
自社ポイントは非会員にも配れる|コード化という仕組み
自社ポイントを運用していると、「この人にもポイントを渡したい」のに渡せない。そんな場面はないでしょうか。店頭で接点を持った見込み客、まだ会員ではないキャンペーン応募者、商品を購入した非会員のユーザー、あるいは株主やグループ従業員。いずれも自社との接点はありながら、ポイント施策の対象からは外れています。
ポイントという仕組み上、自社ポイントは会員IDにひもづいた残高として管理されるため、会員IDを持たない相手には、ポイント付与が成立しません。
この制約を回避する方法が、ポイントを「コード」の形で発行するやり方です。会員IDの残高を加算するのではなく、ポイントを引き換えられるコードとして発行すれば、相手が会員かどうかに関係なく渡せます。受け取った人は、コードを入力して会員として受け取り手続きを行うことでポイントを受け取ります。つまり、配布そのものが新規会員獲得の入口にもなります。
本記事では、このポイントのコード化について、どのような仕組みで会員以外にも届けられるのか、これまでのポイント付与やクーポン配布と何が違うのか、導入には何が必要になるのかを説明します。
<この記事のポイント>
- ポイント1 自社ポイントは通常「会員の残高」としてしか存在せず、配布先が既存会員に限られる
- ポイント2 ポイントをコード化すれば会員システムの外へ持ち出せ、非会員にも配布できる
- ポイント3 受取時の会員登録が新規会員の獲得導線になり、費用も実際に付与された分だけの精算で済む

目次[非表示]
- 1.なぜ自社ポイントは「既存会員にしか」配れないのか?
- 2.既存会員だけへの配布では、何を取りこぼしているのか?
- 3.ポイントのコード化とは、何をする仕組みなのか?
- 3.1.必要なのは付与の機能ではなく、会員システムの外に持ち出す機能
- 3.2.「新規登録で100ポイント」や「クーポンコードで値引き」と何が違うのか?
- 3.3.自社で仕組みを用意する場合に必要になるもの
- 3.4.受け取りの段階で、会員登録かログインが入る
- 4.自社ポイントをコード化する「ポイント・コード」
- 4.1.自社ポイントを16桁のシリアルコードとして発行する
- 4.2.オンラインでもオフラインでも配布できる
- 4.3.発行方法は、まとめて作るか、その場で1件ずつ作るか
- 4.4.パートナー企業の画面からも、自社ポイントを発行できる
- 4.5.受け取り方は、自社の会員システムに合わせて選べる
- 4.6.受け取った人が、そのまま新規会員になる
- 4.7.費用は実際に付与された分だけの精算になる
- 4.8.導入事例:株式会社セブン・カードサービス
- 5.ポイントのコード化は、どんな場面で使われているのか
- 6.よくある質問
- 7.まとめ
- 8.おすすめの資料はこちら
なぜ自社ポイントは「既存会員にしか」配れないのか?
自社ポイントは「会員IDにひもづいた残高」として存在している
自社ポイントが既存会員にしか配布できないのは、ポイントがそれ単体で価値を持つものではなく、会員IDにひもづいた残高情報として存在しているからです。
一般的な会員・ポイント管理システムは、会員情報と購買実績をひもづけて一元管理し、その会員IDに対してポイントを加算・減算する構造になっています。つまりポイントを付与するには、先に「誰に」を特定する必要があります。
この順序が、配布範囲の上限を決めています。会員IDを持たない相手や、名簿はあるが会員IDとひもづいていない相手には、どれだけ予算を確保しても付与処理を実行できません。
既存会員だけへの配布では、何を取りこぼしているのか?
非会員との接点は、そのままポイント施策の対象外になる
会員IDを前提とした付与しか手段がない場合、企業が持つ接点のうち「相手が誰か分からない接点」はすべて施策対象から外れます。
たとえば、次のような場面です。
- 量販店やECモールなど、他社の販路で自社商品を購入した人(購入者の情報が自社に残らない)
- SNSのリポスト・フォローキャンペーンの当選者(アカウントは分かるが会員IDはない)
- 展示会やイベントで名刺交換・サンプル配布をしたが、会員登録までは至らなかった来場者
- アンケートやモニターに協力してもらったが、会員ではない回答者
いずれも、自社に何らかの関心を示している層です。本来であればインセンティブが効きやすい相手ほど、仕組み上の理由で施策から外れています。
代替として他社ギフトを使うと、原資が自社に還らない
非会員に何かを渡したい場合、実務では他社が発行する電子ギフト(Amazonギフトカードやコンビニの商品引換券など)を購入して配布する方法が選ばれがちです。手軽な一方で、見落とされがちなコストがあります。
まず、原資が外部に流出します。こうしたギフトは、受け取った側が他社のサービスで使い切って終わりです。費用をかけても自社への再訪動機にはつながらず、顧客データも残りません。
さらに、多くは事前に枚数分を購入する買い切り型です。配ったコードが使われなくても支出は確定します。応募数が読みにくい施策では、多めに買って余らせるか、足りなくなって追加で手配するかになります。
株主やグループ従業員への還元でも、同じことが起きる
同じ制約は、社外の見込み客以外にも及びます。株主名簿に記載のある株主や、人事システムで管理されているグループ従業員は、相手が特定できていても、会員IDとひもづいていなければ自社ポイントを付与できません。
ここでも必要になるのは、会員IDを前提としない配布の手段です。なお、株主優待としてポイントを進呈する取り組み自体のメリットや先行例については、株主優待でポイントを贈るメリットとは?で解説しています。

ポイントのコード化とは、何をする仕組みなのか?
必要なのは付与の機能ではなく、会員システムの外に持ち出す機能
ポイントを付与する機能自体は、すでに自社の会員・ポイント管理システムにあります。足りないのは、ポイントを会員IDから切り離して、外へ渡せる形にする部分です。
ポイントのコード化は、付与するポイントをあらかじめ固有のコードとして発行しておき、受け取った人がそのコードを自社サイトで入力した時点で、はじめて会員IDにポイントがひもづく、という順序に変えるやり方です。この順序の入れ替えによって、配布の時点では相手が会員である必要がなくなります。
コードはメールやSNSのメッセージで送ることも、DMやチラシに印刷することも、商品に貼付して渡すこともできます。渡し方が自社サイトに限られないため、会員登録をしていない相手にも直接渡せます。
「新規登録で100ポイント」や「クーポンコードで値引き」と何が違うのか?
コードを入力して得をする、という体験だけを見れば、既存の施策と似ています。違いは番号や金額ではなく、次の点にあります。
① 誰に渡せるか
新規登録の特典は、自社サイトまで来て登録した人にしか届きません。企業側から相手を選んで渡すことはできず、相手が来てくれるのを待つかたちになります。コード化されたポイントは、商品の購入者やイベント来場者など、渡したい相手を指定して届けられます。
② コードの性質
クーポンコードは全員共通の文字列であることが多く、SNSで拡散すれば対象外の人も使えます。コード化されたポイントは1枚ごとに異なるユニークなコードで、使用済みかどうかを管理できます。金額や有効期限を枚数単位で分けることも、二重取りを防ぐこともできます。
③ 渡しているものが値引きか、自社ポイントか
これはクーポンとの違いです。クーポンはその場の購入を安くするもので、使えばそこで終わります。ポイントは受け取った後も残高として手元に残り、使うためにもう一度自社に戻る理由になります。コード化してもこの性質は変わらないため、非会員に渡した場合でも、渡しているのは値引きではなく自社ポイントです。
④ いつ発行するか
登録時のポイント付与は、相手が登録した瞬間に自社サイトの中で処理されます。コードは付与と切り離されているため、渡すより前に発行しておけます。キャンペーンの前に必要枚数をまとめて作っておくことも、必要になったその場で1件ずつ作ることもできます。後者のやり方を使えば、提携先の店舗やサービスの画面から、その場で自社ポイントを発行して渡すこともできます。
主な違いを整理すると、次のようになります。
新規登録でポイント | クーポンコード | ポイントのコード化 | |
|---|---|---|---|
渡せる相手 | 自社サイトで登録した人だけ | コードを知った人なら誰でも | 渡したい相手を指定できる(非会員も可) |
コードの性質 | コードを使わない | 全員共通の文字列 | 1枚ごとに異なる固有のコード。使用済みかどうかを管理できる |
渡しているもの | 自社ポイント(残高として残る) | その場の値引き(使えば終わり) | 自社ポイント(残高として残る) |
なお、これらはどれか一つを選ぶものではありません。会員向けのクーポンや登録時のポイント付与はそのまま続けながら、会員システムの外にいる相手にだけコードを使う、といった使い分けもできます。
自社で仕組みを用意する場合に必要になるもの
コードを発行して配るだけなら単純に見えますが、実際に運用するには、少なくとも次の4つが必要になります。
- コードの発行:重複しない固有のコードを、金種・枚数・有効期限を指定して作成する
- 申請画面:受け取った人がコードを入力する画面を用意し、会員登録やログインとつなぐ
- 不正利用への対応:使用済みコードの再利用や、推測による入力を防ぐ
- 管理・照会:発行済み・使用済みの状態を把握し、問い合わせがあったときに個別のコードを調べられるようにする
とくに不正利用への対応と照会の仕組みは、施策を始める前には見積もりに入りにくい部分です。ポイントは金銭的な価値を持つため、コードが意図しない形で使われたときの影響が小さくありません。
受け取りの段階で、会員登録かログインが入る
自社ポイントは会員IDにひもづいた残高なので、受け取りの手続きでは会員番号などの識別子が必要になります。コード化で変わるのは、それを求めるタイミングが配布の前ではなく、受け取りの段階に移るという点です。
識別子の受け取り方には、3つの方式があります。
- 認証なし:申請画面で入力された会員番号を、桁数やチェックデジットなどの形式チェックだけで受け取る。その番号が実在の会員のものかどうかは照会しないため、相手がすでに会員番号を持っていることが前提になる
- ログイン画面遷移:自社のログイン画面に移り、会員照会を経て会員番号を受け渡す。この画面に新規会員登録の導線を置けるため、非会員はその場で新規会員登録に進めます
- API連携:自社の会員照会用APIを申請画面とつなぎ、その場で会員番号を確認する
既存会員への還元だけであれば、どの方式でも成り立ちます。非会員への配布を新規会員の獲得につなげるなら、ログイン画面に遷移する方式を選ぶ必要があります。
自社ポイントをコード化する「ポイント・コード」
ジー・プランが提供するポイント・コードは、自社ポイントをデジタルコードとして発行できるサービスです。前の章で挙げた、コードの発行・申請画面・不正利用への対応・管理と照会を、自社で開発せずにまとめて用意できます。
自社ポイントを16桁のシリアルコードとして発行する
発行されるのは、1枚ごとに異なる16桁のシリアルコードです。受け取った人は、共有された申請画面にコードを入力するとポイントが付与されます。
コードの渡し方は2通りあります。シリアルコードだけを渡して申請画面で入力してもらう形と、コードがあらかじめ入力された状態の申請画面URLを渡す形です。後者であれば、受け取った人はURLを開いて申請するだけで済み、16桁を手で入力する必要がありません。
オンラインでもオフラインでも配布できる
コードは文字列なので、渡し方を自社サイトの中に限る必要がありません。メールやSNSのメッセージで送ることも、DMやチラシに印刷することも、商品に同梱・貼付して渡すこともできます。
非会員との接点は、店頭や売り場、イベント会場といったオフラインにあることが少なくありません。その場で相手の手に渡せるので、メールアドレスを聞き出さなくても配布が成り立ちます。
発行方法は、まとめて作るか、その場で1件ずつ作るか
コードの発行には2つの方式があります。
- 管理画面方式:管理画面にログインし、発行したコードをCSVデータでダウンロードする。キャンペーンの前に必要な枚数をまとめて用意しておく使い方に向く
- API方式:ジー・プランのAPIと連携し、1件ずつリアルタイムで発行する。応募や購入といった行動に合わせて、その都度発行する使い方に向く
パートナー企業の画面からも、自社ポイントを発行できる
API方式では、コードの発行をパートナー企業に開放することもできます。自社が発行の条件を設定したうえでAPIを提携先につなぐと、提携先の画面から、その場で自社ポイントのコードを発行して利用者に渡せます。
自社サイトを経由しないため、提携先のサービスを使っている段階の利用者に直接届きます。自社の会員ではない層に自社ポイントを届ける手段として、他のやり方では代えにくい部分です。
受け取り方は、自社の会員システムに合わせて選べる
受け取りの手続きで会員番号をどう受け取るかは、先に挙げた認証なし・ログイン画面遷移・API連携の3方式から、自社の会員照会の仕組みに合わせて選べます。申請画面もジー・プラン側で用意するため、自社サイトに新しい画面を作る必要はありません。
受け取った人が、そのまま新規会員になる
ログイン画面に遷移する方式であれば、その画面に新規会員登録の導線を置けます。コードを受け取った非会員は、ポイントを受け取るために会員登録をすることになります。
つまり、配布した分だけ新規会員の獲得につながる可能性があります。他社の電子ギフトを配る場合は、受け取った人との関係がそこで終わります。自社ポイントをコード化して配る場合は、受け取りが会員化の起点になり、その後の購買もポイント残高を通じて自社に戻ってきます。
費用は実際に付与された分だけの精算になる
他社の電子ギフトを配る場合は、使うかどうかに関係なく、枚数分を先に購入します。ポイント・コードは実際に付与された分だけが精算の対象となるので、コストの無駄がなくなります。
導入事例:株式会社セブン・カードサービス
電子決済サービスnanacoを運営する株式会社セブン・カードサービスでは、nanacoポイントの配布にポイント・コードが使われています。
活用の場面は幅広く、イトーヨーカドーとメーカーの共同キャンペーンの景品、SNSのフォロー&リポストキャンペーン、グループ従業員向けの還元、健康保険組合のポイント交換景品、社内イベントの景品などに及びます。社外への販促と社内への還元の両方で、同じ仕組みが使われています。
導入の経緯や実際の取り組みについては、株式会社セブン・カードサービス様 導入事例でご紹介しています。
ポイントのコード化は、どんな場面で使われているのか
実際にポイント・コードが使われている場面は、大きく4つに分けられます。いずれも、相手が自社の会員とは限らない、という点が共通しています。
他社の販路や売り場を通じた販促
食品メーカーがスーパーと合同キャンペーンを行い、その景品として自社ポイントを渡す、といった使い方です。家電メーカーが商品にコードを同梱する例もあります。
こうした販路では、購入者が誰なのかはメーカー側には分かりません。コードであれば、商品や売り場を介して直接手元に届き、受け取った人が自社サイトに来る理由になります。
SNSキャンペーンのインセンティブ
フォロー&リポストキャンペーンの当選者への謝礼に使われています。当選者はアカウントしか分からず、会員IDを持っていないことも多い層です。DMでコードを送れば、相手の個人情報をあらかじめ受け取らなくても渡せます。
株主・グループ従業員への還元
グループ従業員向けの還元や、業績上位の社員へのインセンティブ、社内イベントの景品といった使い方です。株主優待も同じく、名簿はあるが会員IDとはひもづいていない、という場面にあたります。
いずれも、名簿の人を会員番号とひもづける作業は不要で、手元の名簿に向けてコードを配れば済みます。
他社のポイント・ギフト施策の交換先になる
デジタルギフト事業者や健康保険組合など、別の事業者が運営するポイント交換・景品のラインナップに、自社ポイントを並べてもらう使い方です。API方式を使えば、提携先の画面で選ばれたその場でコードを発行できます。
自社のサイトに集客するのではなく、人がすでに集まっている場所に自社ポイントを置くこともできます。
よくある質問
コードの発行にはどんな方法がありますか
管理画面からCSVデータでまとめて発行する方法と、APIと連携して1件ずつリアルタイムで発行する方法があります。事前に枚数が読めるキャンペーンなら前者、応募や購入の都度渡したい場合は後者が向いています。
受け取った人は、どうやってポイントに換えるのでしょうか
16桁のシリアルコードを申請画面に入力してもらう形と、コードが入力済みの申請画面URLを渡す形の2通りがあります。後者ならURLを開いて申請するだけで済み、入力の手間や入力ミスを防げます。
紙媒体や店頭でも配れますか
配れます。コードは文字列なので、DMやチラシへの印刷、商品への同梱・貼付など、オフラインの接点でも渡せます。
自社サイトに新しい画面を作る必要はありますか
コードの申請画面と管理画面はジー・プラン側で用意するため、自社で作る必要はありません。会員番号の照会方法に応じて、ログイン画面への遷移やAPI連携を設定します。
まとめ
自社ポイントの配布先が既存会員に限られるのは、ポイントが会員IDにひもづいた残高として管理されているからです。他社の販路で購入した人、SNSキャンペーンの当選者、株主やグループ従業員など、接点はあるのに会員IDとはひもづいていない相手には、付与処理そのものが実行できません。
ポイントをコードとして発行すると、この順序が入れ替わります。配る時点では相手が会員である必要がなく、受け取りの手続きではじめて会員IDとつながります。そのため、非会員への配布がそのまま新規会員の獲得につながります。他社の電子ギフトを購入して配る方法とは、この点が決定的に異なります。
ジー・プランのポイント・コードは、コードの発行から申請画面、不正利用への対応、発行済みコードの管理と照会までをまとめて提供します。既存の会員・ポイント管理システムはそのままに、配布の範囲だけを会員の外へ広げられます。
非会員への還元や、株主・従業員へのポイント配布を検討されている方は、サービス資料をご覧いただくか、下記お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
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