ポイントをビットコインなどの仮想通貨に交換できるポイントサービスの現況
さまざまな分野で活用され、別のポイント同士で交換することもできる、ポイントサービス。現金を始め他のポイント、ギフトといった交換先の選択肢は幅広いですが、最近はポイントをビットコインをはじめとする仮想通貨に交換できるサービスも登場し、注目を集めています。
本記事では、多くのポイントサービス導入会社にとって今後の課題となる可能性もある「ポイントと仮想通貨」の交換サービスに関して、その現況をまとめていきます。
この記事のポイント
ポイント1 購入するのではなく、ポイントと「交換」することで仮想通貨を得る手段が増えている
- ポイント2 証券会社やポイントサイトのポイントを、ビットコインをはじめとする仮想通貨に交換できるサービスがある
- ポイント3 ポイントサービス側は、ビットコインに限らない、汎用性の高い交換先を検討することが肝要
目次[非表示]
「仮想通貨」「ビットコイン」とは?
まずは「仮想通貨」と「ビットコイン」について簡単におさらいしておきましょう。
「仮想通貨」とは
仮想通貨は、暗号化技術を用いたデジタル通貨の総称です。
国が発行する従来の通貨とは異なり、中央銀行などの中央機関による発行や管理がなく、分散型台帳技術であるブロックチェーンによって取引履歴が記録されます。そのため、取引の透明性や安全性が高く、また、銀行などの金融システムを経由する必要がないため国境を越えた取引が容易になる、といった利点があります。
一般的には「仮想通貨」と呼ばれますが、正式名称は「暗号資産」です。
「ビットコイン」とは
ビットコインは仮想通貨の銘柄のひとつです。
現在は数多くの仮想通貨が発行され世界中で取引されていますが、ビットコインは2009年に登場した世界初の仮想通貨であるため、もっとも知名度が高く、仮想通貨の代名詞的存在と言えます。登場しても徐々に使われなくなっていく仮想通貨があるなか、ビットコインは今も活発に取引が行われています。
また、ビットコイン以外の代表的な仮想通貨に、「イーサリアム」「リップル」「ソラナ」などがあります。
ポイントを仮想通貨やビットコインに交換する方法は?
ビットコインをはじめとする仮想通貨を入手するには、「ウォレット」と呼ばれるツールを利用する必要があるなど、知らない人からすると少々複雑に感じることは否めません。
ですが最近は、仮想通貨を「購入」するのではなく、ポイントと「交換」することで入手する手段も増えつつあります。
たとえば、証券会社の投資信託によって加算されるポイントや、ポイントサイトで獲得したポイントの交換先として、ビットコインをはじめとする仮想通貨を用意しているサービスが増えつつあるのです。
仮想通貨やビットコインに交換できるポイントサービスの事例紹介
ポイントを仮想通貨に交換できるサービスの事例をご紹介します。
Coincheck
国内最大手の仮想通貨取引所である「Coincheck」では、指定のポイントシステムでたまったポイントを仮想通貨に交換するサービスを提供しています。
現在は、マネックス証券とマクロミルで獲得したポイントをそれぞれ仮想通貨に交換可能。1ポイント=1円換算で、ビットコイン、イーサリアム、リップルのいずれかの仮想通貨と交換できます。
楽天ウォレット
楽天グループの仮想通貨取引所である「楽天ウォレット」では、楽天ポイントを仮想通貨に交換することが可能。
1ポイント=1円換算で、最低100ポイントからビットコイン、イーサリアムなど9種類(2023年5月時点)の仮想通貨と交換できます。国内有数の共通ポイントである楽天ポイントを、手軽に、少額から多数の仮想通貨と交換できるため利便性が高く、ポイントサービスに携わる人にとっては要チェックの事例だと言えるでしょう。
汎用性の高いポイントの交換先を検討することが重要
以上のような現状と事例を踏まえて、ポイントサービスを提供する企業はどのような点を考慮すればいいのでしょうか。さまざまな切り口がありますが、まず何よりも「ポイントの交換先」の重要性を再認識する必要があると考えられます。
ポイントを仮想通貨に交換する際には、その後の使い道についても考慮しなければなりません。特に最近は「ポイント投資」という表現でポイントを仮想通貨と交換できるサービスをよく見かけますが、それこそ「投資」対象として見るのなら、幅広い選択肢を、それも汎用性の高い交換先を用意することが肝要です。
仮想通貨の種類に関して言えば、代名詞的な存在であるビットコインはもちろん、近年はNFTなどの文脈でイーサリアムの活用も広がっています。通貨ごとに値動きも異なりますから、選択肢が多い方がユーザーの利益につながりやすいでしょう。
【まとめ】
ポイントの交換先としての「仮想通貨」が広がりつつあるとはいえ、その選択肢はまだ限られています。
仮想通貨に対する世間の評価がまだ完全には定まっていない現状もあり、対応には悩ましい部分もありますが、ポイント交換の選択肢として仮想通貨は大きな可能性のひとつと言えるでしょう。ユーザーにとって魅力的な交換先を提供することは、サービスの利用意欲の向上にもつながるからです。
とはいえ、自社ポイントから仮想通貨への交換にはさまざまな技術的、費用的なネックがあり、決して容易ではありません。まずは自社ポイントの流動性を高め、その汎用性を上げる方向で検討する方が現実的ではないでしょうか。
例えば、ジー・プランが提供する「Gポイント」では、独自ポイントを100種類以上の銘柄に交換することが可能です。さらにポイント交換ソリューション「ポイント・コンセント」では、ユーザー自身で約150社の共通ポイントや大手ポイントへ直接交換可能となります。こうした仕組みを導入することで、仮想通貨への交換に興味を持つユーザーに対しても、効果的に訴求することができるでしょう。
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