【2024年最新】大手家電量販店のポイントサービス白書
本記事では、大手家電量販店のポイントサービスについて詳しく解説します。多くの業者で独自ポイントが導入されていますが、業者ごとに「還元率」や「使い道」などに違いがあることを把握しておきましょう。
独自ポイント以外に、各種決済サービス(スマートフォン決済、電子マネー)のポイントを使って商品の購入を行えることもご紹介します。各企業でポイントサービスの導入・運用を担当している方や、これから担当する予定の方は、ぜひ参考にしてください。
※記事内の情報はすべて2024年2月現在のものです
この記事のポイント
ポイント1 多くの家電量販店では独自のポイントサービスを実施している
ポイント2 ポイント還元率や使い道など、サービスの内容は業者ごとに異なる
ポイント3 独自ポイント以外に、各種決済サービスのポイントも利用できる
目次[非表示]
家電量販店の勢力図(売上高ランキング)
日本経済新聞が実施した「日本の専門店調査」(2022年4月までの1年間に迎えた決算期が対象)によると、売上高が1位~5位までの家電量販店運営会社は、以下のようになります。
- 1位:ヤマダホールディングス(ヤマダデンキなどを運営)
- 2位:ヨドバシカメラ
- 3位:ケーズホールディングス(ケーズデンキなどを運営)
- 4位:エディオン
- 5位:ビックカメラ
いずれも全国各地に多数の店舗を展開しているので、家電製品を購入するために訪れた経験がある方も多いでしょう。
なお、多くの家電量販店では「ポイントサービス」を実施していますが、業者によって仕組み(還元率、使い道など)が異なることにご留意ください。次の節で、上記5業者のポイントサービスの詳細をご紹介します。
大手家電量販店のポイントサービスをご紹介
下表に、前節でご紹介した大手家電量販店5業者のポイントサービスの内容をまとめました。
店舗名 |
ポイントサービスの内容 |
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多くの業者でポイントサービスが実施されていますが、ケーズデンキのようにポイントサービスを導入していない家電量販店も存在することを認識しておきましょう。
家電量販店各社のポイント施策の現状分析
前節の表を眺めると、ケーズデンキのように導入していない家電量販店も存在しますが、多くの業者でポイントサービスが採用されていることがわかります。
昨今、家電量販店だけではなく、さまざまな業種でポイントサービスの導入が進んでいますが、今後もケーズデンキがポイントサービスを導入しないポリシーを貫くのかどうかに注目したいところです。
ポイントサービスを導入している業者に関しては、いずれも「1ポイント=1円」の価値を有するポイントが付与される点や、有効期限がおおよそ1年から2年程度に設定されている点は共通です。ただし、還元率は同じではありません。
具体的には、ヤマダデンキやビックカメラの還元率は基本的に10%、ヨドバシカメラの還元率は支払方法によって10%または8%となっていますが、エディオンの還元率は、保有カードの種類や購入する商品によって1%から5%にまで変動し、他業者に比べてやや低めです。
消費者サイドから見た場合、「ポイント還元を受けられないから(あるいは、還元率が低いから)、他店よりも損だ」とは必ずしも言えません。例えば、ケーズデンキでは、独自のポイントサービスを導入しない代わりに、「現金値引」にこだわっています。他業界ではありますが、ドラッグストアを展開する「コスモス薬品」もポイントサービスを実施しない代わりに、その分、1円でも安く販売できるように努力しています。
消費者にお得感を訴求するために、ポイント還元率を押し出すのか、商品の販売価格自体をアピールするのか、その辺りも各社の戦略のひとつといえるでしょう。
他業種・他業界のポイントなどとの互換性
貯まった独自ポイントを自店舗の商品購入にのみ利用できる(同業他社では利用できない)という点は各社共通です。
他業種・他業界のポイントであれば互換性を有する場合がありますが、「交換する方向」(家電量販店の独自ポイントから他のポイントに交換するのか、あるいは、その逆方向に交換するのか)によって互換性に大きな差があり、相互互換ではなく一方向にしか交換できないケースが多いことにご留意ください。
具体的には、独自ポイントから他のポイントなどに交換できる仕組みを提供しているのは、ヤマダデンキとビックカメラの2社のみです。その一方で、他のポイントなどから各業者の独自ポイントに交換することは、ほとんどのケースで可能です。
ちなみに、ビックカメラは、「ビックポイント→他のポイント」という方向でも「他のポイント→ビックポイント」という方向でも交換可能なポイントの種類が、同業他社に比べて多いことが特徴です。提携先の業種としては、「交通機関(鉄道会社、航空会社)」や「クレジットカード会社」が目立ちます。
消費者としては、交換先が多いほうが使い勝手が良く、「この店舗で買い物をしてポイントを貯めたい」「保有しているポイントを、この店舗のポイントに交換して買い物をしよう」という気持ちが喚起されやすくなるでしょう。
キャッシュレス決済サービスのポイントで商品を購入できる場合もある
家電量販店では、貯まった独自ポイントだけではなく、各種キャッシュレス決済サービスのポイントを使って商品を購入できる場合もあります。具体的には、スマートフォン決済サービスや電子マネーで支払いを行う際に、その決済サービスで貯まっているポイントを使用するケースです。
例えば、ケーズデンキでは独自のポイントサービスを導入していませんが、d払い、PayPay、au PAY、楽天ペイ、LINE Pay、Suica、nanacoなどでの支払いに対応しているので、これらのサービスで貯まっているポイントを残高にチャージしたうえで、支払いに使うことも可能です。
ほかの家電量販店も、ケーズデンキと同様に、多種多様な決済手段に対応しています。独自ポイントだけではなく、各種決済サービスのポイントを使って商品を購入する選択肢も存在することを覚えておきましょう。
まとめ
本記事でご紹介したように、多くの家電量販店ではポイントサービスを実施していますが、共通ポイントではなく、顧客の囲い込みに繋がる「独自ポイント」を付与している点が特徴です。独自ポイントは同業他社のポイントとの互換性がないため、ほかの家電量販店では利用できません。
ただし、家電量販店各社(ポイントサービスを実施していないケーズデンキも含む)では、スマートフォン決済サービスや電子マネーなどによる支払いには対応しています。それらの決済サービスで支払えば、「dポイント」「楽天ポイント」といった共通ポイントなどが貯まり、貯まったポイントを他店で利用することは可能です。
チェーンごとに施策を見ていくと、ヨドバシカメラは、自社のECサイトのサービスを徹底的に強化しています。具体的には「配達料金を無料にする」「当日配達や細かい時間帯指定が可能なヨドバシエクストリームサービス便を導入する」「家電製品以外の品揃えも充実させ、800万アイテム以上を購入できる総合ECサイトとして展開する」といった施策を実施しており、これらは既存顧客の定着やリピート率の向上を図る戦略として有効といえるでしょう。
自社ECサイトを強化するヨドバシカメラと対照的に、ビックカメラは「外部との連携」を強化することで拡大を図る方針です。例えば、EC上での多店舗展開を推進しており、JREモールに「ビックカメラ」を出店しているほか、楽天と提携して「楽天ビック」を運営しています。
また、「ビックポイント→他ポイント」「他ポイント→ビックポイント」という方向でのポイント交換が可能だったり、提携カードが豊富だったりすることも、「外部との連携」を重視する姿勢の現れといえるでしょう。「ビックカメラSuicaカード」のように、ビックカメラでショッピングをした場合に、通常よりもポイント還元率が上昇するクレジットカードも存在します。
このように、同じ家電業界であっても、企業ごとに戦略の違いがあることを認識しておきましょう。他業界・他業種でも、「他社がやっていることを単純に真似する」という姿勢ではなく、自社に合った形の施策を展開していく必要があります。
上述したように、多くの家電量販店ではスマートフォン決済サービスや電子マネーでの支払いが可能なので、「dポイント」や「楽天ポイント」などの共通ポイントに対応すれば、家電量販店でポイントを獲得した消費者を、自社の顧客として取り込みやすくなるでしょう。
なお、「多種多様なポイントサービスに逐一対応することは難しい」と感じる場合は、ジー・プランの法人向けソリューションを活用することも選択肢のひとつです。例えば、「ポイント・コンセント」や「PCT LITE」なら、共通ポイントなどの直接発行や、独自ポイントと共通ポイントなどとの交換が可能になります。顧客満足度を向上させ、他社との差別化を実現するために、導入することも検討してみてはいかがでしょうか。
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