ポイント制度で人手不足を解決！従業員にポイントを付与する取り組みをご紹介

昨今ではさまざまな業界で人手不足が叫ばれており、いずれも深刻な状況です。人材の定着を図ろうとするものの、なかなかうまくいかずに頭を抱えている経営者の方も多いでしょう。そのような中で、ポイント制度を利用した人材定着の方法も行われています。うまく活用すれば、人手不足の解決に役立てられるかもしれません。本記事では、従業員にポイントを付与して人材の定着を図る取り組みを解説していきます。

＜この記事のポイント＞

• ポイント1　人手不足解消には採用力の強化と既存の人材定着のための施策の両方が必要

• ポイント2　従業員へポイントを付与することで求職者から選ばれやすくなる
• ポイント3　既存の従業員のモチベーションを高められて人材定着につながる

深刻化する人手不足の状況

昨今の人手不足は2010年代から続いており、社会問題化しています。主に少子高齢化や人材のミスマッチなどが原因で、自然に解消される見通しはほとんどないのが実情です。建設業や小売業、サービス業などにおいては、他の業種と比べても特に深刻な状況が続いています。

東京商工リサーチの2024年 企業の「人手不足」に関するアンケート調査によると、建設業では20.91％の企業で正社員が「非常に不足している」と回答しています。「やや不足している」と回答した企業は63.50％で、合計すると8割を超える水準です。小売業においては、非正社員に関して5.85％が「非常に不足している」、43.08％が「やや不足している」と回答しています。

※出典「2024年 企業の「人手不足」に関するアンケート調査」（東京商工リサーチ）

また、人材の採用だけでなく定着しづらいことも、人手不足の企業にとって大きな課題です。採用力を上げるのと併せて、人材の定着を図るための取り組みも求められます。そのような中で、いま、広がりつつあるのが、従業員にポイントを付与するという画期的な施策です。

実際に複数の企業でこういったサービスがスタートしています。次章以降で従業員にポイントを付与する具体的なサービスを紹介していきます。

パトアル

パトアルはガルフCSMが提供している小売業のパート・アルバイト向けの労務管理システムで、従業員にポイントを付与する機能が備わっています。パート従業員向けのポイントサービスの先駆けになるサービスなので、ここではパトアルの主な機能やポイント付与の仕組みについて詳細に見ていきましょう。

パトアルの主な機能

パトアルは、従業員を採用する際に必要な手続きから退職者の再雇用促進まで、人材管理を総合的にサポートするシステムです。例えば、雇用契約管理やシフト管理、勤怠管理、給与計算、人材評価、退職手続きなどの機能が備わっています。

このような機能で人事担当者の負担を減らしつつ、ポイント付与により他の従業員のモチベーションを高めることで人材の定着を図ります。

パトアルでポイント付与する仕組み

パトアルでは、人材管理を行う際に得られたデータと連動して、従業員に社内ポイントを付与する仕組みを採用しています。具体的には、勤怠データや社内用SNSにおける「いいね」の数などをもとにして、付与するポイント数が計算されて付与される形です。貯めた社内ポイントは、大手ポイントや共通ポイントなどに交換して利用できます。

小規模な店舗だと資金繰りの関係で従業員の時給を上げるのが難しいことも少なくありません。その点、ポイントを付与するのであれば、キャッシュフローへの影響が少なく、導入しやすいというメリットがあります。従業員の立場では時給アップとはならなくても、自分の働き方によってポイントが付与されることでモチベーション向上につなげられるでしょう。さらに口コミにより情報が広まれば採用活動にも有利に働くかもしれません。

ビルダーズポイント

ビルダーズポイントは建設キャリアアップシステム（CCUS）の登録者を対象にしているポイントサービスです。2024年からサービスが開始されました。

CCUSの登録者は専用のカードを保有しており、そのカードでビルダーズポイントのサービスを利用できます。建設技術者がビルダーズポイントのサービスを導入している現場で仕事をするとポイントが付与される仕組みです。講習会などに参加する際にもポイントが付与される場合があります。ポイントの原資は工事の元請会社が負担しており、具体的なポイント付与の対象やポイント数なども元請会社が設定する仕組みです。

建設会社では、個人事業主の建設技術者に仕事を依頼するケースがよくありますが、適当な人材が見つからないことも少なくありません。特に安い仕事やきつい内容の仕事の場合には、依頼先の確保に苦慮しています。

そのような状況の中で、ビルダーズポイントは、建設技術者にとってはモチベーションアップにつながり、元請会社にとっては建設技術者から選ばれやすくなるメリットがあります。

また、ビルダーズポイントはPayPayマネーライトに交換可能です。換金はできませんが、PayPayでの支払いに対応している店舗で使用できます。

働楽ポイント

働楽ポイントはガルフCSMが提供しているサービスです。主に小売業や外食チェーンなどを対象にしており、人材の定着を図る目的で開発され、2019年からサービスが開始されました。従業員の勤怠実績や仕事での成果などに応じて社内ポイントを付与できます。

ポイント付与の具体的なルールは、導入企業の方で自由に設定可能です。

例えば、毎日出勤するごとに少額のポイントを付与したり、月間の売上目標を達成した場合に比較的高額のポイントを付与したりできます。自動での付与も手動での付与にも対応可能です。

従業員を評価したくても給与には反映しづらい場合などに、ポイントを付与することで、モチベーションアップにつなげられます。

貯められる働楽ポイントは独自ポイントですが、システム内で大手ポイントや共通ポイントと交換して利用することが可能です。

従業員へポイントを付与する取り組みは、モチベーションアップに効果的で人材の定着を促します。まだそれほど広がっていない施策だけに、「働くとポイントが貯まる」という情報が口コミで広まることもあり、採用力強化にもつながるでしょう。企業としてもノーリスクではありませんが、ポイントであればキャッシュフローへの影響は小さく、時給アップが難しい場合でも導入しやすい傾向にあります。人手不足に悩む事業者の方は、従業員へポイントを付与する施策を検討してみましょう。

ただ、せっかく従業員向けポイントサービスを展開しても、その用途が限られていては効果的とはいえません。そこでおすすめなのが、自社ポイントと大手・共通ポイントの交換を低コストで実現する「ポイント・コンセント」です。ポイント・コンセントは、150以上の銘柄と提携しており、地方企業のポイントも発行や交換が可能。各ポイントサービスとの契約手続きやシステム連携などは必要ないため導入もスムーズです。従業員を対象にしたポイントサービスを導入するなら、ぜひジー・プランのポイント・コンセントも併せてご検討ください。

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