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ポイント制度を導入して学生の課外活動を支援!実践例をご紹介

大学は最高学府であり、その存在意義は、「学術研究」と「教育」にあります。しかしながら、「課外活動(サークル活動、ボランティア活動など)」がどうでも良いというわけではありません。課外活動の経験談は、就職活動に役立ちますし、正規の授業では得られない体験や学びは、その後の人生を豊かにするでしょう。

ただし、自由意思に任せているだけでは、課外活動に参加する学生がなかなか増えません。そこで、近年、「学生の課外活動を支援するためのポイント制度」を導入する大学が増加しています。本記事では、メリットについて詳しく解説したうえで、実践例もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。


この記事のポイント

  • ポイント1 ポイント制度を導入して、学生の課外活動を支援する大学が増加中

  • ポイント2 学生に自発的な活動を促す効果があり、就職活動にも役立っている

  • ポイント3 正規の授業では得られない経験は、その後の人生を豊かにする


目次[非表示]

  1. 1.学生の課外活動を支援するために「ポイント制度」を導入する大学が増加
  2. 2.学生が課外活動を行うメリット
  3. 3.学生の課外活動を支援するポイント制度の具体例
  4. 4.各大学で実施されている課外活動支援ポイント制度の動向に注目しよう


学生の課外活動を支援するために「ポイント制度」を導入する大学が増加

近年は進学率が上昇し、18歳男女の半数以上が大学に入学する時代です。1950年代には10%未満、1970年代末には20%台だった4年制大学への進学率は、1990年代末には30%台後半に達し、2014年以降は50%を超える状態が続いています。

大学の目的は「学術研究」と「教育」なので、学業に専念するのは学生としての理想像です。学術を究めて研究者を目指したり、難関資格を取得したりする選択肢は、もちろん尊重されるべきです。

しかし、就職を考えるのであれば、状況は少し異なります。大学教育がユニバーサル化した昨今においては、単に「大学を卒業した」というだけでは「同世代の約半数と同じ学歴」という評価しかもらえません。「大学を卒業したら、普通に就職したい」という多くの学生にとって、就職活動を有利に進めるためには、プラスアルファの価値を身に付ける必要があるでしょう。


そこで、重要になってくるのが「課外活動」の経験です。サークル活動やボランティア活動などに取り組んだ経験は、就職活動において自分自身の魅力をアピールできる材料になるでしょう。

ただし、正規の授業であれば「単位」という成果を手に入れることができるのに対し、課外活動に熱心に取り組んでも「単位」を獲得することはできないため、一歩を踏み出せない学生がいるかもしれません。

そのような問題を解決するために、近年、「課外活動に対して、大学独自のポイントを付与する仕組み」を導入して学生の課外活動を支援する大学が次々に登場しています。


学生が課外活動を行うメリット

以下は、学生が課外活動を行うメリットです。

  • コミュニケーション能力が磨かれる
  • チャレンジ精神が育つ
  • 主体的に物事に取り組む姿勢が身に付く
  • 在学中に実践した活動をポートフォリオにまとめ、就職活動で利用できる
  • 大学内に閉じこもるのではなく、地域社会に貢献できる
  • 他大学の学生や、他の世代と知り合える

このようなメリットがあるにもかかわらず、一歩を踏み出せずにいる学生も多数いるでしょう。

ここで活用したいのが、ポイント制度です。ポイント制度の効用は、「課外活動を行おう」という意欲が喚起され、一歩を踏み出せずにいる学生の背中をそっと後押しすることです。

大学ごとに「どのような活動に対してポイントを付与するのか」は異なりますが、おおむね「サークル活動」「各種ボランティア活動(地域貢献活動、高齢者支援活動、環境美化活動など)」「自己啓発活動(各種セミナー・研修への出席)「起業・創業」「学内イベントへの参加」などを行うとポイントが付与される仕組みになっています。

大学によっては、貯まったポイントを学内の売店・食堂などで利用できる場合もあります。金銭的にはわずかなものかもしれませんが、「動こう」という意欲を高める効果は充分にあるでしょう。

次の節でさまざまな大学における実践例をご紹介します。


学生の課外活動を支援するポイント制度の具体例

下表に、学生の課外活動を推進するために導入されているポイント制度の具体例をまとめました。


大学名
ポイント制度の内容
島根大学                         
  • ビビットポイント」という制度を実施
  • ポイント付与対象とポイント数の目安:ボランティア活動(1時間10~70ポイント)、サークル活動(年間50~100ポイント)、地域貢献活動(1時間25ポイント)、セミナーへの参加(1時間30ポイント)、資格取得(1資格につき100~200ポイント)など
  • 貯まったポイントは10ポイント単位で「ビビットチケット」と交換でき、「1ポイント=1円」で大学生協の売店で学用品・書籍などに交換可能(飲食品・生活用品との交換は不可)
福岡工業大学
  • FITポイント制度」を実施
  • ポイント付与対象とポイント数の目安:近隣自治体における地域貢献活動(1回5~30ポイント)、小中学校での学習支援活動(1回10~20ポイント)、高齢者支援活動(1回10~20ポイント)、環境美化活動(1回10~15ポイント)、各種セミナー・研修への参加(1回5~100ポイント)、起業・創業体験プログラムへの参加(1回10ポイント)、学内イベントへの協力・補助活動(1回10ポイント)など
  • 貯まったポイントが100ポイントに達すると、紀伊国屋書店、セブンイレブン、美容院、学内の売店・食堂などで利用できるチケットと交換できる
  • 在学中に行った活動を、大学独自の学習ポートフォリオシステム「FIT-AIM」に記録することで「見える化」し、就職活動に役立てることも可能
金沢学院大学
  • 就職支援報奨ポイント制度」を実施
  • ポイント付与対象とポイント数の目安:サークル活動(発表会出演、優秀学生表彰などで200ポイント)、ボランティア活動(1回50~200ポイント)、インターンシップへの参加(500ポイント)、合同企業面接会への参加(100ポイント)、各種資格・検定試験の受験(100ポイント)、海外留学(100ポイント)、清掃・雪かき・草むしりなど指定の学内作業(200ポイント)など
  • 貯まったポイントは「1ポイント=1円」換算で売店や食堂で利用できる各種チケットに交換できるほか、就職活動に必要な各種書類(成績・単位修得証明書、推薦書、健康診断書など)の発行手数料に充当することも可能
弘前大学
  • 弘前大学ボランティアポイント制度」を実施
  • ポイント付与対象とポイント数:ボランティア活動(1時間1ポイント)
  • 在学中に獲得したポイント数に応じて、活動時間を証明する「ボランティア活動実績証明書」が発行され、就職活動における自己PRで利用できる
  • 100ポイント以上獲得すると表彰される


このように、大学ごとに特色あるポイント制度が実施されています。

大学によっては貯まったポイントを、学内の売店・食堂だけではなく、学外のお店で利用できるチケットと交換できるケースもあります。今後、同様の制度を実施する大学が増えていくにつれて、共通ポイント(楽天ポイント、dポイント、Tポイントなど)と連携する事例が出てくるかもしれません。企業でポイントの運営に携わっている方は、大学内のポイント制度の動向もチェックしてはいかがでしょうか。


各大学で実施されている課外活動支援ポイント制度の動向に注目しよう

今のところ、学生の課外活動を支援するためのポイント制度は、各大学の独自ポイントで運用されています。しかしながら、今後は「共通ポイントを付与する」「独自ポイントと共通ポイントの交換を可能にする」といった大学が登場する可能性もあります。定期的に動向をチェックしましょう。

本記事でご紹介したように、ポイントサービスは、日々の買い物だけではなく、「大学における課外活動」という領域にまで浸透しています。将来的には、より多様な分野でポイントサービスが実践されていくでしょう。まだポイントサービスに対応していない企業は、導入に向けて動き出してもよいかもしれません。

なお、「どのポイントサービスを導入すれば良いのか分からない」という場合は、100種類以上の電子マネー、マイルなどとの交換が可能な「Gポイント」を導入することも、選択肢のひとつとしてご検討ください。


佐藤拓真
佐藤拓真
2018年頃からライターとして活動。「企業がポイントサービスを活用する方法」「ポイントを活用したビジネスのトレンド」「ポイントを活用したマーケティング手法」「ポイント制度やシステムに関する基礎知識」などについて、フラットな視点からレポートしています。私は「ポイント活動(ポイ活)」が注目されるようになる前から、さまざまなポイント(電子マネー、マイルなどを含む)を貯めてきました。自分自身の経験も踏まえて記事を執筆していくので、企業でポイント制度の導入・運用に携わっている方の参考になれば幸いです。

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