「SWOT分析」
- 4.2.2.目標をより具体化する「SMARTの原則」
- 4.3.3.市場との関係性を把握する「3C分析」
- 4.4.4.タスクの優先順位を明確にする「OKR」
- 5. CS(顧客満足度)向上の目標でよくある3つの質問
- 5.1.質問1.CS(顧客満足度)向上に取り組むメリットとは?
- 5.2.質問2.CS(顧客満足度)を測定する方法はありますか?
- 5.3.質問3.企業にとってCS(顧客満足度)向上が重要とされる理由は?
- 6.【まとめ】
- 7.おすすめの資料はこちら
CS(顧客満足度)向上の目標を達成するための手順は4ステップ
CS向上の施策を講じたとしても、いきなり目標課題に到達するわけではありません。適切な手順を踏みつつ、個別の小さな課題をひとつひとつ解決していく必要があるのです。
まずは目標達成に向けた手順を、4ステップに分けてご紹介します。
ステップ1.顧客満足度の定義を社内で統一する
CS向上の目標設定のためには、まず自社が目指す顧客満足度向上の定義を明確にし、社内で意見統一しておく必要があります。
これは、組織で足並みを揃えて顧客満足向上に取り組むために重要であるだけでなく、満足度調査を行う際にも必須の条件です。
後述しますが、各調査指標はそれぞれ測定対象が異なるため、目的に合わない指標をもとにCS向上の施策を講じても、狙った通りの効果を上げることはできません。
自社の課題解決につながる適切な指標を選択するうえでも、顧客満足度をどう捉えるかについての定義付けと、その共有は非常に重要です。
ステップ2.現在の課題を把握する
次に、現在の自社と顧客の状況を知り、課題を把握するよう努めましょう。
アンケートやインタビューなどを通して、顧客が抱える不満やニーズを掴むことができれば、そこから顧客の期待値や潜在的なニーズを測ることもできるでしょう。
ただし、「衛生要因」と「動機付け要因」は区別して考えるようにしてください。
「衛生要因」は不満に関わる要因で、当たり前と考えられることが満たされない場合に悪化しますが、満たされてもただちに満足度が上がるわけではありません。例えば「何度電話しても担当者が出ない」「発注した業務が納期に間に合わない」などが当てはまります。
「動機付け要因」は満足感に関わる要因で、期待していた以上のサポートや成果が得られたときに向上しますが、満たされなくてもただちに不満につながるわけではありません。例えば「サポート担当者が想像以上に親身になってくれた」「通常以上のサービスを受けられた」などが当てはまります。
この2つは密接に関係しており、衛生要因が満たされていない状態では、いかに動機付け要因を強化しても、大きな効果は得られません。その逆も同じです。
課題整理のためには、自社の製品やサービスにおける「衛生要因」「動機付け要因」が何に当たるのかを分析し、正確に把握しておく必要があります。
ステップ3.具体的な指標や数値目標を設定する
自社の課題が把握できたら、調査目的を検討し、目指すべき数値目標を設定します。
前述の通り、各調査指標はそれぞれ計測対象が異なります。
課題解決を実現するために何を調査すべきかを検討し、自社の「顧客満足」の定義に照らして絞り込みましょう。調査目的が定まれば、どの指標を用いればよいのかも見えてきます。
使用する指標が決まったら、その指標の基準値を参考に、調査の数値目標を設定してください。
顧客満足度は、顧客のそのときの感情に影響を受ける、比較的曖昧なものです。具体的な数値目標を設定することで、次のアクションに結びつきやすくなるでしょう。
ステップ4.評価と改善を繰り返す
調査結果をもとに顧客満足度向上の施策をまとめたら、速やかに実行しましょう。
計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)のPDCAサイクルに基づいて、業務改善に取り組んでください。
何度もPDCAサイクルを回すなかで各人の達成度合いが明確になれば、仕事のモチベーションにつながります。
CS向上の目標達成に向けて、顧客サービスの質も向上するでしょう。
CS(顧客満足度)向上の目標となる8つの指標
次に、顧客満足度に関連する主な指標を6つご紹介します。
ただし、顧客満足度と一口に言っても、それぞれ測定できる内容は異なるため、自社の課題解決に適したものを選ぶようにしてください。
1.LTV(Life Time Value)
顧客が商品・サービスの利用を開始してから終了するまでの間に得られる売上を表したもの。LTVが高いほど顧客ロイヤルティが高まる傾向があるため、ロイヤルカスタマーの実数を測る指標としても活用できます。ただし、長期にわたる消費活動をベースにした数値なので、短期的な目標設定には不向きな点に注意しましょう。
2.CSI(Customer Satisfaction Index)
世界約30ヵ国で利用されている顧客満足度を測定するための指標。自社製品に関連する「顧客期待値」「知覚品質」「知覚値」「顧客不満度」「顧客忠実度」の5項目から構成されています。
データ数が多いほど信頼性の高い結果を得られるため、大企業や政府等の調査によく用いられます。
3.JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)
CSIを日本国内向けにカスタマイズしたもの。CSIの5項目に「推奨意向(商品を他人に勧めたいか)」を加えた6項目となっています。利用前から利用後までの全体を調査分析することで、最初の期待値や利用後の評価、価格への納得感など、顧客の心理的背景を算出することが可能。業界や業種を問わず利用できる点も特長です。
4.C-SAT(Customer Satisfaction)
顧客満足度を見る際にもっともよく利用される指標のひとつ。「非常に満足」「満足」「普通」「不満」「非常に不満」などを、星や数字によって視覚的に評価してもらいます。自由記述欄を設け、自社の商品・サービスや課題に沿った形で実施することも可能です。
5.CES(Customer Effort Score)
日本語では「顧客努力指数」。「欲しい商品を探し当てるのが大変だった」「商品の使い方がよくわからない」など、顧客がその商品やサービスを利用する際、どの程度の「努力(負担)」が必要であったかが分かります。CESが高ければ顧客の不満が多く、低ければ少ない、つまりロイヤルティが高いと判断できます。
6.NPS®(Net Promoter Score)
顧客ロイヤルティを示す指標。「商品やサービスを人に勧める可能性はどのくらいあるか」などを、11段階で評価してもらう形式です。満足度は各人の解釈の相違が生じやすい面もありますが、NPS®では意味や対象が具体化されているため、回答のブレが少ない点が特徴です。
7.CRR(Customer Retention Rate)
「顧客維持率」を表す指標で、既存の顧客が一定期間にどの程度取引を続けているかがわかるため、スコアが高ければ顧客満足度も高いと考えてよいでしょう。スコアが下がる大きな原因は、商品やサービス自体の品質よりも、問い合わせ時の対応が悪かったなど心理的な要素が大きいとされています。よい顧客体験を提供できるよう、改善や見直しのきっかけとして活用しましょう。
CS(顧客満足度)向上の指標に影響する6つのKPI
KPIとは、「Key Performance Indicator」の略で、日本語で言うと「重要業績評価指標」です。
最終目的を達成するためには、そのために必要な要素を分解した上で、何をどうやって進めていくのか具体的なプロセスを描く必要があります。
そしてKPIは、目標達成に向けてクリアすべきプロセスが、適切に実施されているかどうかを評価するものです。簡単に言えば、「中間指標」です。
目標達成のためには、適切なKPIを設定することが重要です。
では、顧客満足度向上を目標とした場合、達成のために設定するべきKPIにはどのようなものがあるのでしょうか。顧客満足度に大きく影響する6項目を紹介します。
1.新規顧客数
数量的に把握が容易な顧客数は、まず見ておきたい部分です。
顧客数が多ければ多いほど、消費者が自社の商品・サービスを利用しているということであり、売上に直結するため、特に重視するべきKPIと言えるでしょう。
顧客数はリピーターと新規顧客に大別し、それぞれ増加のための施策を検討してください。
実行後は、どの程度の効果があったのか、どの施策がもっとも効果が上がったのかなどをチェックし、分析することで、次の施策に活かすことができます。
2.顧客紹介数
顧客紹介数は、既存顧客からの紹介によって商品の購入、サービスの利用に至った顧客の数を指します。
アンケートでは「この商品を知ったきっかけ」などの項目で抽出することができます。
知り合いに商品・サービスを勧めるということは、紹介者はその商品・サービスに深い愛着があることを示しているため、満足度と深い関わりのある指標です。
指標のなかでは、特にNPIのスコアとの関係が深い要素と言えるでしょう。
3.クレーム発生率
クレーム発生率には、顧客が商品・サービスに対して持っている期待値も影響しています。
例えば、期待していたのに商品が提供されなかった、などのケースでは、本来の満足度の高さがクレームとなって表出することになります。
そのため、この数値が高いからといって必ずしも顧客満足度が低いとは言い切れない部分もありますが、状況によっては商品・サービスの内容だけでなく、提供の仕組みや構造についても見直す必要があるかもしれません。
4.リピート率
自社の商品やサービスを繰り返し利用してくれる顧客は、その時点である程度、顧客満足度が高いと考えられます。継続回数が多ければ多いほど愛着が強く、顧客ロイヤルティが高い状態であるとみなしてよいでしょう。
つまり、リピート率を上げることは顧客満足度の向上につながるため、大切にしたいKPIです。
また、総数だけでなく商品・サービスごとのリピート率を調べ、その背景を調査分析することで、次の施策に活かすことができます。
リピート率の向上に効果的なポイントマーケティング
リピート率向上施策として有効なもののひとつに、ポイントマーケティングの導入があります。
商品購入やサービス利用実績に応じてポイントを付与するシステムは、顧客のメリット感を増大させるだけでなく、再来店・再訪問を促す効果が高く、リピーター獲得につながりやすくなります。
ただし、ポイントシステムの構築には、人的にも金銭的にも大きなコストが発生します。特に顧客満足度の高いポイント交換を独自に導入すると、さらにコストが増大することになるため、ポイント交換ソリューションを上手に利用するとよいでしょう。
たとえばジー・プランが提供するポイント交換ソリューション「Gポイント交換」では、Gポイントを経由することで、独自ポイントを100種類以上のポイント銘柄に交換することができます。また、約150社と提携した「ポイント・コンセント」なら、独自ポイントを複数の共通ポイントや大手ポイントなどに、ユーザー自身で直接交換可能です。
こうしたソリューションを活用すれば、コストを抑えつつ顧客の利便性を上げ、効果的にリピート率向上につなげることができるでしょう。
5.返品・解約率
顧客満足度の低下をわかりやすく表している指標が、返品・解約率です。
商品・サービスが期待を下回っていたり、不満があったりすることが、返品・解約につながっているためです。
この数値を低く抑えることは、顧客満足度の向上を目指すうえで、非常に重要な課題となるでしょう。
どういう理由で返品・解約に至ったのか、顧客とのコミュニケーションを通してなるべく正確に把握するよう努め、対応できる場合は早急に対策を講じたいところです。
6.コンバージョン率(CVR)
接点のある顧客のなかで成約(商品・サービスの利用)に至った顧客の割合を指し、特にWEB上でよく使われる指標です。
コンバージョン率はWEBサイトやSNS、電話、メールといったチャネルごとに異なるため、それぞれを計測することで、特にコンバージョン率の高いサイトに広告出稿するなど、顧客との接点をさらに増やす戦略が可能になるでしょう。
さらに、顧客がサービスを知ったきっかけや、購入に至った過程などを把握することで、顧客満足向上につながる施策を講じることができます。
CS(顧客満足度)向上の目標設定に使える4つのフレームワーク
ビジネスにおける課題解決や意思決定の際、論理的かつ合理的に最適解を見つけるための思考の枠組みをフレームワークと呼びます。目的に応じて使い分けることが可能な考え方のパターン、と言い換えることもできるでしょう。
今回は、顧客満足度向上という目標設定において活用できるフレームワークを、4つご紹介します。
1.強みや弱みを把握する「SWOT分析」
SWOT分析とは、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の頭文字を取ったもので、経営戦略や事業計画の現状分析を行う際によく使用されています。
市場規模や競合他社の動向、社会経済などの自社を取り巻く外部環境と、自社のブランド力や技術力、予算、品質といった内部環境を、さらにプラス要因とマイナス要因に分類して分析します。
自社の強みや弱みを洗い出し、必要な要素を集約・分析することで、効果的な戦略立案が可能となるでしょう。
2.目標をより具体化する「SMARTの原則」
SMARTの原則は、次の5つの項目から構成された、適切な目標設定のためのフレームワークです。
- Specific(具体的に)
- Measurable(測定可能な)
- Achievable(達成可能な)
- Related(経営目標に関連した)
- Time-bound(時間の制約がある)
曖昧な目標を掲げても成果は望めないないばかりか、パフォーマンスの低下にもつながります。
これら5つの要素をベースに分析、検討することで、具体的かつ現実的な目標設定が可能となり、また目標達成への道筋も明確になるでしょう。
3.市場との関係性を把握する「3C分析」
3C分析は、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の頭文字を取ったもので、マーケティング環境を分析し自社の現状を把握するためのフレームワークです。
シンプルでわかりやすいため、実務上でも活用しやすいフレームワークと言えるでしょう。
ただし、顧客分析や競合分析を正確かつ的確に行うためには、一定の情報収集スキルが必要です。
4.タスクの優先順位を明確にする「OKR」
OKRは「Objectives and Key Results」の略語で、「目標と主要な成果」という意味です。Googleなどの世界的企業が採用していることでも注目される、目標管理のフレームワークです。
まず組織全体としての目標を決め、その達成のためにクリアするべき成果指標を設定します。
そこから階層的に各事業、チーム、個人の目標へと落とし込み、さらにそれぞれに必要な成果指標と紐付けていくことで、組織と個人を同一線上にリンクさせつつ個別の目標設定を行うことができます。
全体のなかで自分が達成するべき目標とタスクの優先順位が明確になるため、業務の効率化やモチベーション向上にもつながるでしょう。
CS(顧客満足度)向上の目標でよくある3つの質問
企業でCS向上の目標を設定する際、よくある質問をまとめてみました。
質問1.CS(顧客満足度)向上に取り組むメリットとは?
細かいメリットは多々ありますが、大きく分けると以下の3点に集約されるでしょう。
・リピーターの増加
誰でも気に入った商品やサービスは繰り返し利用したくなるものです。CS向上の結果リピーターが増加すれば、LTV(Life Time Value/一人の顧客が生涯の間に企業にもたらす利益)も増加するため、企業にとっては中長期的な利益の安定につながります。
・新規顧客の増加
SNSの普及によって、口コミの効果は爆発的に増大しました。CS向上の結果、よい口コミが増えれば、新規顧客の増加につながります。これは大々的なメディア広告よりもはるかに費用対効果が高いため、結果として広報活動における経費削減も実現します。
・企業の認知度、イメージ向上
固定客の多さは安定したサービス品質の証明でもあるため、世間から好意的に受け止められます。ブランドイメージが向上すれば新規顧客の獲得が容易になるだけでなく、販売戦略や採用活動においても有利です。また、社員のモチベーションが向上することで、離職率も低下する傾向が見られます。
質問2.CS(顧客満足度)を測定する方法はありますか?
代表的なものは以下の通りです。
・アンケート調査
もっとも一般的かつ重要なものが、アンケート調査です。
WEBや紙の質問票に回答してもらう、街頭もしくは会場に対象者を集めて回答してもらうなどの方法が多いでしょう。
また、対象商品を送付し利用してもらうモニターテストや、個人・グループでのインタビューを行う方法もあります。
顧客の声を直接聞くことができるアンケートやインタビュー調査は、CS向上施策を立案するうえでの出発点とも言えるでしょう。
・インターネット上の検索結果分析
検索ワードを分析すると、市場トレンドが見えてきます。
CS向上のためには、顧客が何に興味を持って検索しているのかを知ることが重要です。
さらに、どのサイトからの流入が多いかを把握し、購入・利用の後押しとなった要素を分析することも、顧客満足度を調査する際には有効でしょう。
質問3.企業にとってCS(顧客満足度)向上が重要とされる理由は?
CS向上が強く叫ばれるようになった背景として、次のようなものが考えられます。
・企業間競争の激化
現在は企業数自体が増加しているうえ、異業種参入や多角化、グローバル化が進んでいます。顧客の選択肢が増え、企業間競争がより激化するなかで、自社の商品・サービスを利用してもらうためには、顧客満足度の向上が不可欠となっています。
・SNSによる好評・悪評の拡散
SNSが普及し、誰もが気軽に情報収集・発信できる時代です。SNSで好意的な評価が多くなれば宣伝広告効果は絶大ですが、悪評が増えれば、売上の低下はもとより企業イメージにも影響しかねません。SNSの拡散性は極めて高いため、好意的な口コミを増やす施策の重要性が増しています。
・ロイヤルカスタマーの重要性の向上
ブランドへの愛着・忠誠心の強いロイヤルカスタマーは、売上に貢献するだけでなくSNS等で自社の好意的な評価を広めてくれるため、その獲得・育成は現代の企業にとって重要課題です。獲得には顧客の期待値を超えるメリットを提供する必要があり、CS向上の取り組みは必須と言えるでしょう。
【まとめ】
CS向上施策は店舗、企業において非常に重要なものではありますが、各人の印象に基づく漠然とした取り組みで大きな成果を上げることはできません。
まずは自社と顧客を取り巻く現状を正しく理解し、課題を把握することから始めましょう。
その上で、実現可能な目標設定を行うことが大切です。
そのためには、適切な指標選びが欠かせません。課題に合った指標を用いて情報を収集、分析することで初めて、CS向上施策を実効性の高い販売戦略として位置づけることが可能になるのです。
さらに、CS向上という最終目標に向けた中間目標の設定も重要です。
フレームワークを有効に活用し、さまざまな要素を洗い出しながら、CS向上の具体的な戦略を立てていきましょう。
また、CS向上の目的のひとつがリピーター客の獲得ですが、競合商品が多数あふれる今、自社の商品・サービスの魅力だけで勝負すると不利な面も多々あるでしょう。
そこで、顧客の利用動機を高める施策として、ポイントマーケティングの導入も検討してはいかがでしょうか。
ポイントシステムには再来店・再来訪を促す効果があるため、結果としてリピーター獲得に結びつきやすくなります。
また、記事中でご紹介した通り、ジー・プランが提供する「ポイント・コンセント」「Gポイント交換」などのソリューションを活用すれば、自社ポイントから多種多様な他社ポイントへの交換が可能になります。
顧客の利便性が向上するため、CS向上につなげることもできるでしょう。
Net Promoter®およびNPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現NICE Systems,Inc)の登録商標です。
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